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サブカルチャーのこころ:オタクなカウンセラーがまじめに語ってみた

みなさま、連休いかがお過ごしでしょうか。
私は元気に推しの舞台に通っております。

このたび、本が出ます(6月1日発売)。

『サブカルチャーのこころ:
オタクなカウンセラーがまじめに語ってみた』
384頁・2,420円(税込み)。分厚い、けど安い。

アフィリエイトとかじゃないので気軽に予約してください。

この本の特徴は、なんといっても「心理業界でほぼ無名の現役カウンセラーたちが12人集まって、33のサブカル的テーマと”こころ”との関連を読み解いている」という、闇鍋的なところにあると思っています。

とはいえ、各自が好きなテーマについて勝手に書いて、それをただ束ねた本。ぶっちゃけそういう本ってたくさんありますよね。
章やテーマごとに、方向性や熱量もバラバラなやつ。
編者や著者が有名なら、それでも成立するんでしょうが・・・なにぶん我々、知るひとぞ知るインディーズバンドみたいな集団ですので(※)

私は編者として、そういった本には絶対したくないと考えていました。
関心も筆力もバラバラ、かつ雑多な12人が集まってひとつの本を作るとなると、それなりのマネジメント・コントロールが必要になります。

そのためのヒントを編集者の津田さんからたくさんいただきました。
個人的に最も悩んだのは「章立て」です。

当初、この本を作るときに考えていたのは、「漫画」「アニメ」「ゲーム」「アイドル」「舞台」といった「ジャンル」による章立てでした。
その時点で我々12名は100以上のテーマを出していましたが、それでは何かがうまくハマらない。”こころ”にアプローチするにはもの足りない。
津田さんから「これではこの本は出せない」と言われた京都の夜、私は三井ガーデンホテルの天井を見ながら眠れずに考えていました。

”問い”が必要だ。

そこで、本の章立てを根本から見直しました。
第1章 みんながハマるのは、なぜ?
第2章 長く楽しまれているのは、なぜ?
第3章 憧れるのは、応援するのは、なぜ?
第4章 創るのは、表現するのは、なぜ?
第5章 仲間と集まるのは、なぜ?

このように「なぜ?」という問いを立てることで、サブカルチャーを好きなひとの”こころ”にアプローチできるのでは、と考えたのです。

結果として、この問いを立てたことにより、雑多だったテーマから33が絞り込まれ、本全体にまとまりが生まれたように思います。
個々のテーマについては、木立の文庫様のHPをご覧ください。

2022年の6月頃より、全員で執筆を開始しましたが、その際にも全体に統一感が生まれるよう、各執筆者にかなり具体的なディレクションを行いました。さらには出来上がってきた原稿に対しても、編者判断でリテイクを求めたり、大幅な修正を入れました。

また「フットノート」は我々にはなかった津田さんのアイデアでした。テーマと他のテーマとを結びつけるというのはなかなか大変な作業でした。
ただ、やってみるとまったく関係ないテーマどうしに同じキーワードが使われていたり、思わぬ伏線になっていたりと、本がより有機的に動き出したというか、結びついたように感じています。

ごちゃごちゃとしているのに、全体を見るとなんとなくまとまっている。
「闇鍋なのに美味い」というのはそういう意味です。

出来上がってきた見本を見ておののきました。

分厚い、想像していたよりもずっと・・・

これはもう、手にとってもらわないと分からない、このお得感。
ていうか表紙からしてかわいい!私の方が早くほしい!!
早く書店に並ばないかな~と思いますが、ぶっちゃけ部数そんなにないので確実にゲットしたい方はご予約を強くお勧めいたします。
近所の本屋さんへの注文や、あるいは中高生でも読めますので、図書館へのリクエストもベターかと。

※いちおう、我々の母体である「サブカルチャー臨床研究会(さぶりんけん)」は日本心理臨床学会自主シンポジウムを毎年行っており、昨年度で7年目、オンラインで200名以上の参加をしていただいています。
また今年度の日心臨では・・・乞うご期待です。


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