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ひまわりの絵~母との思い出~

自己肯定感、自尊心ゼロだった人間が約2年前に12年勤めた会社を退職し、自分らしくありのままに生きる道を模索中の日々を綴っています。

5月から毎朝ジャーナリングを行っています。
A3のノート3ページに思ったことをただ書き連ねるというシンプルなものです。

今では朝起きてすぐのルーティンとなったその朝のジャーナリングですが、ここ数週間はマインドワンダリングが多く、ノートを書いている途中で何度も集中力が切れてしまうことが続いていました。

ジャーナリングを行い始めた当初は、どんどん思考が文字に変わって、感情があふれて、時には泣きながらペンを走らせるという、これまでに体験したことのないような驚きや発見がありました。

最近は、なかなかペンが動かず2~3時間かけてようやく2ページ書き終えるという、自分の中でいまいちパッとしない作業のようになっていました。

今朝のジャーナリングも同じように、いまいちな感覚を持ちながら手を動かしていたのですが、久しぶりに自分の思いもよらない思考が出たので、noteに書き残しておこうと思います。


私は母の誕生日を覚えていないのですが、今朝なぜか「次の母の誕生日には絵の道具をプレゼントしたい。」とジャーナリングのノートに書いていました。

書いた瞬間に、あまりに驚いて一瞬で思考が現実に引き戻されました。
驚いた理由は、前述したとおり私は、母の誕生日を覚えてすらいないし、誕生日プレゼントを人生で一度もあげたこともありません。

ここ数年は、父の日と父の誕生日にだけプレゼントを贈っていました。
心のどこかで父にだけプレゼントを送るのは、母親を傷つけているかもしれないと思いながら。

幼少期に数回と数年前に距離を置こうと決める前には、何度か母の日にプレゼントを送ったことはあります。

大人になってからの母の日のプレゼントは、なんとなく義務感?のようなもので送っていたように思います。
以前は、百貨店に勤務していたため、毎年母の日が近づくと1階の売り場に特設のお花屋さんが設置されました。

通勤する度に、いやおうなしにその母の日の為に並べられた花たちを見なければならず、『娘なら母に感謝するのが当然の義務だ』と言われているような感覚になりました(笑)
それでも少しは喜んでほしいという思いもあったんだろうな、とも思います。


ただ今朝のふと思い立った「絵の道具をプレゼントしたいな。」という思考は、その時の感覚とは全く違ったものだったので、驚きました。

なぜ「母に絵の道具をプレゼントしたい」と思ったかというと、幼少期に一度だけ、母親が「昔、絵の勉強がしたかった」と言っていた記憶があったからです。

その話を聞いたのは、私が小学生低学年の時に学校の課題でひまわりの絵を描いていた時だったと思います。

家で、そのひまわりの絵を描いていた時に、母がおもむろに私の筆をとって、もっとこうしたらよくなる、と少し書き足しました。

最初は少し抵抗しましたが、母が少し手を加えただけで、ひまわりは活き活きとした感じになりました。
私は思わず「絵上手だね。なんでそんなに上手に描けるの?」と言いました。

母はその時「若いころ絵の勉強がしたかったけど、おじいちゃん(母にとっての父)に反対されてできなかった。「絵描きなんかで食べていけるもんか!」とものすごく反対された。」と言いました。

さらにその後も、母はひまわりの絵に手を加え続け、いつのまにか少しの手直しではなくなり、勝手に人物の絵を描き足してしまいました。

私は小さいながらにも、ひまわりだけを大きく描きたいと思っていたので、何度か抵抗しましたが、母があまりにしつこく描きたがるので、途中であきらめて、母が楽しそうに絵を描く様子をただ見ていました。

最終的に母親が仕上げた、そのひまわりの絵を提出すると、後日「その絵が校内の優秀作品として、コンテストへの応募作品に選ばれた」と担任の先生に言われました。

その後、どんな経緯だったか記憶にないのですが、コンテスト応募前に最終仕上げをすることになり、学校に残って絵を仕上げなければいけない状況になりました。

私は内心『どう仕上げたらいいかわかんないよ💦だって母親が仕上げたんだもん。』と困りましたが、先生に「ほとんど母が描きました。」なんて言えるはずもなく、背景の色を塗り足したりして時間を潰し、提出したことを覚えています。

そんな記憶とともにずっと心に残っていた、母親の「絵を描きたかった」という言葉がなぜか今朝頭に浮かびました。

きっと色んなものを諦めて、犠牲にしたり、抑圧していた思いが母親の中にあったんだろうなと思います。

だからといって、私の心の傷となった長年にわたる母親の行動を許せた訳でも、憎んでいる訳でもありません。

でも、ただふと母親にも好きなことをしてほしいな、絵描きになれるとかなれないとか関係なく、やっていて楽しいこと、ワクワクすることをして欲しいなと思ったのかもしれません。






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