手紙の返事 第4話
話はもう少し遡る、
少年が手紙を渡す前のこと
その日、クラスでは行事の係を決めないといけなかった
3人決まった、その1人は少女である、あと1人となった
おい、お前、手伝え
えっ
なし崩しにメンバーは決まったのだった、
それもそのはず、「多数決」であっけなく決まった
係は4人となっていた、放課後の作業となった
男女それぞれ2人ずつ、混合チームとなった
しばらくして、聞いてきたのだ
なあ、メールってどうなったの?
…その話は聞くな
あのね、気にしてんだからね
…じゃ、聞かないけど
なあ、ここだけの話
お前ら2人ってどうなの?
(2人同時)えっ
いや、何もないけど
うん、何もない
(唱和)ふ~ん、そうか
2人は納得したように顔を見合わせた
じゃ、後はよろしく
えっ、おい、
2人はそのまま教室から去って行ったのだ
なあ、あの2人、何かあったの?
えっ
じゃ、そのまま置いて行こう
なるほど、だからカマかけたか
「気を利かせた」クラスメイトは帰って行った
取り残されて、なんとなく2人は黙ってしまっていた、
そして残った2人は黙々と作業を片付けていた
下校中、何となく2人はぎこちない様子であった、
なかなか言葉も交わさない
少女のカバンの中には少年からの手紙が入っていた
こちらもどうぞ 手紙の返事 第1話
手紙の返事 第2話
手紙の返事 第3話
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?