パトラッシュ、なんだかとても眠いんだ【ベルギー・ブリュッセル篇】#スローバック紀行
みなさん、覚えていますか。2019年のゴールデンウィークが10連休だったことを。太古の昔のことのように感じますね。過去の旅行を振り返る「#スローバック紀行」の2本目は、この頃にタイムスリップします。
私はイギリス・ロンドンの友人宅を拠点にしつつ、マルタ共和国とベルギーを訪れる計画を立てていました。しかし、旅好きの同僚によると、ちょうどいい日取りにロンドンへの直行便を取ろうとすると、なんと往復50万円とのこと。
お、俺の生涯年収じゃないか。
仕方なく、職場で肩身の狭い思いをしながら有給休暇を追加し、巷より2日早い「オフピーク」に移動し、さらに香港での乗り継ぎがある便でロンドン入りすることで、航空券代を11万円におさえました。
ロンドンから日帰りできちゃうブリュッセル
さて、今回はブリュッセル旅行のお話です。ブリュッセルへは、ロンドンからはユーロスターで2時間ほどの距離のため、日帰りで訪れました。東京から名古屋に行く感覚ですね。近い。
朝の6時台にロンドンのセント・パンクラス駅を出るユーロスターを事前に予約していました。パスポートや手荷物のチェックがあるため、なんやかんやで5時には駅に到着する必要があるとのこと。眠い、とにかく眠い。列車内では、私のファビュラスなボディーと背もたれの間にプレシャスな手荷物を挟み、熟睡しました。時差が1時間あり、ベルギー時間の9時過ぎ(ロンドン時間の8時)に到着。
寝ぼけた状態で電車を降りると、ちょっとしたパニックに。案内表示がフランス語ばかり!駅の方に「Excuse moi、全然わからへんのやけど」と、質問をしまくり、どうにか目的地がある「ブリュッセル中央駅」に辿り着きました。この時点ですでにやや疲れていました。
「グラン・プラス」と「がっかり名所」
「ブリュッセル中央駅」からは徒歩で今回の旅の最大の目的地、世界遺産「グラン・プラス」へ。
レリーフが美しい市庁舎、王の家、ビール博物館が眼前に広がり、圧巻。
春のフラワーカーペットが有名ですが、ヨーロッパはド平日のはずのこの日も観光客でにぎわっていました。
小さな広場で、くるくると視線を移しながら、建築を堪能して満足したのち、朝ごはんがまだだったので、ベルギー名物のワッフルで腹ごしらえをすることに。あらかじめ同僚から聞いていた有名店を訪れました。「グラン・プラス」のすぐ近くの「MAISON DANDOY」です。
ワッフル生地はもっちもちで美味でした。ただ、サイズが大きい上にソースが甘く、アラサー日本人の胃腸は絶大なダメージをくらいました。
胃をおさえながら、ここから徒歩5分も経たないところにある2つ目の目的地、「がっかり名所」へ。
「小便小僧」です。曇天なのも相まって、全体的に「灰色やな」という感想でした。非常にがっかりできて、よかったです。「全米が泣いた感動作!あなたは3度、涙します」と謳った映画を観て、きっちり3回泣いたあとのようなすがすがしい予定調和です。
ピークとオチは計画的に
さて、ここでいきなり「真理」みたいなことを説くのですが、この日、旅行の計画において、かなり大切なことを学ぶことになりました。ずばり「旅のピークを最初にもってきたら、間が持たない」です。漫才のオチを最初にもってくるようなものだから、そりゃそうですよね。私はベルギーで見たかったものをふたつとも見て、一番食べたかったもの朝ごはんとして食べるということを午前11時に済ませてしまいました。ベルギー旅では、この失敗があとを引くことになります。
その後、美しいモールとして知られる「ギャルリーサンチュペール」、ステンドグラスが美麗らしい「サン・ミッシェル大聖堂」を訪れました。
「灰色やな」という感想でした。光が差さないため、ステンドグラスもただの板に見えました。
徒歩での移動が多く、少し疲れたので、これまた同僚が教えてくれたベルギー料理のお店「Fin de Siècle」でランチを食べることに。
ここでもメニューがフランス語でさっぱりわかりませんでした。店員さんに英語で説明をしてもらったのですが、「(料理名)は(肉の部位)を(調理法)した料理で、サイドに芋がつく」という説明を5通りほど聞いた結果、思考回路がショート。脳停止状態で一番人気のメニューを注文しました。肉を肉で巻いたやつです。おいしかったです。
睡魔と救済
食後も近辺を歩き回ったのですが、「灰色やな」という感想しか湧きませんでした。引き続き、胃はもたれており、試食を回避しながら職場への免罪符になるはずのお土産のベルギーチョコレートをジャケ買いし、まだ14時。足と胃と脳が疲れたため、「Café Le Fontainas」に入り、ベルギービールを飲むことに。
帰りの列車は20時発ですが、もうすることがない。このお店でkindleで小説を読みながら2時間ほど粘りましたが、常連さんが増え、いづらい雰囲気に。まぶたをこすりながら、吸い込まれるように暖かい教会に入りました。
中の写真はありません。寝てしまったからです。1時間ほど寝たと思います。私は無神論者ですが、完全に救済されました。
「パトラッシュ、疲れたろ。僕も疲れたんだ。なんだかとても眠いんだ…」
当時、「フランダースの犬」がベルギーを舞台にした話だとは知らなかったのですが、まさにそんな気持ちでした。そのあと、どうやって時間をやり過ごしたか、あまり覚えていません。
この旅から無理やり何かを学びとろうとすると、「オフピーク」に移動をして旅費を下げ、たのしみの「ピーク」を最後にもってきて期待値を徐々に上げていきましょうということです。「ピーク」の見極めは慎重に。
2018年の「フラワーカーペット」の様子を見ながらお別れしましょう。Au revoir.
グランプラス(Grand Place)
アクセス:鉄道/地下鉄 ブリュッセル中央駅(GARE CENTRALE)駅から徒歩 5分
入場料:無料
※記事内のほかのスポットは、すべてグランプラスを中心にして徒歩10分圏内です
出典:JTB
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?