見出し画像

あなたは「塚口サンサン劇場」という映画館を知っているだろうか。①

塚口サンサン劇場とは

「塚口サンサン劇場」と聞くと、「劇場」と付くので、一見映画館とは連想しづらいかもしれません。しかし、塚口サンサン劇場は映画館の中の映画館であり、かつアウトローな存在でもある、稀有・唯一無二な映画館です。

塚口サンサン劇場は兵庫県尼崎市の阪急塚口駅から徒歩1分の場所にあり、来月7月7日で66周年を迎える老舗映画館です。(ちなみに66年という数字にイマイチ自信がないらしいですが、「「わしゃ66歳じゃ!」とサンサン劇場が言ったから2019年7月7日は66周年です。」ということらしいです(↓参照:塚口サンサン劇場ブログ)

この時点でそろそろお気づきかもしれませんが、塚口サンサン劇場さん、​適当です。でも適当に真剣なのがこの映画館の素敵なところです。

先日、塚口サンサン劇場の支配人・戸村氏のトークショーがあったのですが、そこでキネプレ編集長の森田氏は「テーマに沿った特集上映」「応援上映などのイベント上映」「重低音ウーハー上映」「SNSでの発信力」「即断即決」を劇場の特徴として挙げられていました。今回私はその中で「重低音ウーハー上映(「特別音響上映」、「Extraウーハー上映」などもありますが、今回はそれらをいったん統一しこう呼称します)」について話します。

重低音ウーハー上映

先ほど触れたトークショーによると、塚口サンサン劇場で音に拘った上映が本格的に始まったのは2015年にウーハーが常設になったあたりから…「マッドマックス 怒りのデスロード」や「ガールズアンドパンツァー」でのウーハー上映が人気を集め始めました。そして昨年さらにスピーカーの更新が行われ、岩浪美和氏(音響監督。アニメ「ソードアート・オンライン」や「BLAME!」、洋画「スパイダーマン スパイダーバース」などを手がける)自ら意見を出し(戸村氏が語るには、口車に乗せられ)映画館としてはオーバースペックなスピーカーを兼ね備えた映画館となったそうです。音響面での武勇伝としては、

・「ガールズアンドパンツァー」上映時、同じ建物にある銀行まで振動が響く。

・「BLAME!」での「重力子放射線射出装置」が発射されるとあまりの重低音に劇場全体が揺れる。

・「ボヘミアン・ラプソディー」では「We Will Rock You」のシーンで3階のショッピングコーナーまで振動が響き、同じ時間に来るので店員さんが時報代わりにしていた。

などなど枚挙に暇がありません。ちなみに、銀行やショッピングセンターはもとより、音のことで近隣の住宅からも苦情が来たことは無いそうです。地域密着で愛される存在、塚口サンサン劇場。

音響の面では関東には「立川シネマシティ」がありますが、まさに東西で並び立ち、東の立川、西の塚口とも呼ばれています。ちなみに、シアター2のウーハーはスクリーンの下、客席からも見える位置に置いてあるので、視覚的なこだわりがあるのかな…と筆者は長年思っていたのですが、戸村氏によると「スクリーンの裏側に置くところがなかったからスクリーンの前に置いてみたらしっくりきたのでそのままにした。」と仰っていました。なんて適当な理由なんだ。でもその適当さが素敵(2度目)。大好き(告白)。

「音」にこだわり続ける映画館、そして「プロメア」

「映画を映画館で観る意味」が問われている今、「音」を楽しむために映画館に足を運んで映画を観るのはいかがでしょうか。

今後も「劇場版シティハンター 新宿プライベート・アイズ」や「ボヘミアン・ラプソディー」「劇場版 響け!ユーフォニアム」など話題作が目白押し…そして筆者は「プロメア」の塚口サンサン劇場での重低音ウーハー上映、そして応炎(援)上映を望んでいます。「プロメア」の魅力を120%引き出せるのは、ここしかない。

塚口サンサン劇場の公式Twitterでは、「プロメア」の上映自体はほぼ確実な雰囲気が出ていますし、8月、9月に大物を仕込んでいる、という文章からも筆者は「プロメア」の匂いを確実に感じています(※主観です)ロードショーより一歩遅れての上映になるのが玉に瑕…しかし、逆に言えばファーストランが終わる頃に文字通り真打ちのように塚口サンサン劇場での上映が始まる…と捉えればお得感満載ではないでしょうか?!?!

いいなと思ったら応援しよう!