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#ファスナーをつけてみた

詩|花弁にファスナー

詩|花弁にファスナー

お水を
あげても、
咲かない花が
あって。もしかし
たら満月の夜に咲く
のかなと楽しみにしてた
のだけど。咲いてちょうだい
よと、頭を撫でたら、ファスナー
がついてたの。白いお花に白いファ
スナー。私は恐る恐るファスナーを開け
たわ。ゆっくりと、とてもゆっくりと。白
い花は唇をあけるように一枚ずつ花弁を広げ
少しずつ匂いを放ち、あたりは甘い匂いに包
まれた。飲み込まれてしまいそうなその匂い
に、私

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詩|魔女は、ファスナーを抱え空を飛ぶ。

詩|魔女は、ファスナーを抱え空を飛ぶ。

ある日、魔
法の箒を手
にいれて、
私は魔女に
なった。す
べての仕事
を放棄して
夜な夜な空
を飛んだ。
ある晩、満
月にファス
ナーをつけ
て私は満月
を二つに割
ったんだ。
ひとつは、煎
餅にして、お師匠
様に渡そう。もうひと
つには、もくもくの雲のク
リームをのせて、キラキラのア
ザランみたいな星をちらして私がぱ
くりと食べちゃおう。その晩はまっくら
闇になっちゃうけど、それも魔女のお仕事

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詩|涙にファスナー

詩|涙にファスナー

なんて
綺麗に泣く
人なんだろう。
涙はポロリポロリと
机の上に溢れて落ちる
落ちた涙は形を変えず、綺
麗な雫の形を成している。僕
はそっと、雫を摘んだ。涙の雫
はぷるんと揺れて、きらりと引手
が輝いた。僕は引手をジジジと引
きファスナーを下ろす。ファスナ
ーを下ろした涙は、彼女の悲し
みを空気に変え、僕はそ
れに感染し、ただ
泣くだけ
#ファスナーをつけてみた

詩|まほうのファスナー

詩|まほうのファスナー

まほうみたい
にファスナー
をつけれたら
いいのにな。
あれやこれや
につけてみた
い。ど んより
重たい 灰色の
くもに 、ファ
スナー をつけ
て、シ ャーっ
と開け たら、
眩いほ どの光
が差し 込みま
すよう に。喫
煙所の おじさ
んたち の煙に
ファス ナーを
つけて

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詩|水たまりにファスナー

詩|水たまりにファスナー

雨が止んで水
たまりができ
ている。水た
まりにファス
ナーが浮かん
でいた。私は
どうしてもそ
れを開けたく
なった。しゃ
がみこみファ
スナーを開け
覗き込む。そ
の奥には階段
が続いている
吸い込 まれる
ように 水たま
りに飛 び込ん
だ。幅 の狭い
階段を 駆ける
ように 降りた
真っ暗 な水た
まりの 底には
キラキ

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詩|fastener

詩|fastener

開ける以外に道はない

一縷の望みを賭けて
上から下へと動かした

遠慮のない
老いぼれだと思われたに違いない

かなぐり捨ててでも
希望を残すには選択肢がなく
悔しいけれど
決別が必要だった

ここから先に進むには
ささやかなプライドは
処分しなければならない

すべからく
世間に反旗を翻すべきで
そうしなければ
立ち尽くす未来しかない

力なく
つまむ

手の震えが
止まらない

ナニモノか答

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詩|夜空に、ファスナーをつけたい。

詩|夜空に、ファスナーをつけたい。

夜空にファス
ナーをつけて
じじじじと開
けたら、宇宙
が落ちてこな
いかな。寝静
まったみんな
の夢の中に落
ちてきた宇宙
が広がって、
混沌とした夢
を見て目が覚
めたらいいの
に。ど こかで
猫がに ゃあと
ないて 眠れな
いあの 子の傍
に一等 星が落
ちてき て、あ
の子が 見てた
悪い夢 が箒で
ささっ と素敵

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詩|ファスナーを、脱ぐ。

詩|ファスナーを、脱ぐ。

口にファスナ
ーを縫いつけ
ていれば、余
計なことを喋
らなくていい
人に文句も言
われないし、
このままずっ
とファスナー
生活でもいい
家に帰ってフ
ァスナーを開
けて、酒を煽
って、やっと
解放される。
でも、これが
大人ってもん
なんでしょう
大人に なんて
なりた くなん
てなか ったけ
どなっ てしま
った。 いつの
まにか 口につ

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