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ムジⅦの映画日記『夜明けのすべて』

『ケイコ 目を澄ませて』が話題となった三宅唱監督の最新作『夜明けのすべて』。上白石萌音さん(『君の名は。』)・松村北斗さん(『すずめの戸締まり』)と新海作品と繋がりのある二人が主演ということで新海監督も試写の時点で絶賛されており、期待値が高まった状態で観てきました。 あらすじ感想(ネタバレなし)最初こそPMSと周囲の理解との折り合いがつかず苦しむ描写があるものの、転職後は過ごしやすい環境を得られて、藤沢さんにも山添くんにも「優しい」世界が展開されているのが良いなと思いました

    • 映画『怪物』ティーチインイベントin大阪ステーションシティシネマ レポート

      概要 【劇場】(大阪)大阪ステーションシティシネマ  スクリーン3 【時間】7月2日(日) 10:40の回 上映終了後 【登壇】是枝裕和監督・安藤サクラさん・柊木陽太さん 是枝監督、安藤サクラさん、柊木くん入場。 安藤さん「普段の舞台挨拶だとマスコミの方がいて、ネットニュースになるのとか気にしながら話しちゃうんですが、今日はそういう方いないので自由に話せるのが楽しみです」 柊木くん「どんな質問が来るのか楽しみに来ました」 監督「答えづらい質問が来たら陽太くんに振ります(笑

      • 『劇場版 PSYCHO-PASS サイコパス PROVIDENCE』制作スタッフ・ネタバレありの座談会@梅田 レポート

        日時:6月25日12:10の回 場所:TOHOシネマズ梅田 スクリーン9 登壇者:塩谷直義監督、脚本の冲方丁さん、吉田尚記アナ 座談会 3人は昨日夜9時に大阪に着いて朝4時まで飲んでた。冲方さんがPSYCHO-PASSシリーズを絶賛していて、吉田アナは飲みながらもメモっていた。 冲方さん「砺波のデザインが素晴らしい。脚本の中での老兵のイメージをどうデザインに落とし込むか気になっていたから」 監督「一線を退いた兵士として、ゴリラ(狡噛)じゃないようなデザインにする必要があっ

        • ムジⅦの映画日記『窓辺にて』

          『愛がなんだ』『his』等で押しも押されもせぬ勢いの今泉力哉監督の脚本・監督作。塚口サンサン劇場シアター2で観ました。 あらすじ感想主人公の悩みは妻の浮気を知っても自分がショックを受けなかったこと。ほんとうに妻のことが好きなのか、感情に乏しい人間なのではないか…。好きになる=相手を束縛するということの善し悪しを描いていたように思います。愛や名声も含めて、手に入れることの方がポジティブで手放すことはネガティブとされがちですけど、後者ももっとポジティブにとらえていいんじゃないか

        ムジⅦの映画日記『夜明けのすべて』

        • 映画『怪物』ティーチインイベントin大阪ステーションシティシネマ レポート

        • 『劇場版 PSYCHO-PASS サイコパス PROVIDENCE』制作スタッフ・ネタバレありの座談会@梅田 レポート

        • ムジⅦの映画日記『窓辺にて』

          ムジⅦの映画日記『ケイコ 目を澄ませて』

          ストーリー目を澄ませるということ手話でのやり取りを観客に伝えるために様々な手法が取られる。冒頭、弟とのやり取りは手話の後に黒い背景に文字が配されさながらサイレント映画のように示される。これが続くのかと思いきや、字幕で映し出されるときもあればケイコが口の動きを読んでいるので文字で出す必要がないシーンも有る。ケイコが同じハンデを持つ友人たちと会話を楽しむシーンは手話のみで語られ内容が観客に示されることはない。 あとはもちろん絶対的な芝居を披露する岸井ゆきのさん――『愛がなんだ』『

          ムジⅦの映画日記『ケイコ 目を澄ませて』

          ムジⅦの映画日記『犬も食わねどチャーリーは笑う』

          昨年公開の本作ですが、鑑賞タイミングが合わず、塚口サンサン劇場のセカンドラン上映で観ました。シアター1でこじんまりと。 ストーリー所感諸々恋愛関係と夫婦って同じ一緒にいる関係でも違うカテゴリーのように思っているのですが、この2つが地続きになってるって不思議ですよね。 この物語の夫婦もささやかだけどあるときめきから心を通じ合わせ夫婦になるけれど、生活を共にする上での価値観の違いや、子どもを作ることへの考え方…などですれ違って「旦那デスノート」なるものに吐き出すようになっていく

          ムジⅦの映画日記『犬も食わねどチャーリーは笑う』

          ムジⅦの映画日記『そばかす』

          2023年映画初めは本作でした。シネ・リーブル梅田シアター2にて平日昼間に鑑賞。まだ年末年始休暇の方もいたのか人の入りも良かった。 映画「そばかす」とは スタッフ・キャスト (not) HEROINE moviesの3作目として制作された作品。 『ドライブ・マイ・カー』で日本アカデミー賞新人俳優賞を受賞し、『天気の子』の劇中歌歌唱でも知られる三浦透子さんが初単独主演をつとめ、また主題歌も担当している。脚本は今泉力哉監督作の『his』や鈴木拡樹さん主演の『カフカの東京絶望

          ムジⅦの映画日記『そばかす』

          オリジナルアニメ『地球外少年少女』ヒストリートークショーに行ってきた

          イントロダクション「電脳コイル」から15年。 当時誰もが想像しえなかった「ARがある暮らし」を予見した、監督・磯光雄。 彼が次に見通すビジョンは――「AIがある宇宙での暮らし」だった。 舞台は、インターネットも、コンビニもある「2045年の宇宙」。 日本の商業ステーション「あんしん」で、少年少女たちは大きな災害に見舞われる。 大人とはぐれ、ネットや酸素供給が途絶した「あんしん」から、自力での脱出を目指す子供たち。 ときに仲間の、ときにAIの力を借り、生きるための行動を採る

          オリジナルアニメ『地球外少年少女』ヒストリートークショーに行ってきた

          『ベイビーわるきゅーれ』が良かった話

          『ベイビーわるきゅーれ』とは塚口サンサン劇場での上映を待ちわびていた本作品、どストライクだったのでちょっくら感想を記します。 まず、監督は『ある用務員』の阪元裕吾監督。日本バイオレンスアクション映画界新星の監督。だそうだ。浅学なので阪元監督作品を観るのは初の私…塚口サンサン劇場では『ある用務員』も来週から併映なので履修したい。 主演は髙石あかりと伊澤彩織。 髙石あかりはいちばん有名な肩書きは『舞台版 鬼滅の刃』の禰豆子役。 他にも様々な舞台作品で活躍しており、独特な雰囲気を

          『ベイビーわるきゅーれ』が良かった話

          おかえりなさい、私たちの映画館〜なぜか劇場版 戦国BASARAを観たよ

          久しぶりの映画館新型コロナウイルスの影響による緊急事態宣言を受けて全国の映画館が一斉に休館に入ったのが、4月初旬。 関西では5月21日に宣言が解除され、都市部の映画館も再開の動きを見せ始めた。 1ヶ月半ぶりの映画館での映画鑑賞だった。近場の映画館で観れる映画を探していたところ、異質な作品名が目に飛び込んできた。 「劇場版 戦国BASARA -The Last Party-」 2011年の劇場アニメーション作品である。 有名な作品であるためここでの説明は省くが、筆者にとって

          おかえりなさい、私たちの映画館〜なぜか劇場版 戦国BASARAを観たよ

          映画『静かな雨』〜暦を紡ぐ、たい焼きたち

          2/7(金)公開の映画『静かな雨』を京都・出町座で鑑賞しました。 以下、あらすじです。 たとえ記憶が消えてしまっても、ふたりの世界は少しずつ重なりゆく 大学の研究室で働く、足を引き摺る行助は、“たいやき屋”を営むこよみと出会う。 だがほどなく、こよみは事故に遭い、新しい記憶を短時間しか留めておけなくなってしまう。 こよみが明日になったら忘れてしまう今日という一日、また一日を、彼女と共に生きようと決意する行助。 絶望と背中合わせの希望に彩られたふたりの日々が始まった・・・。

          映画『静かな雨』〜暦を紡ぐ、たい焼きたち

          「塚口サンサン劇場」と「プロメア」、そして「澤野弘之」

          「プロメア」上映決定。前回の記事で、塚口サンサン劇場という映画館について音響面を中心にお話し、最後にプロメア上映を希望しています、とまとめました。それから一週間もたたないうちに、9月の上映が決定しました。まったくの偶然とは思いますが絶妙過ぎるタイミングに震えました。 ご覧くださいこのプロメア愛に溢れた告知文を。中島かずきじゃないのにかずき節が効きまくっている。きっとサンサンの支配人には中島かずきの魂が乗り移っているにちがいありません。まさしくこれからプロメア上映の本番を迎え

          「塚口サンサン劇場」と「プロメア」、そして「澤野弘之」

          あなたは「塚口サンサン劇場」という映画館を知っているだろうか。①

          塚口サンサン劇場とは「塚口サンサン劇場」と聞くと、「劇場」と付くので、一見映画館とは連想しづらいかもしれません。しかし、塚口サンサン劇場は映画館の中の映画館であり、かつアウトローな存在でもある、稀有・唯一無二な映画館です。 塚口サンサン劇場は兵庫県尼崎市の阪急塚口駅から徒歩1分の場所にあり、来月7月7日で66周年を迎える老舗映画館です。(ちなみに66年という数字にイマイチ自信がないらしいですが、「「わしゃ66歳じゃ!」とサンサン劇場が言ったから2019年7月7日は66周年で

          あなたは「塚口サンサン劇場」という映画館を知っているだろうか。①