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筋トレのコツ40:筋肉に糖を取り込むために必要な「インスリン感受性」

この記事も前回の『筋トレのコツ39:筋肉の合成と分解を制御する「mTOR」』に引き続いて「メモ」のようなものです。決して鵜呑みにしないようにして下さい。


「インスリン感受性」とは?

「インスリン感受性(またはインスリン抵抗性)」とは、簡単に言えば、「インスリン」の持つ「作用の強さ」の事です。

特に何らかの原因で、分泌されるインスリンの作用が弱まったり、あるいはインスリンを受け取る側の細胞において、そのインスリンに対する反応が弱まったりする事を「インスリン感受性が下がった(低くなった)」、あるいは「インスリン抵抗性が上がった(高くなった)」と表します。

インスリンは細胞内へ糖を取り込む役割があり、それによって血糖値を下げ、細胞へエネルギーを供給しています。

つまり「インスリン感受性が下がる」という事は、「インスリンの持つ作用が弱まる」という事であり、糖すなわちエネルギーを、効率良く細胞内へ取り込ませる事ができなくなります。

これにより「筋肉の機能も低下する可能性」がある訳です。


「インスリン感受性の低下」による筋肉への影響

インスリン感受性が下がると、そのようにインスリンの作用が弱まり、筋肉へ効率良く糖を供給する事ができなくなり、例えば収縮が上手くできなくなったり(痙攣したり)、体を少し動かすだけで疲れてしまうようになってしまいます。

またインスリン感受性が下がると、筋肉に限らず、ありとあらゆる細胞の機能も低下する事になります。特に生命活動の維持に必要な脳や心臓、あるいは肝臓や胃腸など各種臓器でも、それは起こる事があり、それによって消化吸収が悪くなったり、浮腫が起こったり、肌荒れを起こしたりする事もあります。

更に糖が細胞内へスムーズに取り込まれなくなるので、糖が血液中を漂いやすくなり、血糖値が高い状態が長時間続きます。そうして血糖値が高くなると、血管内を流れる血液がドロドロの状態になり、流れづらくなります。

それによって、例えば細い血管をつまらせたり、流れの早い血管では、血管の壁を傷つけてしまう事もあります。それは様々な病気の引き金にもなる事もあります。

これらを防ぐためには、インスリン感受性を上げる(高める)事、あるいは下がらないように努める事が重要になります。


「インスリン感受性」を高めるためには?

インスリン感受性を高めるために必要な事は、細胞側が「エネルギーを必要としている状態」にしておく事です。つまり簡単に言えば「運動」を行う事です。

特にそのようにインスリンは細胞内へ糖を取り込みます。よってインスリン感受性を高めるためには、運動の種類の中でも、糖を消費するような「無酸素運動」が必要になります。ちなみに無酸素運動とは、短時間で大きな筋力を発揮するような運動の事です。「筋トレ」が代表的です。

また糖を摂取する際には「タイミング」が重要になります。糖を消費する予定がない時に、あるいは糖を消費していない時に、大量の糖を摂取する事は避けなければなりません。糖を摂取するタイミングは、例えば糖を消費する運動を行う前に、あるいは運動を行って糖を消費した後にしましょう。

更に、運動前後以外のタイミングで糖を摂取する場合、一度に取り込む事のできる糖の量には限りがあります。いくら運動を行ったからといって、一度に大量の糖を摂取してしまうと、吸収しきれなかった糖が順番待ちになってしまいます。それでは意味がありません。

体格によっては大量の糖が必要な人もいると思いますが、そのような場合、「一回の量を抑え、間隔を開け、1日複数回に分けて補給する」ようにしましょう。そうして血糖値の激しい上下動を防ぎ、「血糖値を安定化させる」という事が、インスリン感受性を高めるためには重要になります。


「アディポネクチン」とは?

例えば糖質制限を行っていて、食事から摂取されるエネルギーの量が極端に減っていたり、あるいは元々の体脂肪率が低かったり、筋肉量が多かったりして、摂取エネルギーよりも消費エネルギーの方が大きい状態になっている場合、脂肪細胞から「アディポネクチン」というホルモンが分泌されると言われています。

このアディポネクチンですが、実は「インスリンを介さない細胞内への糖の取り込み」を促す作用や、「細胞側のインスリン感受性を高める」作用、あるいは「脂肪酸のエネルギー化を補助する作用」などがあると言われています。

つまり簡単に言うと、運動を行っていない時でも「運動を行った時に起こるような体の反応」が起こるようになり、「細胞がエネルギーを消費する際の効率が上がる」という事です。これによって脂肪も燃えやすくなる可能性があります。

ただし体にある脂肪を減らそうとして、運動も何もせずに、アディポネクチンだけを分泌させようとしても、その作用は上手く活かされません。

何故なら、運動をしていない状態の場合、「そもそもエネルギーを欲している状態の細胞が少ない」からです。いくらアディポネクチンが分泌されても、各細胞が「エネルギーを使う必要のない状態」であれば、それはただの「宝の持ち腐れ」になるだけです。

アディポネクチンの作用が真に活かされるためには、「エネルギーを欲している状態の細胞がたくさんある状態にする事(運動をする)」と、やはり前述のように「細胞が糖を欲している状態の時に、それに見合った量の糖を与える事」、すなわち「運動と食事」の「量・内容・タイミング」が重要になるでしょう。


インスリン感受性を高めるサプリメント

インスリン感受性を高める可能性があるサプリメントとしては、「α-リポ酸」「ビオチン」「亜鉛」「クロム(クロミウム)」「バナジウム」「アルギニン」などがあります。興味のある方はそれを利用してみても良いでしょう。

ただしビオチン・亜鉛・クロム以外の栄養素は必須栄養素ではないため、よっぽど運動量や筋肉量が多かったり、あるいは極端な食事制限を行っていない限り、基本的にサプリメントは不要です。

またビオチンやクロムに関しても、必須栄養素ではあるものの、普段の食事だけでも十分摂取できるため、やはり基本的にはサプリメントは不要と思われます。特にビオチンは腸内でも作る事ができます。

一方、亜鉛に関しては不足しやすい栄養素です。運動量や筋肉量がそこまでない人でも、発汗や過労などによって必要量が増え、気づかぬ内に不足している事があります。意識的に摂取しておくのも悪くないでしょう。

尚、これは言うまでもない事だと思いますが、インスリン感受性を高めたとしても、インスリンに関する病気は治りません。サプリメントに頼り切るような考え方は大変危険です。



以上です。メモとして残します。

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