詩|ささくれに、土がしみる。
さらさらと指の間からこぼれ落ちる
掴んではいけない、掴まない。流れ
ゆくまま眺めるだけ。止まらない
し、止められない。それは等し
く平等に。逆らわない、抗わ
ない。抗えば気づかぬうち
に溺れてしまうかもしれ
ない。けれど、溺れて
息もできず、もがき
続ければもしかし
て私も知らない
どこかに流れ
つくのだろ
うか。こ
こでな
いど
こ
かへ
辿り着
いたどこ
かは、私の
目的地なのだ
ろうか。そんな
こと知る由もない
だって目的地なんて
なかったんだから。流
されるつもりが、溺れて
しまった。必死で掴んだ土
が爪の隙間に入り込み、ささ
くれがしみる。知っている場所
かもしれない。知らない場所かも
しれない。けれど、何故か安堵する
もがけども溺れようとも私はここに
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