見出し画像

狼と娘【名詞】wolf (Arthur Conan Doyle / A Study in Scarlet)

“Don’t get arresting me for the murder,” he said. “I am one of the hounds and not the wolf; Mr. Gregson or Mr. Lestrade will answer for that. (p.37)
「殺人罪で逮捕なんてごめんだよ」ホームズは言った。「僕は狼じゃなくて、猟犬の方なんだからね。グレグソン警部かレストレード警部が請け合ってくれるよ」

Arthur Conan Doyle / A Study in Scarlet (1886)

事件発生当時、現場近くにいた巡査にホームズが事情を聞いている場面。彼の驚異的な洞察力に疑いを抱いた巡査に放ったセリフである。

まず houndwolf の対比がおもしろい。官憲を指して「犬」と言うとき、日本では侮蔑的な意味合いが強いが、英語ではそうでもないのだろうか。あるいはここでは自虐的な意味もあるのだろうか。

また、日本語では「一匹狼」「子連れ狼」「サーキットの狼」など、孤独でニヒルなダークヒーローの印象があるが、あちらでは残忍で凶悪な犯罪者という意味合いが強いのだろうか。素人考えだが、牧畜文化の有無の違いなのかもしれない。

ちなみに、千代の富士がウルフと呼ばれていた所以を調べようとしたら、検索結果に秋元梢さんが出てきたので、変だなと思ったら、検索候補に出てきた「千代の富士 狼」を選んだつもりが、「」を選んでいた。

ここでハタと気付いた。

PUFFYの『サーキットの娘』は、『サーキットの狼』のパロディだったのか!と。いや、つまり、それは知ってたけど、単に「狼」を「娘」にしたんじゃなくて、けものへんをおんなへんに変えるだけという、音ではなくて字面ダジャレ?だったのである。

知ってた?知らなかったのオレだけ?

この記事が参加している募集

海外文学のススメ

英語がすき

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?