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ニトリの社長は熱かった〜JNB全国大会講演録〜

先日、所属している経営者団体のイベントで、こんな会がありまして参加してきました。

イベントの目玉は、家具ニトリ創業者であられる、似鳥社長の講演でしたが、さすが一代であれだけの大企業を築き上げられた方ですから、大変勉強になりました。

私自身、肝に銘じる部分が多かったのですが、備忘録的にこちらにもまとめておきたいと思います。


ニトリについて

最初に会社の説明があったのですが、驚くべきはその業績の伸び。32年連続で増収増益だそうです。現在の売上は6,000億円を超える規模。

売上が上がるだけじゃなくて、利益も上がる。だから増収増益。
2年続けて上げるだけでも大変だなと日々感じているのですが、32年ですから、もう想像もつきません。

ニトリの位置づけは製造小売業という考え方とのことで、製造・開発・物流・小売など、複合的な業態だということ。ニトリって、だいたいがオリジナル製品ですから、メーカーとしての側面も持っているんですね。

もともとは大半が仕入れて販売という形式だったらしいのですが、いまは9割が自社開発・自社輸入なんだとか。

いまや600店舗に迫る勢いのニトリですが、最初の100店舗を出店するのに36年かかり、次の200店舗までは6年と、途中から加速度的に成長をしていったそうです。その成功のカギは、業務の仕組み化だったそうなんですが、それにしたってすごいですね。

今後の日本経済の見通し

似鳥社長は今後の日本経済の見通しについて、具体的な経済データを示しながら語っておられました。経済データを見ると、家計で自由に使えるお金は確実に右肩下がりになっており、どうしても全体的に節約傾向となってきています。

この先を見通すと、あまり良くないというのが似鳥社長のご意見です。

こういった状況で大切なことは、「目先に囚われずに、将来を見通して対策とたてること」だそうです。特に2022年からは低成長の時代にはいると似鳥社長は見ており、2022年ですから、そういった状況はまもなくやってくるわけです。


では、私達がこのように将来を見通すためにはどうしたらいいのか。

参考になるのがアメリカだそうです。アメリカは常に世界経済の先頭を動いており、アメリカで起こったことは約10年後に日本で起こるということが非常に多いのだとか。先を見通すには、アメリカの動向を見ることが大切なんだそうです。

私はウェブマーケティングの世界に身をおいていますが、いまアメリカでは何が起こっているんだろう。ちょっと収集してみようかな・・。


日本の小売業界について

人口減が始まっている日本ですが、そこから考えると、現在の小売の店舗は、多すぎると似鳥社長は考えておられました。

実際、店舗数は現象に転じているという報道もなされております。

EC業界が伸びている状況もありますから、実店舗が右肩上がりに伸びていくというは確かに考えにくいですよね。

ニトリではこうした状況をふまえ、「お客様の買いやすさを実現する」という点に重きを置いているとのこと。

ニトリはECにも力を入れておりますし、最近では、このようなリリースを行っています。

これは、ほしい画像をアップロードするだけで、ニトリの商品を検索できるという機能をリリースした、というものです。

こういった工夫をオンライン・オフライン双方で非常に力を入れていて「買い物をしやすくする」という似鳥社長の言葉通りの施策をしていますね。

これからの対策

さて、こういった景気減速・経済縮小のときにどうしたらいいのか。その答え場、「景気減速を前提とした備えをすること」だそうです。

たとえばニトリでは、景気がいいときは投資を控えめに、景気が悪化すると投資額を景気がいいときに2〜3倍にするそうです。景気が悪くなると様々ん企業が淘汰されるため、そういった逆境時は大きなチャンスなんだとか。

景気が終わるときこそ勝負の時、とおっしゃっておられました。

ニトリの人材戦略・人材育成

今回の講演では人材育成や人材戦略についてかなりの時間を割いて講演をされておりました。

ニトリでは新卒採用をかなり重視していて、長期的な視野で見て育成をしているようです。

育成の際に大切にしているのは「自分のために働こう」というメッセージなのだとか。いまは時代的にも「会社のために」というメッセージはあまり伝わらないそうです。たしかに、会社に奉仕せよ、っていうメッセージはあまり響かないですよね。。。。

自らを成長させるために、しっかり働こう、ということですね。


経営戦略

トップの役割とは何か。それは、20年以上先の未来を見通し、そこから逆算して10年先の情勢を予見。それに対応した経営方針を建てることであると、おっしゃっておられたのが、非常に記憶に残りました。

そのためには、将来から逆算して、最終的にはウィークリーで何をするべきかを分解し、いますべきことを明確にする必要があります。

また、経営はとにかく「数字で語る」ことが大事なんだとか。どんな会話も、必ず数字をいれて会話するというのが、社内のルールなんだそうです。


実は似鳥社長、当初の予定を大幅にオーバーして講演を行ってくださいまして、大変にためになったのですが、書ききれない・・・。

とりあえず、エッセンスはこんなところです。書ききれなかったことは、また機会があれば・・・。




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