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筋トレのコツ17:「レジスタンストレーニング」の特徴と「適切な重量」

この記事では筋トレを続けていく上で重要になるコツの中でも、『レジスタンス・トレーニング』の特徴と、レジスタンストレーニングを行う際の『重量の設定』についてまとめています。


「レジスタンス・トレーニング」とは?

「レジスタンス・トレーニング」とは、筋肉に一定以上の大きな負荷(ストレス)を与える事で、筋肥大あるいは最大筋力の向上を目指すようなトレーニングの事です。つまり一般的なイメージの「筋トレ」の事です。

一方、レジスタンス・トレーニングの実施方法は「筋肉の収縮様式」によって数種類に分けられます。それが以下の通りです。

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この画像にあるように、筋肉は単に「筋力を発揮して収縮する」ような収縮以外にも、様々な収縮の仕方があります。つまりレジスタンス・トレーニングでは、それぞれの収縮に対応したトレーニング法がある訳です。

尚、一般的な「筋トレ」は、大抵の場合が「コンセントリック・コントラクション(短縮性筋収縮)」を利用したトレーニングになります。つまり「関節に動きを伴い、筋肉が縮みながら筋力を発揮し、その際に負荷がかかる」ようなトレーニングです。


効率良く筋肥大を起こさせる「最適な重量」とは?

レジスタンス・トレーニングにおいて、効率良く筋肥大を起こさせるためには、筋肉に対して大きな負荷(ストレス)を与える必要があります。つまり今の自分の筋力、あるいは自分の体重以上の負荷が必要なため、基本的にはダンベルやバーベル、あるいはマシンを使ってトレーニングをする事になります。

一方、ダンベルやバーベルの重量は、大きすぎても筋肥大が起こりにくくなります。もちろん重量が小さくても筋肥大は起こりにくくなります。すなわち重量は「筋肥大に適した重量」に設定する必要があります。

そこで、筋肥大に適した重量を決める目安として「RM(レペティション・マキシマム:略称アールエム)」という単位が使われます。

特にこの「RM」の前には数字が付き、例えば「1RM」の場合、「1セット中に、1回だけ持ち上げる事のできる最大の重量」を意味しています。例えば100kgのバーベルを用いてトレーニングを行う時、そのバーベルを「1セット中に1回だけ持ち上げる」事ができる場合、そのトレーニングにおける「1RM」は「100kg」になります。

しかし「1セット中に1回だけ」となるような高重量では、重量として大きすぎて、むしろ筋肥大は起こりにくくなります。このため最大重量よりも低く抑える必要があり、具体的に言えば「最大重量の8割前後(7~9割)」になるよう設定する必要があります。つまりこの例では100kgの8割前後なので、「80kg前後」で行う事になります。

また100kgで1回だけ持ち上げる事ができる人が、そうして実際に80kgでトレーニングを行うと、「1セット中に6~10回程度持ち上げる事ができる重量」になります。つまり「RM」で言えば「6~10RM」となり、これこそ「筋肥大に適した重量」という事です。


ちなみに実際のトレーニングでは、これを2分程度のインターバルを挟み、2~4セット程度行う事になります。またその後にインターバルを少し長めに取って、更に別のトレーニングを数セット行う場合もあります。

一方、2~4セット行う間、例えば最初は高反復・低重量から開始し、数セットかけて徐々に低反復・高重量にしていく方法(アセンディングセット)や、数セット行う間の真ん中のセットで重量が頂点になるように行う(ピラミッドセット)・・・などの方法もあります。

すなわち筋肥大のためには「ストレスの大きさ」だけではなく、「ストレスの与え方」も重要になるという事です。このため、セット中の反復回数、重量の大きさ、インターバルの長さ、合計のセット数などは、必ずしも「一定」とは限りません。


最大筋力向上のための「最適な重量」とは?

前述のように「1セット中に1回だけ持ち上げる事ができる重量(1RM)」、あるいはそれに近いような高重量の場合、負荷としては大きすぎて、筋肥大にはあまり適していません(筋肥大が全く起こらない訳ではない)。

一方、そのような高重量でトレーニングを行うと、筋肉の細胞一つ一つに電気信号を送る事ができ、それぞれの細胞を活性化させる作用があります。そのため「最大筋力の向上」が望めると言われており、実はこれも「レジスタンス・トレーニング」に含まれます。

では、この「最大筋力の向上」を目指す場合のトレーニング法について考えてみると、例えば「1セット中に1回だけ持ち上げる事ができる重量」が100kgの場合、その「9割以上の重量」が目安となります。つまり100kgなら「90~100kg」という高重量でトレーニングをする事になります。

尚、実際にそのような高重量で行ってみると、1セット中に1~5回程度しか反復できません。つまりRMで言えば「1~5RM(最大筋力の90%以上の重量)」となります。

またそのように重量が大きくなるため、2~4セット行う場合、セット間ではインターバルを長めに取る必要があります。


重量を落として行うとどうなるのか?

前述のように筋肥大を目的とする場合、1セット中の反復回数が6~10回前後となるような重量になります。RMで言えば6~10RMです。また最大筋力の向上を目的とする場合、1セット中の反復回数が1~5回前後となるような高重量が必要です。つまり1~5RMです。

一方、1セット中に何十回と反復できる場合、つまり例えば「20~30RM(最大重量の5~7割あるいはそれ以下の重量)」となるような低重量でトレーニングを行う場合、どのような効果が得られるのでしょうか。

この場合、筋肥大や最大筋力の向上は起こりにくくなりますが、実は筋持久力を高めたり、筋肉の収縮スピードを高める事ができるようになります。

特にそうして筋持久力を高めるトレーニングの事を「エンデュランス・トレーニング」、筋肉の収縮スピードを高めるトレーニングの事を「スピード・トレーニング」と言います。つまり「レジスタンス・トレーニング」とは異なるトレーニングになります。

ただし単に低重量で同じ動作を繰り返しても意味はありません。この場合に重要になるのは「筋肉の収縮スピード」です。

つまりエンデュランスはそのように筋持久力を高めたいので、「やや緩やかに力を入れ、なるべく動作間で力を緩めずに行う」事が重要になります。またスピードはそのように筋肉の収縮スピードを高めたいので、「できるだけ素早く力を入れて素早く戻す」という事になります。

ちなみにこの理屈が分かっていれば、既存のトレーニング法でも行う事ができます。つまり例えばスクワットやベンチプレスを「レジスタンス・トレーニングとして」ではなく、エンデュランス・トレーニングやスピード・トレーニングとして行う事もできるという事です。筋肥大は望めませんが、人によっては重要になるでしょう。



以上です。何かのお役に立てれば幸いです。

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