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京都|木曜日の昼休み、二人の御所散歩

午後、私たちはそれぞれのコーヒーを手に、御所の近くをぶらぶらと散歩した。

instagram:santokage


話題のひとつは、昼に行った店のランチが200円値上がりしたことだった。私は軽くうなずいた。美味しいものには、それだけの価値があるものだ。

それから、話題はいつの間にかコーヒーのことに移っていった。
彼はセブンで160円のアイスコーヒーを買い、私はKAWAカフェで860円のインドネシアコーヒーを手にしていた。価格の差は大きい。私たちは目を合わせて、少し笑った。

正直言うと、コーヒーの味なんて本当に謎だと思う。
京都の有名なバリスタたちはそれぞれ強いプライドを持っていて、誰一人として譲らない。
でも、人の舌もまた千差万別だ。

たとえば、彼が711のコーヒーを持って私に会いに来たとき、マスターの顔が一瞬で曇ったのを見た。
インドネシアの土のにおいが好きな人もいるが、私には何時間も口の中に残る渋みにがっかりする。だから711をほとんど飲まない私も今日のハンドドリップが勝ったとは思わない。

ピンクの花が満開の木の下で、彼はパシャパシャと私の写真を何枚か撮った。
手早く、あっという間に。
それらは、あとから振り返ってみれば、私の34歳最後の記録になるのかもしれない。
いつか名も知らない午後に、この瞬間を思い出すだろう。あの少し困惑させるコーヒーと、さっと曇ったあの顔とともに。

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