よく噛む習慣のための工夫|すぐ飲み込んでしまう人へ
食事の際によく噛むことは、健康にとって非常に重要であり、多くの効用があります。
しかし、僕は専門家ではないので、その効用を科学的に責任を持って説明することができません。
それでも僕は10年以上、人より何倍もよく噛んで食事をしてきた経験があります。
それは胃を手術した経験によるもので、良く嚙まなければまともに食事ができない身体になってしまったからです。
そのため、よく噛むことの効用は一般的な健康情報と同様の知識量であり、その効用の結果は個人的な体感による抽象的なものとなります。
しかし、よく嚙まなければ食事ができない経験によって、よく噛むための工夫を追い込まれた状況で考えることとなりました。
人間は追い込まれると良いアイディアが浮かぶようで、その方法は「よく嚙んで食べましょう」とだけ言われても「すぐに飲み込んでしまう」という人に役立つアイディアになるはずです。
食事という本能的な行動に対して精神論で挑んでも大抵は失敗します。工夫を持ってよく嚙んで飲む健康習慣を身に付けてください。
よく嚙むことのメリットをおさらい
まずはよく噛むことのメリットを把握しましょう。教会けんぽのサイトによく噛むことのメリットが掲載されていました。
見解は様々なのかもしれませんが、大まかに言えば肥満やむし歯の予防、脳の活性化など様々なメリットがあるようです。
どうすればよく嚙んで食事ができるのか
では、よく嚙むためにはどうしたらよいのか。意識を高めるだけでこれを継続するのは正直なところ難しいはずで、そのうち本能と習慣に負けてすぐに飲み込んでしまうことでしょう。
そのため、2つの工夫を持って臨むことをおすすめします。
それは「よく嚙むと美味しくなる食材」を選んで食べることと、「作業が必要なメニュー」を食べることの2つです。
よく嚙むと美味しくなる食材を見つける
噛めば噛むほど美味しくなるものを食べれば、本能的に美味しくなるまで噛み続けたくなるため、よく嚙むことにインセンティブが働きます。
以前、和食は本当に健康に良いのかという記事で書いたように、和食のなかにはよく噛まずにのど越しを楽しむ食材が多いので、よく噛むことに向いていないことが多くあります。
蕎麦はその代表格で、よく噛むことで旨味やコシが失われてしまいます。また、ラーメンもあまりよく噛んでいられません。よく嚙んでいるうちにスープが冷めて麺が伸びてしまうからです。
日本人にとっても馴染みがある食材は、意外にもよく噛むことに適していないことに気づき、闘病中に苦労した記憶が強く残っています。
そこで、この経験から見つけ出したよく噛むことに適した食材が、フランスパンです。
フランスパンは表面がかりっとしているだけでなく、中身についても食パンや菓子パンに比べて非常に硬く、よく噛まないと食べることができません。
しかしフランスパンは時間をかけてよく噛むことで、小麦の味わいや豊かな風味が口の中に拡がっていく感覚を得られるようになります。
作業が必要なメニューを見つける
「作業」というと食事の印象とかけ離れてしまいますが、ここで言う作業とは食事を口に運ぶまでの過程を指します。
例えば、パスタはフォークを使って麺を巻くことで、ひと口に適したサイズにまとめ、それから口に運んでいきます。
こういった過程を挟む食べ物は、自然とゆっくりと時間をかけて食べることに繋がっていきます。
食事をよく噛んでいる時に、ただ噛んでいるだけでは手持ち無沙汰になってしまい、次のもうひと口に意識が向いてしまうのです。
パスタを巻く作業は、その意識を分散させてくれるため、結果的によく噛んで食事をする手助けになってくれます。
ちなみにパスタは蕎麦とは異なり、よく噛むことでもちもちとした食感を継続的に楽しむことができる、よく噛むことで美味しくなる食材でもあります。
食べることは生きることではあるけれど…
ソクラテスの格言『食べることは生きること』にあるように、人は生きるために食べるのであり、食べることは手段に過ぎないのは疑いようのない事実です。
仕事や日常の忙しさに追われて食事を短時間で済ませるよう、よく噛まずに食べてしまうのは自然な流れかと思います。
しかし、食事の機会を失った経験がある僕にとって、食事ができるというのは非常に幸せなことです。
最後だけ精神論になってしまいますが、急ぐ気持ちを少し抑えて、食事ができる喜びを、もう少し時間をかけて噛みしめても良いのではないでしょうか。
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