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コイン・チョコレート・トス/3.75グラム

前話を読んでない方は、1.0グラムからどうぞ。


🪙 3.75グラム

カタンと音がした。
新聞受けに新聞が落ちる音。

ブロロロロと新聞配達のバイクのエンジン音が遠くなる。
たぶん、明け方の四時半。
まだ外は暗い。

今朝も毛布がずり落ちているが、今日はそこまで気にはならなかった。


昨日めかし込んで出かけた先で買った電気ファンヒーターのおかげだ。
コスパとしてはよくないが、当座を凌ぐのにはちょうどいい。
灯油を買う必要もないし、エアコンのように設置も必要ない。



電気ファンヒーターを手で持って帰るのはなかなかの重労働だった。

かなり重かったけど、背に腹は変えられなかった。
タクシーを使うのも勿体無いので、理恵のアパートから一番近い家電量販店で購入した。

「ポイントカードお持ちですか?」と尋ねられた。
普段よく行く家電量販店とは違った。ポイントカードは持っていない。
「いいえ」と答える。
「ポイントカード作られますか?」とも聞かれた。
うーん、と思ったがめんどくさいので「いいえ」と答えた。

帰りながら、ポイントカード作っておいてもよかったかな、と思った。
もし、自宅に戻らなかったら、新しく住む場所を探さなきゃならない。
もしかすると住みたい街の家電量販店が、今日行ったところと同じかもしれない。

ポイントカード作っておいても良かったかな?と思った。

そんなことを考えながら歩いていたら、だんだんと指が痛くなってきた。
右手に持っていた電気ファンヒーターを左手に持ち替える。

またしばらくすると、左手の指に手提げフックが食い込む。

持ち替えては食い込んで、食い込んでは持ち替える。
いつの間にか家電量販店のポイントカードのことは頭から消え去っていた。

それより、内出血しそう。
早歩きで歩く。
早く家に帰りたい。

やっぱり、スニーカーで来てよかったな、と思った。

朝は本当に最低な気分だったけど、外に出て、重たいファンヒーターのことで頭がいっぱいになると、いつの間にか悟のことは忘れてしまっていた。

理恵のアパートにやっとの思いで到着。
玄関の鍵を開け、とりあえず電気ファンヒーターを部屋に入れた。

一旦部屋で落ち着いてしまうと次に出かけるのが億劫になる。
私は電気ファンヒーターを置くと、そのまま近所のスーパーへと向かった。

アパートに着いてからというもの、できあいの惣菜ばかりを食べていた。
理恵の部屋は本当に生活感がなく、ガスコンロはあるのにヤカンも鍋も包丁もない。
なんのためのガスコンロなのかは、一度理恵に尋ねてみなければなるまい。

ガスコンロがあるからと言って、わざわざ調理器具を買うのも勿体無い。
それに、食事を作る元気もないし。
と、自分を甘やかして、できあいのものばかり食べていたわけだ。

でも今日は、ファンヒーターで部屋が暖かくなる。
なんだか、環境が整うと食事もちゃんとしたくなる。
ちょっとずつ、心が落ち着いて元気になってきているような気がした。

私はスーパーに着くと、陳列棚を物色した。

そうだ、そのままコンロにかけられるアルミ鍋のうどんがあったよね?
たまにお母さんが土曜日のお昼に作ってくれたうどん。

私は陳列棚でそのままコンロにかけられるうどんを見つけると、迷わずそのうどんを買った。
ついでに、使い切りのネギ。
それと卵。

理恵のアパートには期待を裏切らず冷蔵庫もなかった。
だけど、これだけ寒いんだし、卵は常温でも大丈夫だろうと、1パック買った。

ちょっと調子もいいので、久しぶりにお酒でも飲むかなと、ビールも一缶だけカゴに入れた。
スーパーで3円の袋を買い、ガサガサと袋を揺らしながら私は帰った。

少し鼻歌まじりで歩く。
美味しいものが食べられるって思うだけで、幸せになる。

私って、単純だな。
あんなに今朝は憂鬱だったのに。
たかだか誤配の新聞で、昨日のことを思い出したくらいで、なんであんなに憂鬱だったのかなって思うくらいに、今は気分がいい。

正直、浮気も許せそうな気分。
とはいえ、本人を目の前にしたら、また苛立ち復活かもしれないけど。

そんなことを考えながら歩いていたら、おしゃべりをしがら帰る女子中学生とすれ違った。

「今日も疲れたねー」
疲れてるという言葉と裏腹に、元気な明るい声が耳に飛び込んできた。
「土曜日なのにわざわざ学校行ってさ、頑張ったよね、うちら。この寒い中」
もう一人の女の子は体を小さくしながら笑っている。
「ガチで学校寒い。エグすぎ」
女の子二人組は、高めの弾けた声で笑い合った。

楽しそうだな、今日は土曜日か、と思う。

新聞で何曜日かは把握してるはずなのに、ずっと家にいるからか、何曜日かなんてあまり意識していない気がする。

「あそこで光っているのが魚座ですよ。土星が魚座入りするらしいです」
「ああ、そうなんですね」に近い。

「今日は土曜日なんですよ。あの魚屋、土曜日になると着ぐるみを着て店に出るらしいですよ」
「ああ、そうなんですか」みたいな。

特に関心がないことを伝えられても、ふぅんとしか思わないような。
今の私にとって、今日が何曜日かなんて、そんなに重要じゃないってことかな。

楽しそうにおしゃべりをしながら帰る女子中学生のスカートがひらりと揺れた。

制服が私たちの頃と同じだと気づく。
あの頃は、本当に箸が転げても楽しかった。
遠い昔のようで、つい最近のようで。

すれ違う女子中学生2人に、私と理恵を重ねた。
気をつけて帰るんだよ、と私は心の中で声をかけた。


理恵のアパートに戻ると、私はダウンコートをハンガーにかけ、手を洗った。

しっかりと梱包された電気ファンヒーターを開けるのは至難の技だった。
爪切りを持ってきてなかったのが幸いした。
少しだけのびた爪を使い、テープの端をカリカリと猫のように引っ掻いた。
少しだけ捲れたテープをつまむと、私は一気にテープをベリっと剥がした。

きっちりとしまわれたファンヒーターを箱から取り出す。
くるくると綺麗に丸められたコードも取り出して、電気ファンヒーターのプラグをコンセントに挿した。

電気ファンヒーターから暖かい空気が流れてくる。

私の体の周りがほわほわと暖かい空気で包まれた。
そこでやっと、私は自分の体が冷え切っていたことに気づいた。

冷えていることが当たり前になりすぎて、自分でも気づいてなかったみたいだ。
かちこちに固まっていた体の力がゆるりと抜けていくと、喉の辺りの緊張もほぐれていくような気がした。

体と部屋の空気があたたまったところで、私は台所に立った。

そういえば今日は何も口にしていない。
蛇口を捻り紙コップに水道水を入れた。
紙コップを口にあて、ごくごくと水を飲む。

喉を水が通るのがわかる。

砂漠で何日も水を飲んでいなかったみたいに、ただの水道水が私の体に沁みていく感覚があった。
日本の水道水は美味しいっていうを初めて実感した。

紙コップの水を一気に飲み干すと、思わずぷはぁと口から声が漏れた。
まるでビールでも飲んでるみたいだ、と私は一人で笑った。

あ!! ビール!!

私はビールを買ってきたことを思い出した。
せっかくのビール。
部屋は暖かくしたいが、ビールまで暖かくなっては困る。

私は窓をガラガラと開け、窓てすりにビールの缶を置いた。

体が温まり、喉が満たされると、今度はお腹がぐぅと鳴った。
久しぶりに聴いた腹の虫の鳴き声。

私は包装されたうどんのパッケージのビニールを剥がし、コンロの上にアルミでできた鍋を置いた。
アルミの鍋に水を入れて、コンロのつまみをカチカチとひねる。

ぐつぐつと水が沸騰してきた。
ぐにっと袋を指で破り、うどんを入れ、箸でうどんをほぐす。
スープと具も入れる。
卵が煮えやすいようにと、ほぐしたうどんの隙間に落とした。
上からたっぷりのネギ。

ぐつぐつと煮込んでいるとうどんの出汁のいい香りがしてきて、私の腹の虫はさらに暴れ出した。

卵が固まるように、少しだけ長めに煮た。
卵は半熟がいい。

うどんの麺が柔らかくなってしまうけど、私は柔らかい麺も好きだ。
心が疲れている時は柔らかい方がいい。
お母さんが風邪を引いた時に作ってくれたような、箸でつまむだけで切れてしまうような柔らかさがいい。

理恵の部屋にあった段ボールを机にした。
アルミ鍋の端を火傷をしないようにつまんでダンボールの上に置いた。

部屋中があたたかい空気で包まれた。

私は窓を開け、冷え切ったビールを段ボールの上に置いた。
湯気の出ているうどんの鍋に箸の先端を沈めた。

卵を割らないように、そっと端の方のうどんをすくいあげる。
うどんは箸であげただけで切れるまでの柔らかさはなく、しっかりと2本のうどんが箸にぶらさがっている。

私は髪を耳にかけ、ふうと湯気を息ではらうと、口にうどんを運んだ。
そのまま2本のうどんをちゅるりと吸い込むと、暴れたうどんの先端から、熱々のつゆが段ボールに飛んだ。じわっと段ボールの色が濃くなる。
私はその光景を横目で見ながら、口の中があったかいうどんと優しい出汁の味で、いっぱいになるのを感じた。

何度か歯でうどんを噛んで、一気に飲み込んだ。
まだ熱々のうどんが喉をとおり、胃の中にすとんと落ちる。体の中からうどんの熱がじんわりと広がり、芯から温まるのを感じた。

「美味しい」

口の中から息と一緒に、声が無意識に漏れた。
私は箸をアルミ鍋の上に置き、ビールの缶を手に取ると缶のタブをプシュッと開けて、ビールを口に流し込んだ。

あったまった喉に急に冷たい炭酸が流し込まれて、喉がきゅっとした。しゅわしゅわとした喉越しは快感だった。
久しぶりに感じる苦味に人生の苦さを感じつつ、再び私はうどんを口に放り込んだ。

暖かいと冷たいを少しずつ。そして丁寧に繰り返した。
終わってしまうのが名残惜しく、普段の私では考えられないほどにちびりちびりと楽しんだ。

そんな気持ちの良い昨日を私は過ごした。
厳密に言えば、不愉快な出来事があった日を自分の力で愉快な日に変えたんだ。
オセロをひっくり返すように簡単だった。

もしかすると、そのオセロは再び返されてしまうのかもしれないけれど。

まだもう少し寝ていよう。
私は再び暖かい空気に包まれて眠りについた。



遠くの方で、今日もアラームが鳴った。
特に用事もないのにいつもと同じ時間にアラームは鳴る。

悟の起床時刻より30分早い、朝の6時半。
私と悟の朝食を作るための朝6時半のアラーム。

毎朝私は、お気に入りのパン屋で買ってきた食パンをカットし、コーヒーを入れる。
悟の目玉焼きはターンオーバー。私のは半熟。

水耕栽培で育てているレタスを数枚ちぎり、ミニトマトができていれば収穫する。さっと水で洗う。白で統一された食器に黄、緑、赤のコントラストが映える。

ライトブラウンのダイニングテーブルに朝食を並べると、顔を洗った悟が顔を覗かせる。
焼きたてのトーストと、淹れたてのコーヒーの匂いにほころぶのがわかる。

「おはよう」

それだけで、幸せだったのに。


アラームを削除すればわざわざこんなことを思い出す必要もない。
でも、生活リズムは美容の大敵だから、と言い訳をする相手もいないのに、私はアラームの時刻を変えることができなかった。

明らかに、悟への未練がある。
それは私も気づいてる。

離婚はしたくない。
でも、まだ許せないでいた。


私の周りの空気は暖かいが、玄関は寒そうだった。私は今日もペラペラの布団を肩にかけて新聞受けから新聞を取り出した。

「冬季オリンピック開幕!!」

太字の明朝体が私の目に飛び込んできた。すでに冬季オリピックは5日も前に始まっている。
まさかまた誤配? と、私はため息をついた。

大きな大きなため息。そこらじゅうの息を一気に吸い込んで、吐き出した。

私は昨日と同じようにスマートフォンで夜月新聞に電話をした。

同じ従業員が電話に出て、昨日と同じように謝罪をし、昨日と同じように正真正銘の新聞を持ってきて、昨日と同じように頭をポリポリと掻いて、バイクで走り去っていった。


5日前といえば、私が家を飛び出した日。
悟の顔を見たくなかったので、私は悟の起床前に家を出た。

一応、悩みはした。
出て行くか、出て行かないか。

私は決断をコインチョコに委ねた。
コインチョコは進めを選択。

私は、コインチョコをバリバリと噛み砕き、スニーカーを履いて家を出た。

悟がすぐに気づかないように、ふたり分の朝食を白い皿に乗せ、ライトブラウンのダイニングテーブルに乗せておいた。

理恵のアパートがある街は、自宅から電車で約30分。
その日はささっとメイクをして、一番暖かそうなダウンコートを羽織った。
最低限必要だと思われるものを詰め込んだスーツケースを持って家を出た。

そのまま海外に飛べそうな大きさのスーツケースをガラガラと引き、私は駅へと向かった。
このスーツケースは悟と新婚旅行で使うために買った。
スーツケースはいつも悟が引いてくれた。

「幸子は持たなくていいから」と、悟がスーツケースを右手で引き、私は彼の左腕につかまって歩いた。

悟と結婚して、私は「臼井幸子」になった。
薄幸そうな名前なんて言われたりもしたけど「薄井幸子じゃないし、幸せですから」と、その時は本当に幸せいっぱいだった。

その時は、じゃない。
浮気に気づくまでは幸せだったと思う。

でも、今の私の本名は「薄井幸子」なんじゃないかって思う。
多分、覇気もなく、きっと薄幸そうに見えてもおかしくない。

憂鬱な顔をしてスーツケースを引いて歩く。
今から海外旅行に行くみたいなウキウキ感は出ていない。
家出か夜逃げかくらいの憂鬱さ。

スーツケースを引くと思いのほか手に振動が伝わってきて、不愉快な感覚がした。私はこのガタガタと揺れるものを握っているのが苦手だ。
例えば砂利道の自転車とか、小刻みに揺れる電車のポールとか。

悟はそれを知っていたので、私にスーツケースを持たせなかったのかもしれないな、と思った。

私は大きなスーツケースを持って電車に乗った。
5日前は火曜日だ。普通の平日。

平日の朝に電車に乗ることがない私は、失敗したと思った。
こんなに満員だったなんて!

しかも、こんなに大きなスーツケースを持って乗るなんて迷惑も甚だしい。
でも、今更戻るに戻れない。
乗る電車を遅らせるわけにもいかない。
多分、このままだと悟と遭遇してしまう。
私は今日だけだからごめんなさい、と申し訳ない気持ちいっぱいで電車に乗り込んだ。

ぎゅうぎゅうに鮨詰めになった電車の中で、白白とした目線を感じるような気がして、更に気が滅入った。

貴重品の入ったショルダーバックを前に抱え、私は入り口付近を陣取った。
乗り慣れていない満員電車のど真ん中でスーツケースを持ったまま立っていることは不可能に近い。

入口付近を確保できたおかげで私の体の前面の安心は約束された。
でも、背後はそうもいかなかった。
電車が揺れても揺れなくても私の背面は誰かと触れていた。

ダウンコートを着ていたのでまだ良かった。
これが夏だったらと思うとゾッとした。
知らない人と肌と肌が触れるなんてことを想像しただけで身の毛がよだつ。

まあ、全身脱毛しているおかげで、よだつ毛はないんだけど。

電車が走りだしてしばらくすると、ダウンコートがモゾモゾと動いた、気がした。嫌な予感がして、少し鳥肌が立つ。
私の勘違いかもしれない、とダウンコートを整えるように私は手をお尻の方へと持っていった。

痴漢かと思ったけど、そこに誰かの手があるような感じはしなかった。
ほっと一安心して手をまた前に戻すと、またダウンコートがモゾモゾと動いた。

間違いなく痴漢。

ダウンコートの中に手が入ってくる。
どこの馬の骨かもわからない手が私の臀部に触れる。
這うように手が臀部をなぞる。あまりの気持ち悪さに、ないはずの身の毛がよだった。
喉がひゅっと息を吸い込んで、体が硬直する。
私が硬直しているのを知ってか知らずが、気持ちの悪い手の平が無遠慮に私の臀部を触り続ける。

声を出したいが、声がでない。
何もできない私は泣きそうになった。
何か腰あたりに固いモノが当たる。

間違いない。後ろの男だ。

出入り口のガラスに映った男の顔を見た。ガラス越しに目が合う。男がニヤリと笑った気がした。

悔しい、悔しい、悔しい、悔しい、気持ち悪い、気持ち悪い、気持ち悪い、気持ち悪い、男なんて死んじまえ!!

と思った時に、電車が駅についた。
手を掴んで連れ出してやろうと思ったが、私の両手はスーツケースを握っていた。人の流れに乗って、ガラス越しに笑った気持ちの悪い40代前後の男は、人混みに紛れながら改札へと向かっていった。

私はスーツケースをガラガラと引いて男を追いかけた。
しかし、人、人、人。

私は犯人を見失ってしまった。

犯人を捕まえることもできず、電車にも乗れず、私はやるせない気持ちで改札の前で立ちすくんだ。
再び電車に乗る気にはならず、私はそのままトボトボと改札口を出た。

一時間も歩けば理恵のアパートには着く。
スーツケースからの振動よりも、満員電車に乗り込む方が嗚咽しそうだった。
満員電車に対する凄まじい嫌悪感。


もう電車に乗り込むだけの気力はなかった。




そんなことがあった5日前のことを忘れるはずもなかった。

私はまた朝から憂鬱な気持ちになった。
悟との今後の夫婦生活を続けるかどうかなんて考える気になるはずもない。

昨日はあんなに元気になれたのに。
ここ最近、嫌なことばかりが続いている気がする。

日付を見たら、思い出せてしまうような。
そんな嫌なこと。

体に傷なんてないのに、心に傷ができてしまっているような。
見えている怪我なら、治療できるけど。
見えてないから、自分でも気づいていない、そんな傷。

なんで、この誤配新聞は、嫌なことを思いださせるんだろう。

抉るみたいに、ピンポイントで私の傷を突いてくる。


誤配された新聞と、今日の新聞を手に、私は畳の上に転がった。

今日は令和X年2月8日(日)
誤配の新聞は令和X年2月3日(火)


私は令和X年2月3日(火)の新聞をビリビリと破った。

(なんで新聞なんて取ったの?)と天井のシミがバカにするように笑った。
私はビリビリと破った新聞をぐちゃぐちゃに丸め、天井のシミに投げつけた。
(ふっ)と天井のシミが鼻で笑う。
鼻なんてないくせに!!


なんで、新聞なんてとったんだろう。
新聞なんてとらなければよかった。




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