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国会の委員会で自分の商品やイベントの宣伝して不適切でない理由がありますか?

今日(2022年11月15日)、夕方近くになって、信じられないニュースが飛んできました。下記のニュースです。

問題の部分を抜粋します。

日本維新の会の中条きよし参院議員(76)が15日の参院文教科学委員会で質問に立ち、質問の最後に、自身の新曲とライブの予定を宣伝する一幕があった。中条氏は委員会後「不適切だった」として、議事録からの削除を申し出た。

上記URLのニュース記事から抜粋

これまで、いろんな議員がいましたが、国会で質疑の最中に自分のイベントの宣伝をするような議員は私は初めて見たような気がします。

このニュースの発信元がスポーツ報知さんだったので、もしかすると何かの間違い(切り取り等)かもしれないと、念の為、他のニュースを探しました。

すると、TBS NEW DIGさんが映像付きで配信されていました。

上記URLには動画があるので、中条きよし議員の発言内容をそのまま書き起こします。

中条議員「私の新曲がですね、えー……9月7日にですね、えー……出ております。是非お聴きになりたい方は、えー……お買い上げください。そして12月28日に、『中条きよしラストディナーショー』というのをやります!」

上記ニュースの映像から

もはや間違いないと言わざるを得ません。
報道は事実のようです。
もうため息とか言うレベルではなく、日本の国会議員の知的レベルはここまで劣化したのかと呆れ果てました。

これの何がまずいのか、私一個人の考えを述べます。

規則違反の疑い

日本の国会には、衆議院規則、参議院規則という「議院規則」があります。
中条議員は参議院議員であるため、参議院規則に縛られます。
その参議院規則には次のような記述があります。

参議院規則 第8章「会議」 第4節「発言」
第100条 発言は、すべて、議題の外に渉り、又はその範囲を超えてはならない。

参議院規則

これは「参議院で行われる会議での発言は、すべて議題の外に渡ったり、議題の範囲を超えてはならない」という意味だと認識しています。

この委員会で歌謡曲やディナーショーについて議論されていたとは到底思えません。仮にそうだとしてもご自身の商品やイベントの宣伝は、この規則から大きく逸脱すると思います。

しかも、前述のスポーツ報知の記事によれば中条議員本人がこの内容を「不適切だったら、議事録から削除したい」と言っているとのことですので、この委員会で議論されていた内容と中条議員の発言はリンクしないと思われます。

また、不適切云々の前に、委員長が規則違反であることを注意すべきではないでしょうか。

他のタレント出身議員への波及効果

これまでに、数多くのタレント出身の議員さんが現れましたが、委員会の質問の場で自分の商品とイベントの宣伝をする議員さんは初めてではないかと私は思います。

多くのタレント出身の議員さんは、当選後一議員となったからには、国のため、民のために、滅私奉公で頑張ってくれていると思っています。

そして当然ながら、国会の場は自分の商品やイベントのPRをする場ではないことは重々承知していることでしょう。

しかし、今回、中条議員はやってしまわれました。
なんと浅はかなことかと私は思いました。
また、これで「これだからタレント議員は……」と変なレッテルを貼られる可能性もあります。

真面目に頑張っているタレント出身議員が哀れに思えてなりません。

国の最高機関の場を宣伝の場に貶めた

国会とはなんでしょう?
日本国憲法41条には「国会とは国権の最高機関であつて、国の唯一の立法機関」と定められています。

その最高機関の場で、議員個人の商品とイベントの宣伝をしていいはずがありません。

このことについて中条議員は

「まずかったのであれば、取り下げないといけない」

TBS NEWS DIG

と仰っていますが、そういう発言をすることがまた信じられません。

「あれば」ってなんですか?
自分自身としてはまずいとは思っていないということの表れですよね。

国会は国の行く末や社会に関することを決める場です。
それを中条議員は自分の商品とイベントのPRの場に貶めたのだと思っています。なんとも悲しく残念なことです。

そしてご自身がまずいと思っていないことに、もう立ち上がれないくらいに悲しくなっている自分がいます。

私は一国民として、このことは絶対に許すことはできないと思っています。
今更謝罪しても、仮に議事録から削除されても、決して許されることではありません。ただの失言とはレベルが違います。国会そのものの品位を貶めたのですから。

有権者の審判を受けるべきなのでは

中条議員が国会の場でなく、議事堂の廊下や立ち話とかで世間話的にこの話をするならいくらでもいいと思います。

しかし、ご自身が国会を構成する参議院の一議員で、なおかつ委員会の議場の質問する立場で宣伝とか、理解不能です。

中条議員は日本国憲法41条を理解されていないか、それとも国会を軽んじているのかのいずれか、もしくはその両方ではないかと思いました。

また、この件について政党である「日本維新の会」も何のコメントも出していないようです。

人間社会には秩序があります。その秩序は法によって保たれます。
そしてその法の頂点にあるのが憲法です。そして日本国と日本国民全体の益となることを率先して引っ張っていくのが国会議員の主命であると思っています。

法や秩序を軽視するような人間を国民の代表である議員として私は見ることができません。

しかし、中条議員は有権者の負託を受けて議員になられました。
であれば、今一度、その審判を受ける必要があるのではないでしょうか。


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