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企業広報バイブル #30 採用面接は難しい

🎵日米のリーディングカンパニーで企業広報を統括して気付けば28年。IT系、インターネット系、不動産、エンターテインメント企業、広告代理店、流通業界トップ企業広報アドバイザーまで色々。かなりの私見も交えて色々書いてみようと思い立ちました、、、🎵

どこの部門もそれぞれ採用面接には難しさがあるのだろうと思う。そして、採用するポジションによっても要求難度もマチマチである。広報もまた、皆さん口が上手いし〜、履歴書綺麗だし〜、だいたい、たかが数回の面接でいかに見抜くか、なんですよ(お互い様ではある)。今日はそんなお話を。

広報の職歴書というのは、、まあ、今まで大きな会社で大人数で広報をやっている部門や数名の部門でさえ、ガッツリとPR代理店が入って丸投げしているケースも散見される。そう、メディアコミュニケーションをほとんどやってないような広報部門が結構ある、ということである。社内のネタ集めだけして、あとはPR会社に「記事取ってきて」というやつである。そうなると、広報を何年やっていても、メディアとのツテはできないし、メディアコミュニケーションの腕は上がらぬままである。ある意味、広報をやっている喜びも苦しみも半減ということだろうなあ。

PR会社は、業界担当の記者を探し出し売り込み、という感じかな。一人のPR会社の社員は数社の他業界のクライアントを抱えているので、ほとんど、記事の売り込み以外はそれぞれの担当記者さんと深いお付き合いはない。でも、ネタに力があると(魅力的だと)記事にはなる。その掲載結果は、広報担当の成果なのか?ということである。

会社の大きなネタで記者会見を開いたとする。まだ、新人の立ち位置で準備から当日まで参加する(ほぼパシリ)。会社の名前や、ネタの大きさ、PR会社がリストに全方位で配布する招待状で多くの記者が集まってくださり、翌日はたくさんの掲載が取れる。それ、その新人部員の成果なのか。

広報の履歴書には、諸々が「私のやったこと」として書かれていたりする。
難しいよね、やった事には変わりない。受け手がどこまで理解推測するかである。
なかなか、人事の面接ではそれぞれの部門の詳しい仕事内容は把握していないため、「すごいですね〜」で終わったりする。そして私に、「部長!今度の方、すごいキャリアをお持ちです。お勧めです!」とくる。

私の面接では、詳しく現在の部門の話。候補者に期待している経験などを話しながら、職歴に目を通して、、、、
「この特集、貴方がしかけたの、すごい頑張ったんですね」
「はい、社内でも評価が高かったです」
など、気になる部分に入っていく。

「この新聞、XXX年のこの業界担当って、XX記者さんですよね。私も良く知ってます。今もお付き合いありますよ」
「。。。。。。。。。。。。。。あ、あの」

?????

「メディアとのやりとりには、実は私は関わってなくて、PR会社がやってくれて、、記者さんのお名前は存じ上げず、、、、」
「そうですか。。。。」

「この時の記者会見大きかったよね。大勢の記者さんが集まって忙しかったでしょう、どんな仕事を担当されていたのですか?」
「あ、、、受付と、質疑応答のマイク渡しを、、」

その後の人事と私との会話、
「メディアコミュニケーションを全然やっていない方ですが、、大丈夫かなあ(こちらの即戦力としてのニーズには合わなそうな、、、)」
「あら、そうなんですか!でも部長!この方、国立大卒です。地頭良い方です!」なんだよ、その地頭いいから大丈夫って、、、意味不明(相当ムカつく)

もちろん、面接では今までの経験だけではなく、なるべくその人が持っているポテンシャルを見よう、感じようとしていた。記者会見の受付だけでも、その仕事からこんな発見があり、こんなことを学んだんです、という話ができれば気にしない。質疑応答のマイク回しだって機転とフットワークが要求されるものだ。
どんな仕事も無駄な仕事はないし、そこから何を感じ、何を学び、今後はそれを活かして、こんな仕事をして行きたいで構わない。

この人と一緒に仕事がしたい、と感じさせたら勝ちな気がする。
(決して地頭ではない!!!)




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