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映画『怪物』ティーチインイベントin大阪ステーションシティシネマ レポート

概要

【劇場】(大阪)大阪ステーションシティシネマ  スクリーン3
【時間】7月2日(日) 10:40の回 上映終了後
【登壇】是枝裕和監督・安藤サクラさん・柊木陽太さん

是枝監督、安藤サクラさん、柊木くん入場。
安藤さん「普段の舞台挨拶だとマスコミの方がいて、ネットニュースになるのとか気にしながら話しちゃうんですが、今日はそういう方いないので自由に話せるのが楽しみです」
柊木くん「どんな質問が来るのか楽しみに来ました」
監督「答えづらい質問が来たら陽太くんに振ります(笑)」

Q1.依里くんは廃電車の中ではじめて心から笑っているように見えましたが、学校にいるときと演じ分けはしてましたか
A.柊木くん:学校ではいじめを受けてたりするところは、感情の出方は他とは変えています。

Q2.坂元裕二さんの脚本を映像化する上で、演出上気をつけたことは?
A.監督:坂元さんの脚本は台詞が研ぎ澄まされていて、展開に裏切られた最初の読後感を損なわないように気をつけた。また3幕目で転調、リズムが変わるということ。坂元さんの台詞は役者が言葉にしたときにまた印象が変わる。

Q3.この映画の中で何が怪物だと思いましたか?
A.安藤さん「最初は、怪物のいない映画だと思った。時間が経って観るとまた感じ方が変わって 映画の中のことは現実でも起こっている イメージや思い込みで考える人間が怪物なのでは ややこしいけど良いタイトル。
A.柊木くん「その人の思い込みが怪物」
A.監督「映画を観て怪物探しをしていた自分が怪物と気付かされる」

Q4.難しかったシーンは?
A.安藤さん「日常的な怒りが苦手で。自分自身だとそういう時怒りではなく哀しみになってしまうので。振り切った怒りのほうが得意です(笑)」
A.柊木くん「お芝居で難しいことはなかった。でも虫が苦手なので、森とかのシーンが多くてそれは難しかった。」
(監督によるとほとんどNG出さないのに、ほぼ唯一のNGが「ここほんとに虫いませんか?確認してください」だったそうw)

Q5.インディアンポーカーでナマケモノがお題のシーン。依里くんの微笑みが小説だと「大人びた苦笑」シナリオだと「微笑」だが実際演じたときはどんな感情?
A.柊木くん「遊びの中での、自然な流れでの微笑みでした」
A.監督「良い顔してるよね。"思ってないから言えないよ"とかも何も指示してなくてあれです」
ここで安藤サクラさんから柊木くんに質問「他の作品で演じる役との違いは?自分と同じところはあった?」
A.柊木くん「是枝監督はすごい監督だと聞いてたのでそういう気持ちの違いはあった。依里くんと自分は"ちょっと近い"くらい」
安藤さん「自分が聞かれるとイヤな質問しちゃいました(笑)」

Q6.「作品づくりで大切にしていることは?」
A.安藤さん「現場が好きなので。ワクワクしたい」
A.柊木くん「みんなと楽しく撮影したい」
A.監督「辛そうにしている人がいないこと。日々発見があること」

Q7.湊くんの「ぼくはかわいそうじゃないよ」に対しての早織の反応
A.安藤さん「さりげなく返してしまうリアクション」
A.監督「あの時ちゃんと受け止めていれば変わったかもしれない」

Q8.廃電車の中で対面と横並びの席がある理由は?
A監督「電車はゼロから作ってもらったので、意図してああいう配置にしている。入ってきてすぐ座る位置を横並びの座席にして、怪我して入ってきた二人がすぐに座るようにする。そうすると抱きしめる流れに持っていく時自然と距離が近くなる」

Q9.校長の「誰でも手に入るものを幸せっていうの」という台詞があるが、あの二人はその後幸せになれたのか?
A.柊木くん「希望の在る明るいラストシーンだったので」
A.監督「そう思います」

Q10.二人が家族について語る…星川家のDVと麦野家の浮気について。円満を装っているという共通点は意図した演出なのか
A.柊木くん「依里くんとしてはお酒を飲んだ時に豹変するから、普段は優しい父親と思おうとしている」
A.安藤さん「子供は大人が何気なく言っていることも切り取って覚えているなと」

Q11.星川家のインターホン。ガムテープが途中からバッテンに変わっているのは?
A.監督「一見綺麗だけど、あの家のちょっとした異様さを出したかった。枯れた植木とか。その一環としてああしてみた」

Q12.推しのシーンは?
安藤さん「木や葉っぱが美しいと感じたフィルム。そう簡単にはフォーカスされないので、次はそこを観てほしい」
柊木くん「何回観ても気づきがある」
監督「1つ目は列車の窓の泥をかき分ける手を下から撮ったシーン。2つ目はコーラの話をしている一連のシーンの音楽との相乗効果。」

最後は一言を求められてましたが、安藤サクラさんが「集合写真撮りたい!」と言って客席まで入ってきてくれて大集合で記念撮影。
あっという間のティーチイン回でした。


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