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[ビジネス]ブロックチェーンの衝撃はあなたに関係あるか

はじめに

ブロックチェーンをみなさんはご存知でしょうか。「ブロックチェーン技術入門」によるとブロックチェーンは

特定の第三者を介さずに、オープンなネットワークに参加者による分散型の合意形成を可能にし、全ての履歴を追跡可能にして透明性の高い取引を実現する技術

とあります。

私自身はこのブロックチェーン技術を、管理者が存在しなくとも不特定多数と価値の移動を行うことができるもの、及び全てをミクロに考えることを可能にするものと捉えています。今まではブロックチェーン技術を用いたビットコインやetherなどの仮想通貨が存在する程度の認識しかなく、注目してませんでした。しかし、時間を使って勉強してみると、日々の生活にこれから関わってくる、また私の仕事においても将来的に応用できることがわかりました。この記事ではブロックチェーン技術の応用先を自分自身に関係あるかどうかの視点で列挙し、同時に私が考えたことの備忘録としたいと思います。

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結論

自分に関係のあると思ったブロックチェーン技術の応用先を列挙します。

Supply Chain ManagementにおけるTrade Finance

SCMにおいては業種にかかわらず、無数の契約、価値の移転が行われます。具体的に、様々な企業から様々な部品を買って、輸送し、それを最後組み立てて車が出来上がり、最終的に車の購入者へと届く過程の中には、必ず複数の契約が存在します。当然契約が締結されるまでにはコストがかかり、そのプロセスが非効率であればあるほど、車1台の生産にかかるトータルのコストが高くなります。この非効率さをブロックチェーン技術で解決する試みが下記リンクです。個人的には、契約起因の非効率さに加えて、ブロックチェーン技術を用いたサプライチェーン全体での一元在庫管理、在庫最適化が実現されないかなと期待しております。さらに淡い期待ですが、部品を提供するベンダーのQuality担保にも繋がって欲しいです。

エネルギーの売買

私はブロックチェーン技術を全てをミクロに考えることを可能にするものと捉えていますが、エネルギーの売買に関しても現在よりミクロに考えることが可能になりそうです。個々の契約コストが下がり、同時にその信頼性が担保されると、エネルギーに関しても小口取引が可能になります。つまり、今まで地域の電力会社しか選択肢がなかったものが、より自由な思想を持った個人、法人が参入することで電力供給に関しても人々に多くのオプションが提供されるということです。個人的には、格安電力(たまに使えないこともあるが格安)、原子力によって生み出された電力は買わないサービス(その代わり高い)、ご近所さんから電気を買うなどの自由な選択肢が生み出されます。その結果、社会全体でエネルギーに対して負担するコストが少なくなることを期待しています。

保険事業の効率化、そして将来的な自由化

保険に関しては、最終的にフェイスブックのグループを作るイメージで、誰かが何かのテーマで保険を創設し、そこに賛同しかつ、資格を得たものだけが入るようなビジネスになると思います。それが実現されるまでに技術的な障壁は高いですが、実現されれば中央管理の役割を持った保険会社が負担するコストが小さくなると考えます。一刻も早く無駄な保険に騙される人がいなくなり、必要な人が必要な保険を低いコストで購入できる世界が来ることを望んでいます。

技術的障壁

Scalability vs Speed

ブロックチェーンの特徴として、大規模なネットワークに情報を伝搬することによる信頼性の担保が挙げられます。しかしながら、ネットワークが大規模であればあるほど、処理速度が遅くなります。その結果中央集中型のシステムと比べ大幅に速度が遅く、実システムでは使えないという疑念が存在します。

そこで解決策として大きく2つ存在します。

On-chain : 当該大規模ネットワークそのものを改善し、スピードを担保しながらネットワークのスケーリングを可能にする。

例として、Proof-of-Work、Sharding

Off-chain : 新たなネットワークを追加し、当該ネットワークと協調的に用いることで、スピードを担保しながらネットワークのスケーリングを可能にする。

例として、State channels、Raiden、Plasma

サイバーとフィジカルの融合

大規模かつ分散処理が可能になり、これまでのサイバー空間上での価値移動に管理者が要らなくなったとしても、現実のモノの動きがサイバー空間での登録情報と同期していなければ何も意味がありません。例えば、SCMにブロックチェーンを用いた場合、個々のモノ、製造業であれば部品がサイバー空間上で個体識別番号のようなものを持たなければなりません。人間で言うとマイナンバーみたいなものです。部品種別ではなく、個体識別となるとその数が膨大となることに加えて、膨大なそれらを管理するコストが発生します。この問題に対して解決策を見つけなければ、社会実装は遠いでしょう。

ちなみに、この問題に関して以下の記事を見つけました。各社急速に取り組んでるみたいですね。


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