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おかえりなさい、私たちの映画館〜なぜか劇場版 戦国BASARAを観たよ

久しぶりの映画館

新型コロナウイルスの影響による緊急事態宣言を受けて全国の映画館が一斉に休館に入ったのが、4月初旬。
関西では5月21日に宣言が解除され、都市部の映画館も再開の動きを見せ始めた。
1ヶ月半ぶりの映画館での映画鑑賞だった。近場の映画館で観れる映画を探していたところ、異質な作品名が目に飛び込んできた。

「劇場版 戦国BASARA -The Last Party-」

2011年の劇場アニメーション作品である。
有名な作品であるためここでの説明は省くが、筆者にとっては敬愛する劇伴作家・澤野弘之氏が携わっているという点で気になっていた作品である。実は一度ソフトを借りて見たことはあるが、なにがどう間違ってラインナップに入ったのかスクリーンで上映されるなら観に行かない法はない。善は急げ、私は営業再開日に有給をとって映画を観る予定を手帳に書き入れた。

https://www.youtube.com/watch?v=NSEVeNQT9sw

観に行ったのは昨年、「プロメア」という作品の応炎上映でたいへんお世話になった映画館である。これまた私の敬愛する映画館・塚口サンサン劇場には敵わないものの、良質な音響を聴かせてくれると私の中で評判だ。
映画館に入ってチケットを発券するという、一ヶ月半前までは何度も繰り返していた動作をするだけでこみ上げてくるものがある。
ちなみにもぎりの場所にはサーモグラフィーが設置してあり、半券は目視確認。対策は万全だ。

この1ヶ月半、在宅で映画を観る生活をしてきた。Netflixやプライムビデオ、時には「仮設の映画館」。だが映画館で観る映画は、やはり全然違うということをこの日改めて思い知らされた。映画館の椅子って、こんなに座り心地が良かったのか。予告が流れ、徐々に暗闇になり映画を観る雰囲気が作られていく。そもそも映画館のスクリーンってこんなに大きかったのか。音、大きい!響く!初めて映画館に来た客のように心の中で踊っていた。

戦国BASARAは営業再開に相応しい作品

そして作品は「劇場版 戦国BASARA -The Last Party-」なのである。まず、澤野弘之氏の作る音楽が今作品も例外なく素晴らしい。冒頭のTV版のダイジェストで流れる「This is a Fight to Change the World」からしてクライマックスバトル感が漂い、ラストの「BLAZE [ZERO-TWO Ver.]」に乗せてそれぞれのライバル同士が刃をぶつけ合うシーンの高揚感はプロメアの完全燃焼「Inferno」のそれと全く同じだった!劇中のストーリーやキャラクターの行動、言動はとにかく破天荒なのだが、それに澤野氏のダイナミックな音楽はまさにうってつけ。ちなみに本作の音響監督は「ガルパン」「キルラキル」等で有名な岩浪美和氏が担当しているため、音楽の使い所、そして音のバランスまで完璧なのである。

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澤野弘之氏の原点

エンドロールを見ていてあることに気づいた。脚本:むとうやすゆき、絵コンテ:古橋一浩氏、作画監督:千葉崇明氏、浅野恭司氏、デザインワークス:佐々木啓悟氏、演出:徳土大介氏、主題歌: T.M.Revolution、そして音響監督の岩浪美和氏。どれも後の澤野弘之氏の担当作品にて縁が繋がる方ばかりなのだ!(機動戦士ガンダムUC、青の祓魔師、進撃の巨人、終わりのセラフ、キルラキル、甲鉄城のカバネリ、七つの大罪、Thunderbolt Fantasy)もちろんすでに本作からの繋がりを存じている方もいたが、ここまで細かくは知らなかった。BASARAアニメが澤野氏の原点の一つなのだということもまた改めて知ることができたのだった。

営業再開のラインナップで戦国BASARAという頭のおかしい(褒め言葉)選択をしてくれた松竹さんに敬意を。そして、映画館で映画を観る日常が、早く全国的に戻ってきますように。

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