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やらないをやる

やらないをやる大切さ

やらないをやる。
事業再生において最も大切なことだと思っています。

動く理由

みんなずっと何かをしている。
何かしているときには、すごく視野が狭くなる。
少し立ち止まった瞬間に、todoリストや机の上のメモ・私生活のタスクが目に飛び込んできて、とにかく何かをやっている。
前日まではハラハラするけど当日意外とどっしりしている。そんなことは良くある話。何かをしているツラをすれば、案外安心できるもんだ。
何かをしていれば、嫌なものは見なくて済む。何かをしていれば、考えなくて済む。

定期的にのど元に突き付けられる「結果」

しかし、そんなことをしているけど確実に突きつけられる。それが「決算書」であり、「数字」だ。
何を言おうと、どれだけ頑張っても一年は一年経てば過ぎる。その時に数字や結果に向き合わなければならない。いや、普段から当然だが意識しなければならない事だ。
徳島でも広島でも北海道でも、イギリスでも共通のものが数字だ。日本のP/L、B/Sを海外の人が見ても、なんとなく分かるはずだ。
働いているかどうか、休んでいないかどうかは、むしろ海外では「無能」の烙印を押される。僕も海外の人事担当や役員と話すと「ケッカガ~スベテ」「セイカシュギデスネ、オワカリ?」と言われる。

一生懸命走り回ってる人の口癖

「頑張ってる」
「ほとんど休んでない」
そんな事を言われる。
「数字どう作りますか?」
という質問に対して、「頑張ってる」と言われると、キャッチボール大丈夫かな?って思う。
一生懸命は数字が作れるための変数の一つではあるけど、数字が出来てない時の会話の一つにはならない。
なんなら数字の話をするときに限っては、「頑張ってないけど大黒字」の方が偉いはず。
黒字額が多いほど偉くて、利益率が高いほど偉いはず。
2より9の方が7多い。と同じような理屈だと思う。
「数字をどうするか?」に対して、「一生懸命」という論点すり替えを行う。
通用するのは、社員のやりがい搾取に貢献するくらいのもんだ。下の本は、逆に自分自身がどのようなリッチな技を使って頑張って社員を遠ざけているかが書かれている非常に良著。

やらないをやる大切さ

どぶ川の水が流れがなくて濁っている時に何をするだろう。
僕はいつもコンサル先にそう伝える。
皆さんは、数字が悪い、社員が集まらない、会社の課題が見つかった。そんなときには非常に焦って僕にいろんな宿題を投げかけてくる。
しかし大切なのは、その課題はいつ「生まれた」のか。
なんなら創業当時からあったのではなかろうか。規模が大きくなったから顕在化しただけであって、もともと解決しなければならなかった課題じゃないだろうか。
業務効率化を仕事にしていると、1時間で出来る仕事を10秒で出来るような改善を行う事が多いが、それを行っても時間が出来る様子は一切ない。
ものを探していた時間が、フォルダの整理整頓、自動整列、リッチなDBを導入する事で0秒に近づいても、一切時間は出来ない。
それが人間なんだと思う。
ただ、それを繰り返していつか気づく。
ゾンビのように業務を追いかけているだけだ。と
それならまだましだ。
サーモスタッド機能のように、時間があるときはゆっくりして、時間がないときに働いているだけ。

サーモスタッド

僕は不動産屋だった。
賃貸物件の仲介が非常に多くて、3月の移動の繁忙期だけで実に一年間の3分の1の契約数を獲得するという、季節感が非常にある仕事だった。
3月にはいつも思う。
「うわー。なんでもっと効率化とか準備してなかったんだろう。来年の3月は絶対こんなことないようにしよう」
でもやっぱり、4月には3月の残務処理があって、5月にはしっかり5月病になって(笑
秋のプチ繁忙期まで少しゆったりして、年末年始ゆっくりして、2月からもう繁忙期突入。
結局、一番コーディングや業務改善、フォルダ整理や業務指示を行うのは3月というものすごい事だった。これも、不動産業を離れてから自分を棚卸するときに気づいた事を毎年行っていたのだった。
一年の3分の1をこなすということは、11か月で3分の2。その3分の2ですら、秋(10月)と2月がほとんど。9か月で三月の一か月と同じ契約件数なのに、その間はその間で、なんか知り合いの経営者を訪問したり色々してて、結局時間は9倍だけど仲介売上は一緒なのだ。

無意識

サーモスタッドがあるが全く本人は気づかない。
そんなもんなのだ。
幸いなことに不動産業では黒字だった。
その点でラッキーだったが、じゃあって、3月は確かに「うおおおお忙しい」と偉そうな顔をして自分に酔ったりしてた。じゃあ4~2月はどうかというと、それもやはり「うおー暇じゃー」とは全然言ってなかった。
実態と認識が全然違っているのではないかと思う。それは今でも一緒だ。
しかし今はおかげである程度他社からの評価や自己認識レベルが上がったので、「ゆっくりしているように思われる」事があってもなんとも思わなくなった。
むしろ、ずっと山の中腹で観察しているような。いわゆるコンサル、戦略家の型が出来たように思う。

やらないをやるとは

わざわざなぜ、やらないをやるという矛盾した言葉を使うかというと、それくらい、「なんかやってしまう」癖があるという事だ。
・そろそろ昇給のタイミングだから給料見なきゃ=2-3か月はもう担当者に任せて、後から時間出来てから見よう
・月末だからあれしなきゃ
・4日が期日って伝えたからやらなきゃ
・「社長、打合せいつにしますか?」って言われたから設定しなきゃ
・見積いかなきゃ
・請求書チェックしなきゃ
ほとんどの人が、自分が出来そうだからって自分の担当業務を残しておいて、出来ない事は余裕で全部、めちゃ雑に丸投げしてる。
それでいて悲しい決算書の数字になっているとしたら、そもそも「そんなことしとるから赤字になっとるわけですやん」としか言いようがない。
極端な話をすると、
・納税
・料金支払い
・給与払い
・納期
・申告
・ミーティング
これらすべてすら、リスケジュールしていいのではないかと思う。
どうせ赤字ならしょうもない金額だし、給与も最低賃金、ミーティングも生産性や成果につながってないから内容も伴っていないはず。
※もちろん、納税とかは普通に追徴くるから払ってね(汗

部屋の中のうんこ問題

師匠に昔、部屋の中のうんこ問題を聞いた時に僕ははっとした。

部屋の中にうんこがあります。
でもそれは僕には見えません。
「えらい臭いな」色々部屋を見渡したりお尻を確認しますが見えないから原因が分かりません。
寝ようとして布団に入ります。
でも臭くて寝れません。
寒いけど窓をあけて寝ようとします。
やはり臭くて眠れません。。。
ファブリーズを取り出して部屋中に吹きかけます。
さあ、良い匂いになったところで寝ようとする。けどすぐにまたとてつもない匂いで眠るなんてとんでもないです。
フローラルのファブリーズを吹きかけます・・・・

結局、大切なのは、信じたくないしなぜとも思いたくないけど、部屋の真ん中にうんこがある事を認めて見つけなきゃいけない。

  • 窓を開ける。

  • ファブリーズをかける

  • 匂いの原因を考える

  • 匂いがしている事を「ありえない!」と議論する

  • 被害者ぶる

  • 人のせいにする

そんなことをやっても無駄。
やらなければならないのは、見つけてチリトリで捨てる事。
セミナー講師をやっていると、「見ないように努力する」人がすごく多いと感じる。
ほぼ全ての原因は「自分」にある。自分にはなくて社員や家族・他人のこともあるけど、「自分」が認識を変えるだけで何とかなる事がほとんど。特に会社の代表であれば確実に自分次第でなんとでもなる。

見えないうんこがあった時にやること

当然だが必要なのは、「見つける」こと。
見つける事が出来たらそれだけで解決する。
色々考えはめぐるだろうが、寝ないなら寝室から場所を変えたり、1Kじゃなかったら別の部屋で寝ればいい。
とにかく現実に向き合って、「これは何か」を考える。
とにかく、見つける事が大切。見つけたら全て解決する。

やらないをやる

とにかく数字が悪い
うまくいかない
夜、うまく寝れない
将来が不安

そんなときに、「止まらない」をするのは危険。
そんなことをしていると会社は吹き飛んでしまう。そんな会社ばかりを僕は手伝っている。
「現場が回らないから現場に出る」
それはその現場の1人の人員として何かを繋げられるかもしれない。その現場の空気は少しは延命するかもしれない。
でも、そもそもなぜそうなっているのか?
そんなことしてるから、求人・教育・離職阻止が出来ないのではないか。
毎日働いている顔は出来る。しかし、そんなもんではない。原因にアクセスして、その原因を取り除かなければならない。
これは赤字黒字、実は関係ない。
この数年、もがけどもがけど業績黒字化には程遠い旅行業や旅館業の方々の方が黒字企業よりよっぽど人格・社格が上がっている事が多いとは感じる。
とにかく、立ち止まる。
しっかり見つめる。
見つめてたとえ悲観的な事でも受け止める。
それで初めて、一体何をすべきかが見つかる。
その心持をもって現場に出ているのは良いだろう。
ただ、最終的には「数字」という現実がやってくる。

第三者目線を手に入れる方法

第三者目線を持ち、しっかり現実を見る方法がある。
それは、「第三者に頼る」こと。
受け止める気になったら、社員や家族、親戚に聞いてみる。
数字も打ち明けてみる。
ほとんどの経営者の場合、数字がわかるフリをしてて実際は社員の方が数字に詳し事が多くて言えてない事がある。それも含めて相談してみる。
それが出来た企業は一気に立ち直っている。
それが出来ない場合にはコンサルを頼むことだが、コンサルをしてて言うのもなんだが、「コンサルみたいなもんの言う事聞いてる社長」は信用を失う事が多い。だから出来るだけ身内で解決するのが好ましいのではないかと思う。
経営破綻したりリスケしたり借り入れの時だけ数字に向き合うなら。
是非、いったん業務や月例タスクをストップして、しっかりと向き合ってみよう。
チリトリ一つで解決するかもしれません。

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