見出し画像

ウイスキーへの敷居を少しだけ下げたい

ウイスキー。字面だけでカッコいいし強そう。実際度数も高い。大体40度前後でストロング缶の4倍はある。

最近は数年前に比べてウイスキーに関するCMも増えたし居酒屋ではハイボールも全面的にプッシュされ、より身近になりつつあるが、実際に周りを見るとウイスキー人口は非常に少ない。そして周りでもっとも飲まれているのはストロング系チューハイだ。

ストロングは飲めるけどウイスキーは飲めない?
単純な算数の話をしよう。
ウイスキーの一杯の単位は国内では一般的に30mlだ。バーなんかでウイスキーを頼むとグラスに30ccだけ注がれて出てくる。

ウイスキー30mlに含まれる純粋なアルコールは
30×0.4=12cc
ストロング500ml缶に含まれる純粋なアルコールは
500×0.09=45cc

ストロング缶1缶飲むだけですでにウイスキー約四杯分ものアルコールを摂取していることになる。

それでもストロングは安く酔えるからという声も良く耳にする。こちらも1000円あたりで摂取できるアルコール量で計算してみよう。
私が普段常飲しているウイスキーはホワイトホース。近所の薬局で700mlで900〜1000円ほどで売られている。
同じ店でのストロングゼロは500mlで大体150円。1000円で6缶は買える。

ウイスキー1000円分の純アルコール量は
700×0.4=280cc
ストロング1000円分の純アルコール量は
(500×6)×0.09=270cc

純アルコールだけで考えればウイスキーのがコスパがよいのだ。
私は大学生の頃からほぼ毎日ウイスキーを飲んでいるが、きっかけはこのコスパの良さに惹かれて飲み始めた。

そうは言っても私もストロング系チューハイはよく口にする。
しかしウイスキーだけを飲んだ日と、ストロングだけを飲んだ日では酔いの質が変わってくる。ストロングの酔いはなんというかインスタントなのだ。
ゆっくりと酔いが体を巡りだんだんと世界と自分の境界が曖昧になるのがウイスキーであるとすれば、ストロングは体を強制的に酔わせる現実からの緊急離脱の様な酔いに感じる。
これにはストロングの飲みやすさによる飲酒速度、また内容されているアルコールの質やその他の添加物によるものも影響している。
ストロングを悪くいうつもりは全くないし、これこそすぐ酔えるという部分で見れば魅力的な品だ。

ウイスキーの話に戻ろう。
ウイスキーを飲むとすればどこで飲むのか?
居酒屋にバー、様々なシチュエーションが存在するがやはり一番のオススメはウイスキー知識を持ったバーテンダーが存在するバーである。これは間違いない。
しかしウイスキーを飲んだこともない、知らない人間がいきなりバーの扉を開けるだろうか?
バーが最良なのは勿論だが、そのハードルを考えれば私はどこから始めてもいいと思う。一番大事なのは回数と経験値だ。

例えばウイスキーを一本買い自宅で飲んでみる。
最初にどんな飲象を抱くか。臭いがキツくてダメかもしれないし、案外飲みやすいと感じるかもしれない。
まずはその一本を時間をかけてもいいから飲みきってほしい。ウイスキーを感じる味覚は知識と経験で変わる。
ウイスキーは後天的味覚によって味わえるものと言われ、子供の頃食べれなかった野菜が今は美味しいと感じるのと同じ原理だ。

一本飲みきって次はどうするか。次は是非別の一本を手に取ってもらいたい。ウイスキーなんて最初はどれも一緒に感じるかもしれない。
しかしいくつか飲み比べるうちに必ず違いに気づく。小さいボトルを買って飲み比べをするのもいい。三本あればポン酢と醤油とソースぐらい違う。
その違いに気づくというのがウイスキーを楽しむうえでの何よりの土台になる。

ある程度ウイスキーを美味しく飲めるようになったらそこで初めてバーに行けばよい。そこからバーテンダーが新しい世界を見せてくれる。
以下に1000円前後の手を出しやすいウイスキーを載せておく。

・ジョニーウォーカー
世界で一番飲まれているウイスキー
一言で言うとウイスキー的な甘みを感じやすい。

画像1

・カティサーク
飲みやすさ重視ならコレ。薄いのではなく軽い口当たり。スっと飲めてしまう。

画像2

・ホワイトホース
上記の2種に比べて力強いウイスキーらしさを求めるならコレ。丸い味わいの中に力強い香りが包まれている。

画像3


なによりまずは口にしてみること。これが大事だと思う。飲み方についてはストレートでもロックでも炭酸割りでも自分が一番飲みやすい方法でいい。ウイスキーに関する作法や知識を学ぶのも大賛成だがまずは美味しい、面白いと感じること。
知識や作法、そういったものを学ぶとウイスキーはより美味しく感じる。嗜好品とはそもそもそういう物だがそれは自分が次のレベルに到達してからの話だ。

ウイスキーの海は広く深い、そんな広い海に漕ぎ出すためにまずは船に乗る所から始めてほしい。
そんな船に乗るハードルだけでも下げてもらえたら幸いである。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?