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フリーランス1年目でつまずく「税金の悩み」を解決したい!【無料公開!】

皆さん、こんにちは。サンゼです。

今回は映像会社でサラリーマンをしていた僕がフリーランスに転向した、
あの当時に知っておきたかった「税金のこと」を書いてみたいと思います。

イメージがしやすいように簡単に説明している部分があるので、詳しい方には物足りないかもしれませんが、これからフリーランスを目指す方の漠然とした不安が解消出来たら嬉しいです。

【2021/08/14追記】
最近、サンゼが運営している
オンラインコミュニティのECHOの中でもフリーランスになる方が増えてきました。この記事はもともと有料で販売していましたが、駆け出しでつまずいたりしてしまう方を少しでも減らしたいのでこれからは無料で公開したいと思います。

▼コミュニティに興味がある方はこちらを御覧ください。


税金の知識はフリーランスをしていく上で大切な武器になります。

フリーランスの駆け出しの方は予習として、フリーをやって長いけど「あんまり税金のことわかんないわ」って方は復習として利用してもらえたら嬉しいです。
税金の計算は人それぞれの所得によって大きく変わります。ケースバイケースなのでコメントなどで質問を頂いてもお答えできません。

あくまでこの記事を軸として「自分の場合はどうだろう?」と考える切っ掛けにしていただけましたら幸いです。

また自分の周りで困ってる方がいたら、この記事を教えてあげてください〜。では、早速本編に入りたいと思います!


【フリーランスになって悩んだこと】

サラリーマンからフリーランスに転向して大きく変化することは、
「仕事をするためのお金の管理を自分でしていくこと」だと考えています。

僕も、多くのフリーランスの方々も頭を悩ませ、
これからフリーランスとなる「あなた」も考えることになると思います。

サラリーマン時代、
通帳に入っているお金はすべて「自由に使い方を決められるお金」でした。

自分のスキルアップに使っても良いし、
趣味につぎ込んでも構いませんでした。

しかし、フリーランスを始めた僕の通帳には
「自由に使い方を決められるお金」と
「あとで支払う税金」混在している状態になりました、、、、

この「あとで支払う税金」がどのくらい含まれているか分からず、
新しい機材を買って後で資金不足にならないか、
生活や遊びにいくら使って大丈夫なのか、
などでお金の面では不安を感じながら過ごしていました。

「あとで支払う税金」がお金の管理で大きな障害になって来ます。
そのため、この部分について伝えていきたいと思います。


【所得とは何か?】

図解作成:ニワノトリコ(https://twitter.com/niwanotorico

税金の話をする時に「所得」という単語が良く出てきます。
あまり聞き馴染みもないですし、
ちょっと想像しにくい単語ですよね(・_・;)


所得とは「仕事で得た儲け」のことを言います。
この金額をもとに税金などの計算をするのでとても重要です。

具体的にはどのような内容なのかを説明したいと思います。
所得は、下記の3つの項目から

「売上-(経費+控除)=所得」として計算されます。

図1


それぞれの項目は、次のような意味になっています。

1.売上
請求書で請求した金額の合計です。

2.経費
仕事をする上で使用した金額です。
例えば、材料費、機材費、書籍、打ち合わせ費、家賃、光熱費、通信費等が含まれます。

3.控除
経費のように売上から差し引ける金額です。ボーナスみたいなものです。
後述しますが青色申告をすれば65万円引けます。


フリーランスのお金の話をする上で最も重要なものが「所得」です。

よく「年収がいくらだ~」という話をする際に、
それが売上なのか、所得なのかによって
話が変わってくるので注意が必要です。
大切なのは売上ではなく最終的に手元に残る「所得」です!

で、この「所得=儲け」の金額をベースにもろもろの税金が発生していきます。お、おそろしい、、

「じゃあ、売上と経費をぶつけて相殺して0にしたらいいじゃ〜ん」
って思いますよね。わかる。でもそれをやると詰みます。

詳しくは最後の方に書いてます!


【フリーランスにかかる税金等について】

フリーランスになると、今まで給与明細で天引きされていたものを
自分で計算して納めることになります。
給与明細の控除部分を思い浮かべて、
そこに記載された項目だと思って下さい。

前の段落で説明した「所得」というものに対して
大まかに分けて5つの項目(税金類)発生します。


1.所得税(5~45%の累進課税)

 累進課税(るいしんかぜい)なので
 所得に応じて税率が変わります。(下図参照)
 所得が増えれば増えるほど、納める税金が増えていきます。

図2

 
ちなみに、僕も当初勘違いしていましたが、仮に所得が400万だった場合、
所得金額の400万円にすべてに20%がかかるわけではないです。

「195万円までに5%で、10万円」
「195万円を超えた135万円に10%で13万円」
「330万円を超えた70万円に対して20%で14万円」を合わせた

「37万円」が正解です。

図3

上の図を見ると、所得が増えるほど、、、、
税金が加速度的に増えていくのが分かります。

所得が上がるほど税金として引かれる率が上がっていきます。
これに関しては、様々なご意見があるとは思うのですが、サンゼ個人としては稼ぐ人のパーセンテージを上げてしまうと、いわゆる「稼ぎどめ」してしまう人がいるので累進課税の税率はもっと緩くしてほしいと思ってます笑



2.住民税(10%固定)と個人事業税(5%固定)

都民税と区民税を合わせたものです。
住んでいる都道府県、市町村に払います。

個人事業税については、サラリーマンには無いものなので、
純粋に増加する税金と言えると思います。

3.国民健康保険料(約10%)
サラリーマンの時は社会保険ですが、
フリーランスは国民健康保険に切り替わります。
所得に応じて変化しますが、パーセンテージは大体10%くらいです。


4.国民年金(月額固定16,410円、年間約20万)

サラリーマンの時は厚生年金ですが、
フリーランスは国民年金に切り替わります。
所得に応じて変化はしませんが、年々高くなってきています。

※ちなみに、社会保険は給与に応じて変わります。


5.消費税(10%)※条件に当てはまらない人は支払う必要はありません(^^)
 年間売上1,000万を超えて2年後から発生というルールなので、
 仮に、初年度に売上1,000万円を超えた場合でも
 初年度と2年目は納めずに、3年目の売上に対して発生します。

以上の5つの項目を踏まえて
ご自身の場合を計算してみましょう!


「所得400万円」になった場合を参考に計算してみます。

▼所得の400万円に対して引かれていくサムシング
 ① 所得税の約10% → 37万円(先程の折れ線グラフ参照)
+ ②住民税と個人事業税の15% → 60万円
+ ③国民健康保険の10%  → 40万円
+ ④国民年金 → 約20万円 
+ ⑤消費税 0円(※事業を始めた最初の年の場合)
合計の「157万」を税金と国保・年金として支払う必要があります。

なので支払ったあとの
残りの「243万」が自分の生活費・余暇に充てられるお金となります。
全部が自分のお金だと思って使いすぎると大変なことになりますよ!
( ‘д‘⊂彡☆))Д´) パーン



【で、結局いくらが自分の生活費なの?】

難しい内容が続いたので、ここで一旦ブレイクしましょう(>_<)

ここまで税金計算について説明しましたが、
「今月の生活費は○○円だ」などと
毎月細かく計算するのは時間がかかりますし、
できれば時間も意識も取られずに仕事に集中しておきたいです。

そこで
「月々の生活費の目安を定めておいて、細かい計算は確定申告の時に行う」
と割り切ってしまうのも良いかと思います。

例えば、
年間売上が800万円として
ざっくり月の平均売上が「60万円」の場合に、
経費として半分を使ったとして、所得が「30万円」となります。

それに対して、4割程度、多めに考えて
半分の「15万円」が税金と国保・年金として引かれます。

そして、最終的に「15万円」が生活費として残ることとなります。

ザックリですが
「売上の約4分の1は生活費に当てて大丈夫」と覚えておくといいです!

生活費と仕事のお金で銀行口座を分けたい場合は、
この「売上の約4分の1」を目安に移動させることをオススメします。

※最初のうちは保守的に計算していったほうがいいです。
売上は少なく見積もり、経費や税金などは多く見積もりましょう。
最終的に余ればラッキーで済むけど、
足りなければ金策に走らないといけなくなります。
手元にお金がなくても、税金は払わないとダメです。



【請求書を作成するときに気を付けること】

仕事を終えたとき、取引先に請求書を送ることになります。
もし、10万円の仕事を受けたとしたら、下のような請求書を作ります。

図4

ここで注意しなければいけないことは③の「源泉所得税」という項目です。

例えば、デザインの仕事をしたとき、税抜売上の10.21%の税金を、自分の代わりに取引先が税務署に納めます。

そして、
税込売上から源泉所得税を差し引いた金額が自分に振り込まれます。

自分の税金なのに取引先から納めてもらうのは違和感がありますが、
「個人で仕事をしても納税しない人が多い」
税務署に思われているのかも知れません。

ただ、
フリーランス側からすれば分割して納税していることになります。

1年間の税金をまとめて納めることになるよりは資金繰りがラクになる、
という意味でメリットもあると考えるようにしましょう(^^)/


【確定申告について】

最終的に所得がいくらあったのかを確定申告で正しく計算し、
税務署に申告します。

先に納めていた源泉所得税から、
不足があれば追加納付が必要になります。
反対に、納め過ぎていれば還付されてお金が返ってきます。
大体の人は還付があります(/・ω・)/



【青色申告、白色申告とは?】

聞いたことはあるけどどっちが良いかわからないですよね?

これは確定申告方法の種類のことなんです。
青色申告は65万円分の控除が使えます。
(ちなみに2021年3月15日締切の確定申告からは55万円になりますが、
紙提出ではなく電子提出を行うと65万円のままです)
白色申告は控除がありません。

(覚えなくてもいいですが、青色と白色の違いは、貸借対照表・損益計算書という財産・収支内訳表の有無の差です)

ざっくりいうと、青色申告の方が少しめんどくさいけどお得になります。
白色申告は控除がないけど、簡単というようなところです。

ただ、
白色申告が簡単とはいえ領収書を計算する作業は対して変わらないので、
絶対に青色申告をオススメします!

フリーランスのメリットは自分次第で節税ができたりすることなので、
はっきり言って、
ここをサボるのはフリーランスをやる意味がないのと同じです( ゚Д゚)


【確定申告の時期】

今年は、2020年2月17日(月)〜3月16日(月)です。※毎年この時期です
税務署に申告書を郵送して提出します。
また、所得税の納税も同じ日までなので忘れずに行います。

※申告書作成が不安な人は...
申告書作成会場が税務署にて開かれるので、不安なひとは必要そうな書類を一式持って会場に向かっても良いと思います。
ただし締切が近づくほど混むので、行くなら早めをおススメします。


【節税という甘美な響き】

年末になると
周りのフリーランスが口々に「セツゼイ、セツゼイ」と言い始めます。
節税、、とても甘美な響きですよね。うっとりします笑

ここまで読んでくださった方なら
「あれ?じゃあ、その所得ってのを限りなくゼロにしたら、
ほとんど税金を支払わなくていいんじゃん!節税じゃん」
って事に気づかれるかと思います。

僕もフリーランス1年めの頃にそう思い、
年末に経費として機材を買いまくり、散財をしました。
確かにそうすれば、支払う税金が減るので【節税には】なります。

ただ、この考え方はかなり危険なので早めに捨て去ったほうがいいです。

結論から言うと
『節税なんか考えないで税金をしっかり支払うことが一番の節約』
 になります!

たしかにフリーランス1〜3年目の間は色々と機材や作業場の備品など自然と出費が多いものです。なので、本当に必要なものなら、仕方が無いですし、どれだけ高くても買うべきです。

ただ『節税になるから』というバイアスで『なんとなく必要になりそう、税金で払うくらいなら買っちゃえ!』とお金を使っていくと、いつまで立っても永久に口座にお金は増えていきません。

毎年、大きくお金が入って、大きくお金が出ていくだけの生活になります。
刹那的に生きていくならいいんですが、僕はオススメしません。
(えらそうに言っていますが、まさに僕がそれでした笑)

ちゃんと『必要なものなの』なのか『欲しいだけのもの』なのかは
しっかり見極めていきましょう。

税金を収めることでしか、お金は翌年に持ち越せません。
ここは腹をくくって税金を収めましょう(´°̥̥̥̥̥̥̥̥ω°̥̥̥̥̥̥̥̥`)



【終わりに】

これがフリーランスを始めた頃に、僕が疑問や不安に思っていたことです。

その後も仕事を続けるなかで他に気になることは出てきたのですが、
「フリーランスになりたい方・なったばかりの方」に僕がお伝えしたいことは以上のとおりでした。
稚拙ながら、フリーランスのはじめの頃に自分が知りたかった事や、考え方をまとめたつもりです。
駆け足でしたがお付き合いいただきましてありがとうございます!

お金の知識を正しく勉強して一緒に生き延びていきましょう!

▼こちらのnoteも参考になるかも

▼こちらはECHO会員限定の記事です。

【インボイス制度】売上1000万円以下のフリーランスがピンチ!?〈ECHO会員限定記事〉


マイクロ法人のススメ〈ECHO会員限定記事〉


最後に宣伝ですが、Youtubeで映像制作のHow toを無料で公開しています!
映像に興味がある方はぜひチャンネル登録してくださいね!

どうぞごひいきに!ではまた!



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