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蟻を見つめていた頃

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20年前に書いたエッセイ。一部加筆修正。 ★は2017年以降、新たに書き下ろしたエッセイ。
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2018年5月の記事一覧

多数決の恐怖

多数決の恐怖

★この文章を書いてから20年。全く進歩が感じられない世の中に愕然とする。先日行われた衆院選。多数決が出した結果は、前政権の継続である。私はこれが最良解であるとはどうしても思えない。

無関心は民主主義を麻痺させる。投票率が50%に満たない選挙では真の民主主義は機能しない。政権与党はそれが分かっていてあえて何も手を打とうとしない。60年、70年安保の時代。多くの大学生が政治に反発して行動した。今より

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★温故知新

私が好きな諺に「人間万事塞翁が馬」と「禍福はあざなえる縄のごとし」がある。

どちらも。「幸不幸は交互に訪れる。幸福が不幸の契機になったり、不幸が幸福の入口になっていたりする。その只中にいる時には分からない」と言う意味である。

この三日間、10年ぶりに持病の発作(と言っても命に関わる病気ではありません)で休んでいる。10年前に初めて発作が起きたときは、学校では無く教職員研修センターで研究生という

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★宗教と人間 ~創価学会考~

★宗教と人間 ~創価学会考~

私の叔父は創価学会員である。幼い頃から叔父は仏法の話をしてくれた。教員になってからも、折伏を受けた記憶がある。

私が小学校3年、4年の時の担任も熱心な創価学会員である。やはり何回かお誘いを受けて、若い頃は集会にも参加した。「創価学会という宗教の本質とは何か?」を知りたかった。

一度、巣鴨の大講堂に行ったことがある。200畳はあろうかという広間に、信者がびっしり座っている。壇上に久本雅美氏が登場

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★思考フレーム

★思考フレーム

人は誰でも、今まで生きてきた経験に基づいて、おのおの思考のフレームを持っている。経験は人生の長さに応じて増えるので、年長者は若年者より比較的広めのフレームを持っているのが「普通」である。

しかし、これは、あくまで「普通」なのであって「絶対」「必ず」ではない。人の中には、自分に厳しい経験を糧にして自己研鑽できる人と、他人のせいにしてスルーしてしまう人がいる。前者は常に成長を続けて思考のフレームを広

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