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親として「当たり前」ができることは、すごいと自分には思ってあげたい

「だっこーーー!!!イヤーーー」

真夜中、耳元で大音量ボイスで泣きわめく次男を抱っこして、泣きそうになりながら家の中をぐるぐると歩き回る。

(だから、抱っこしてるでしょ?なんで泣くの……)

3月末に2歳になった次男は、最近本格にイヤイヤ期に入った。かたや私はイライラ期、とでも言ったところだろうか。

喜ばしい、子どもの成長過程だ。しっかりと次男は自我が育まれている。

ただ、親としては理不尽に泣き喚き、癇癪を起こす次男といると、やっぱり大変だ。夜中にいきなり大泣きする日も最近は増えた。

この日もえぇ……と真夜中に泣きそうになりながら、また抱っこしてグルグル家の中を歩き回る。降ろすと泣くし、止まると余計に泣くからだ。

カチコチ……。

泣き声の合間に、暗がりで淡々と時を刻む無機質な時計の針の音を聞いていると、世界に1人だけしかいない気分になる。

そんなことないのに、ワンワン泣く次男を抱えていると、ずっと泣き止まなかったらどうしよう、このまま朝がこなかったら……と怖くなる。人は寝不足でボーッとする頭でいると、おかしいことを考えるらしい。

あぁ、この感覚、産後の授乳のときみたいだな、とぼんやり思い出した。

5年前、長男のイヤイヤ期のとき、私ってなにしてたんだっけ……?
こういうとき、あったっけ……?

絶対にあっただろうし、大変だったはずの時期なのに、今は思い出せない。


そんなこんなで、10キロの次男を抱っこして歩き回っていると、だんだんと落ち着いてきて「あっち」と布団を指差す。力が抜けたのか、胸に抱く次男がまたずっしり重くなるのを感じた。

そのまま布団に降ろすと、スッと寝た。安心したみたいだ。

スヤスヤと眠る次男を見て、よかったね、と私も安心する。次男に対しても、自分に対しても。

あぁ、よかった。
また一日、わたしはこの子の命を守れたんだ、って。


親になると、日々喜怒哀楽さまざまな感情を味わう。ニコニコしていたと思ったら、数分後にはイライラしている自分を、自分で怖いなとも思うこの頃だ。

それでも、わたしは今日もこの子の命を守れた。
もう、それで私は立派じゃないか、と思う。

「一般的に『当たり前のこと』だからって、それをやるのが『すごくない』ではないんですよ」

数年前に心が病んだ時、ある方がかけてくださった言葉だ。

皆が「当たり前」「普通」にやっているから、私は無意識に「大したことではない」と思っていることに気づいた。


「自分は良くやっているな」と自分に対して思うことも、健やかに生きていくうえで大切なのだなぁと学んだ。

次男のイヤイヤ期は始まったばかり。
きっと、忍耐の時期は続くだろう。
長男の初めての夏休みだってはじまる。
夏休みの思い出を作ってあげたいな、とも親心として思う。

子ども達はパワフルで、毎日全力で生きている。すごい。

そして、そんな我が子達を当たり前に今日も育てる私だって、そして今日を生きたあなただって、すごいよね絶対に、と思う。

最後までお読みいただき嬉しいです♪ありがとうございます!これからも心を込めて執筆していきます。