「人生の目標がない」は普通だ!哲人が教える3つの秘訣
みなさんは自分の人生の目標が何なのか、明確に答えられるでしょうか。
限られた時間を生きる人生だからこそ、具体的な夢や目標を設定して実際に行動し、そして目標を達成することが、後悔なく充実した人生を生きるための秘訣であることは間違いないでしょう。
しかし、だからと言って「目標を持たなければいけない」という程その考えに固執してしまうのは少し違うんじゃないかと思うのです。
人生の目標を持つことを否定はしませんが、「人生の目標がない」という人が固定概念に苦しまずに済むよう、ひとつの考え方をご紹介します。
人生の目標がないのに人生の目標を聞かれる
よく人から「今後の目標は何ですか?」とか「何か目指していることはあるんですか?」と聞かれることがありました。
僕は10年以上も昔に20代の若さでがんを患った経験があります。
その経験をもとにボランティア活動を時々していることもあって、死生観や人生に関わる質問を受けることや対話をする機会が多いのです。
オフィシャルな取材という形式の場合は必ずと言っていいほど「今後の人生の目標は何ですか?」と聞かれますし、単純な交流の場での会話においても「何か目標ってあるの?」と聞かれることがあります。
実は僕も明確な目標を持たずに過ごしてきてしまったタイプで、こういった時には正直なところ回答に困っていました。
とりあえず「社会に恩返ししたい」とか「もっと人の役に立てる様な存在になりたい」の様な、抽象度が高くて好印象も持ってもらえるような回答で凌いでしまっていました。(嘘をついていた訳ではないです)
そんな「目標を見つけなきゃ」と考えが凝り固まっていた僕にひとつの答えを与えてくれた本があるので、今回はその本を紹介させていただきます。
同じようなモヤモヤを感じている人がいたら、少しは参考になるのではないかと思います。
投資家ジム・ロジャーズのメッセージ
まず、「人生の目標がない」僕に答えを与えてくれた本を紹介します。
世界三大投資家と呼ばれているジム・ロジャーズ氏の「冒険投資家ジム・ロジャーズ世界バイク紀行」という本です。
日経ビジネス人文庫から発売されていて、続編に「冒険投資家ジム・ロジャーズ世界大発見」があります。続編はバイク紀行ではなく、車(ベンツ)で旅をしています。
ジム・ロジャーズはクォンタム・ファンドという投資会社を立ち上げた伝説の投資家で、若くして死ぬまで生活できるお金を稼ぎ切っているような男です。
そんな彼がBMWのバイクでニューヨークを出発して世界六大陸を一周した時の記録がこの一冊に書かれています。今では割とよく聞くようになった世界一周ですが、この旅は1989年12月から始まった旅です。当時としては相当珍しいものでしょう。
そして、この本が通常の旅行記と異なっているのは、世界各地への洞察が投資家目線で書かれていることです。貧乏旅行記は非常に多く存在しますが、富裕層の投資家がバイクで世界一周をするという本書は、現代においても非常に新鮮だと思います。
彼の思考を通して見える世界は読者にとって非常に多くの学びとなり、旅がもたらす人間への影響が計り知れないということも思い知らせてくれる、そんな刺激がたっぷり詰まった一冊です。
では、この本は「人生の目標がない」人に何を教えてくれるのでしょうか?
人生は本当はシンプルなもの
人生の目標について深い洞察を教えてくれる対話が本書の「あとがき」にあります。
本書の「あとがき」を担当しているのは、日本を代表する作家である村上龍。なんと彼は本書を4回読んだと書いています。
村上龍はジム・ロジャーズの二回目である世界一周(本書の続編である「冒険投資家ジム・ロジャーズ世界大発見」に収録)の途中でジム・ロジャーズにインタビューする機会を得ます。
そこで村上龍がジム・ロジャーズに質問をします。
この質問へのジム・ロジャーズの回答が下記です。この回答が、人生に目標を持たなければと思っていた僕に対して、本質的な回答をくれることになります。
これが本記事のタイトルにもある3つの秘訣で、抽象的でありながらどれも難しいものではありません。
村上龍はこの回答を受けて「人生は本当はシンプルなもので、むずかしくしているのはわたしたち自身なのだ、ジム・ロジャーズはそういった真実を体現している」と評しています。
このやり取りを読んだことによって、人に語れる夢や目標がないことにモヤモヤしていた自分が急にバカらしくなってしまいました。
村上龍が言うように「人生は本当はシンプルなもの」であって、まずは死なないように生きて楽しんで暮らし、世界を知るべく学び続けていれば良いんです。
もちろん具体的な目標は行動を促すことに繋がるので、夢や目標を持つことで人生が充実するのは間違いありません。
ただ、それは無理に考えて見つけるものではなく、人生をシンプルに考えて、死なないように楽しく学びながら生きていくことの方が大切なのだと思います。
「夢や目標を持たなくてはいけない」と考えが凝り固まってしまっている自覚がある人には、ぜひ一度読んでみてほしい一冊です。
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