すっぱい、すっぱい、梅干し
私の一番好きな食べ物は、梅干しです。
梅干しなら何でもいいわけではなくて、いくつか条件があります。
まず、真っ赤であること。
次に、とにかくすっぱくてしょっぱいこと。
私の出身は、宮城です。
東北の梅干しって、きっとそんな風にすっぱくてしょっぱいものが多い。
以前、仕事の都合で1年ちょっと、大阪で働いていたことがありました。
お昼になにげなくコンビニの梅おにぎりを食べた時、「あれ？」と不思議に感じたことを今でもよく覚えています。
梅干しが、甘かったのです。
「お砂糖入ってるの…？」と思ったくらい。
最初はそのコンビニの梅干しがたまたま甘かったのかと思って、別のコンビニの梅おにぎりも試しました。
でも、みんな甘かった。
その時、やっと気づいたのです。
「西の梅干しって甘いんだ」って。
当時住んでいた部屋は京都にあり、たまたま梅干し屋さんを見つけられたので、そのお店の一番すっぱくてしょっぱい梅干しを買うようになりました。
お店の方に「この味が懐かしくて」とお話したら、とっても驚かれたのも、いい思い出。
今は2年に一度くらいのペースで、旦那さんが梅干しをたくさん漬けてくれます。
私はシソを茎から外したり、梅のヘタを取ったりして、ちょっとお手伝いをするくらい。
食べる専門、完成した梅干しの調理専門なのです。（なんと贅沢な。）
ちなみに梅干しは、毎日のように食べます。
一番好きなのは、卵かけご飯に入れる食べ方。
お醤油控えめの卵かけご飯を作ったら、ごろんと大きな梅干しを手で小さめに千切って、どんどん加えていきます。
種だけになったら、種も丸ごと入れちゃう。
種の周りのとろとろになった実は、食べる時に使う木製スプーンで削り取って混ぜ込みます。
ほとんど毎朝これを食べてるくらい、大好き。
他にも、豚肉とごぼう、レンコンを、粗くたたいた梅干しとお醤油などで煮たり、梅をたたいて醤油やみりんで少し風味をつけてドレッシングにしたり、そのままガブッと食べることも。
本当に、本当に、梅干しが大好き。
これは小さい頃からずっと、です。
おばあちゃんが作ってくれた味噌おにぎりにも、いつも真っ赤な梅干しが入っていました。
私は子供の頃東京に住んでいて、なかなか宮城には帰れなくて。
夏休みなどに父の実家に帰省して、また東京に戻る頃、おばあちゃんが必ずといっていいほど作ってくれました。
楕円形で、アルミホイルにくるまれた、大きな大きな味噌おにぎりを。
味噌おにぎりは焼いてあったり、焼いてなかったり色々でしたが、梅干しは必ず入っていた。
私はそれが大好きで。
今でも、それが大好きで。
明日の朝も、きっと食べるのです。
しょっぱくて、すっぱい、すっぱい、梅干しを。
「今日も幸せだなあ」って、思いながら。
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