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アナログレコードに見る未来予測の難しさ|新NISAの心構え

2024年から非課税枠が拡張された新NISAが始まったこともあり、多くの人が投資を始めることになりそうです。

そのうえで、やはりリスクヘッジされた商品の人気は高く、オールカントリーという全世界に分散された投資信託が多く買われ、「オルカン」という言葉も少しずつ世間に浸透してきている印象です。

やはり潜在的な不安を抱えている人が多いのでしょうか。

投資信託の説明は省きますが、インデックス投資の本を何冊か読んで理解し、そのうえでざっくりと世界の歴史を振り返って未来予測をしてみると、「オルカン」を有効活用すれば、将来は元本を大きく上回るリターンを得られる可能性は高いことがわかります。

インデックス投資は数学的に証明された再現性の高い方法であり、市場の成長についても、全世界で考えればその富は着実に成長を続けているからです。

昨今は物価が高騰しているので、現金で貯蓄していた場合は価値も目減りしてしまうため、いわゆる「リスクを取らざるリスク」(同じ10,000円でも昔と今では価値が異なってしまう)に陥ります。それなら「オルカン」が最もベターな選択になるのは当然でしょう。

しかし、やはり本当の安定というものはなく、全く予想できない出来事がいつ起こるかなんて誰にも予測できないということは肝に銘じておこうと思っています。

そのためには、予測できていなかった未来予測に思いを巡らしてみることで、未来の不確実性をイメージすることができます。

例えば、2020年前後あたりから、アナログレコードが少しずつブームになってきています。

レコードからCDへデータは移り、カセットテープやMDなどを経て、MP3の登場からiPodのブーム、そしてストリーミング再生の時代へと、時代はデジタル化と小型化を推し進め続け、料金体系も月額のサブスクで音楽を聴く今の時代にまで至ります。

極度に発達したデジタル化によって、物体としての魅力を保持するアナログレコードが却って人気を取り戻すことになるなんて、なかなか予想することはできなかったのではないかと思います。

高品質で手間もかからないコーヒーメーカーが入手できるにも関わらず、豆を挽いてハンドドリップコーヒーを淹れている人も未だに多くいます。

Kindleをひとつ持っていれば大量の名著にかさばることなくアクセスすることができます。しかし、それでも電子書籍ではなく紙の本を読み続ける人は未だに多くいます。

SFの巨匠である、アイザック・アシモフの『われはロボット』では、ロボットが人間の未来に応じて進化しながら役割を果たしていく様子が描かれています。

ロボットと人間の未来に対する描写は、今読んでみても唸るほどの名作ぶりではありますが、未来の登場人物たちは1950年代と同じくらいの頻度でタバコを吸っています。アシモフも禁煙の時代が来ることは予想できなかったのかもしれません。

投資において「オルカン」を買っておけば、理論的には資産を順調に増やすことができるはずです。

どこかの国が暴落したとしても、別のどこかの国が繁栄していれば、そのリスクは分散され、全体的には富は増幅し続けます。

しかし、これだけ予想ができない現象が起こり続けている世の中なので、予想が外れた場合にも落ち着いていられるような、人間的な成熟は果たしておきたいものです。

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