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ムジⅦの映画日記『窓辺にて』

『愛がなんだ』『his』等で押しも押されもせぬ勢いの今泉力哉監督の脚本・監督作。塚口サンサン劇場シアター2で観ました。

あらすじ

フリーライターの市川茂巳(稲垣吾郎)は、編集者である妻・紗衣(中村ゆり)が担当している売れっ子小説家と浮気しているのを知っている。しかし、それを妻には言えずにいた。また、浮気を知った時に自分の中に芽生えたある感情についても悩んでいた。ある日、とある文学賞の授賞式で出会った高校生作家・久保留亜(玉城ティナ)の受賞作「ラ・フランス」の内容に惹かれた市川は、久保にその小説にはモデルがいるのかと尋ねる。いるのであれば会わせてほしい、と…。

映画『窓辺にて』公式サイトより

感想

主人公の悩みは妻の浮気を知っても自分がショックを受けなかったこと。ほんとうに妻のことが好きなのか、感情に乏しい人間なのではないか…。好きになる=相手を束縛するということの善し悪しを描いていたように思います。愛や名声も含めて、手に入れることの方がポジティブで手放すことはネガティブとされがちですけど、後者ももっとポジティブにとらえていいんじゃないか。そういうメッセージですかね。「人は信頼し合うことで繋がれる(意訳)」…って台詞もありましたけど、主人公夫婦にとっては、離婚というのが信頼をお互いに示した結果だったのでしょうか。

キャスティングについて

今泉監督はほんとに若葉竜也さん好きですね。ほぼ毎回出ているのにワイルドだったり繊細だったり頼りない感じだったり違う表情を魅せる若葉竜也さん側ももちろんすごいなと。そして女優を撮らせてその表現で右に出る者はいない今泉監督ですが、今回も玉城ティナさんがとても良い雰囲気を醸し出してました。
『犬も食わねどチャーリーは笑う』でも「パフェの語源はパーフェクト」って台詞ありましたよね。しかもそれに言及するのが今作主演の稲垣吾郎さんと同じ新しい地図の香取慎吾さんだったよなってのも思い出してにやりとしちゃいました。

来月にはNetflix映画『ちひろさん』公開も控えている今泉監督。見逃さず行こうと思います。


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