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毒があったから進化した

いつも読んでいただき
ありがとうございます。
さおりんです。


毒の存在というのは
生物同士の日常の関係ばかりでなく
長期にわたる関係や個々の生物の生き方
に影響を与えてきました。


その結果は進化として現れましたが
どのような引き金になったのでしょうか。


毒がある環境では、
多くの生物が生きられません。
しかし、逆にそのような場所で
生きられれば競争を避けることができて
生存に有利です。
また、毒の存在より、生物同士の関係
にも大きな変化が生じますので
ご紹介していきます。


・酸素
多くの生物にとって、
酸素は呼吸に不可欠です。
しかし、呼吸に使われなかった余剰の
酸素(活性酸素)はさまざまな化学反応
を引き起こします。


生体内にはビタミンをはじめ
抗酸化物質や酵素があり、
活性酸素を片付けてくれます。


しかし、これらで防御しきれないと
短期的には痙攣、めまいなど、
長期的には老化や発がんを含む
さまざまな障害が発生します。

さらに、
マメ科植物の根粒菌は、根に「根粒」
を作り、植物に空中の窒素を栄養として
与えています。

根粒菌も酸素呼吸をしますが、
窒素を取り込む酵素は酸素に弱いため、
レグヘモグロビンというたんぱく質に
より酵素により邪魔な酸素を取り去る
一方で、呼吸に必要な分だけの酸素を
根粒菌に運搬しているのです。


・深海の熱水チムニー
熱水域にはヒトに有毒な硫化水素や
重金属が広がっていて、チムニーの
噴出口周辺は100~400℃ほどの高温に
なる場合もありますが周辺は冷水です。


細菌は硫化水素や水素からエネルギー源
を生み出し、その細菌を食べる動物たち
が帯状に分布します。


最も毒や熱に耐性の強い種は熱水の近場
に生息し、特殊なタンパク質やストレス
に強い細胞を持っています。

・蛍光色
有毒動物には明るい色と暗い色の
コントラストが目立つ警告色をもつ種
がいます。
警告色には、自身が有毒動物であること
を周囲に伝え、自身と外敵の双方が
無用な争いにによる傷などを負うことが
防ぐ働きがあります。


ヤドクガエル類は赤や黄色、青などの
鮮やかな警告色をもち、
昼間に活動します。


キオビヤドクガエルの黄色と黒の
コントラストが強い体色は、薄暗い
熱帯雨林の林床でもよく目立ち、
捕食者に毒性をアピールするのに
役立ちます。

アカハライモリの背中は
褐色の目立たない保護色ですが、
お腹はよく目立つ赤色です。


天敵に襲われると背中を反らして
丸くなる防御姿勢をとり、
お腹の警告色をアピールします。


テントウムシ類は外敵に襲われると
毒成分を含む液体を体から出して
身を守ります。


目立つ体色には警告色としての役割
があり、テントウムシ同士による
「ミューラー擬態」やテントウムシ以外
の昆虫がテントウムシに似せる
「ベイツ擬態」が見られます。


・盗用
自身で毒を作れない有毒生物は、他者の
毒を利用または盗用しているといえます。
テトロドトキシンを自身で作れないフグ
や、ヒキガエル類の毒を防御用の毒と
して利用しているヤマカガシも毒を盗用
しているのです。


ハチの毒針は卵を産むための産卵管が
変化したものです。
毒針は幼虫の餌となる獲物を狩るための
武器として発達したと考えられますが
自身や巣を守るためにも使われ、
攻めと守りの両面でハチの多様化を
支える原動力となりました。


さらに、幼虫の餌に花粉を使うように
なったハナバチ類では、毒針は守り専用
の武器へと変化しました。


次回は、自然界の中にある
毒に耐えるについて
ご紹介していきます。
ここまで読んでいただき
ありがとうございました。
さおりんでした。


このように、お子様でもわかりやすく
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