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ムーアの法則|メガジョッキと芋ロック

コンピューター技術の発展においてデバイスが小型化していく現象を表現する時に「ムーアの法則」という言葉がよく使われます。

ムーアの法則は、半導体のトランジスタの密度が指数関数的に増加し、それに伴いデバイスの小型化とコンピューターの処理能力が大幅に向上する現象を表したものです。未来を予測するフレームワークとして活用することもできます。

携帯電話やパソコンの変遷を思い返してみるとイメージがしやすいと思いますが、処理速度は高まりながらも端末のサイズは小さくなっていっています。

昔のSF作品を読んでいると、当時の人たちがこういった小型化していく現象を予想できていなかったケースを垣間見ることがあります。

人型のロボットがメイドの様に部屋の掃除をしてくれるといった、機械の大きさは当時のままに進化していく未来がイメージされていたようです。

スマホ連携でルンバが部屋掃除をしてくれるような、小型化した未来を予測することは困難だったのではないでしょうか。

高度経済成長期のように、未来はより豊かに、そしてより大きくなるのではなく、現実の未来は小型化を遂げてスマートな生活に急遽シフトしていったのです。そして人々はその魅力を知ることとなりました。

先日、名古屋の大衆居酒屋で飲んでいた時のことです。テーブル席には若者二人が1リットルくらいのメガジョッキでレモンサワーを飲んでいました。大容量のお酒を目の前に置いて満足そうな表情をしています。

その一方でカウンター席には芋焼酎のロックをちびちびと飲んでいる渋いおじさんがいました。

きっとこの居酒屋チェーンでメガジョッキの提供を企画した担当者は大きさでもってお得感をアピールする発想だったのだと思います。

しかし、人々は非常に多様な価値観を持っており、小さくなっていく魅力を知った人も、一方で非常に多くいるものです。

やっぱり未来予測なんて簡単にできるものではないんだと再認識しました。

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