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社員の離職を防ぐ3つの施策

優秀な社員を採用したいと考える会社は多いと思いますが、意外とみなさんがやってないなと思うのが、社員の離職率を下げる(=定着率を上げる)試みです。

「釣った魚に餌をやらない」といいますか、採用するまでは熱心なのに採用したら何もしない、というような会社が見ていると多いなと言う印象です。


今いる社員の能力を高め、生産性を上げることは、会社全体に有益なことは間違いないですし、社員にとっても自身が成長するわけですから嬉しいことです。

たまに「うちはベンチャーだから社員の入れ替えが発生するのは仕方ないんよね」という方も居ますが、ベンチャーだからこそ優秀な人はしっかりと定着してもらわなければならないですし、成長しているベンチャーは中核の人材がどこもしっかり定着しています。


社員が成長するためには、多くの経験を積ませつつ、成長の場となるようなチャンスを与えることだと私は思っていますが、なにはともあれ社員が一定期間社内にいないとそれは実現しません。

つまり「入社してもすぐに社員がバンバンやめちゃう」という状況だと社員は成長する前に辞めてしまいますし、新たに採用するにもコストがかかるのでいいことないじゃん、ということになります。

その場合「社員の離職率を下げる」言い換えれば「定着率を上げる」ということが重要となってきます。

私の事業では、営業部門やマーケティング部門の方とお話することが多いのですが、営業やマーケティングの領域はそれを担う人材の「能力」や「経験」が結構重要だったりするので、戦略やらIT活用やらを支援すると同時に「人材育成・人材定着化」の施策についてアドバイスさせていただくことも多々あります。

今回はそういった離職率を下げるためにとるべき3つの施策について解説したいと思います。


社員の離職は損失であるという前提を掲げる

社員の定着率を上げるに当たり、まずするべきなのは「社員の離職(特に優秀な社員)は、損失である」という認識を社内に掲げることが重要です。

社員を採用するには、採用の媒体に掲載するだけでも何十万もかかりますし、人材紹介なんて利用しようものなら最初から100万円以上かかることも珍しく有りません。

こちらに退職者が出たときの損失額について考察した記事がありましたのでご紹介します。

コチラの記事によれば、年収300万円の人が退職した場合の損失は662万円です。

どんな優秀な人材であっても、最初は誰かしら仕事を教えなければならないため、そのための時間というコストもかかります。見えないコストも結構あるわけです。


退職者が出るということは、会社に損失が出るということとイコールです。この概念をまず社内に浸透させる必要があります。「従業員を大切にする」といった概念を企業理念に掲げることはもちろん、離職者は企業にとって損失であり、離職者が相次ぐ状況は避けるべきであると社内に告知しましょう。

続く施策も、この前提がないとうまくいきません。



離職希望者と面談を行う

離職者を減らすためのやるべき施策として2つ目に行うのが「離職者への面談」です。退職希望者への面談は以下の2つの理由で行います。

①離職の阻止
②離職理由の把握

①についてですが、退職希望者の中にはすで転職先が決まっていて決意は固いという人もいますが、「まだ迷っている」という人も中にはいます。

離職理由や面談する人のコミュニケーションスキルにもよりますが、離職者面談で20〜40%くらい離職を食い止めることができます。面談をしても辞めちゃう人がいるのは残念ではありますが、一部でも食い止められれば大きなメリットです。

②についてですが、退職希望者には退職理由を存分に述べてもらうと良いです。
退職理由はそのまま組織の課題を現している場合が多く、それ自体が有益な情報ですし、その内容を改善すれば退職希望者が翻意してくれる可能性もあります。


ちなみに退職希望者との面談は、面談する人が結構重要でして、ここを間違えると退職の決意をより固めてしまうという逆効果にもなりかねません。

退職希望者に対する面談者の設定は慎重に・・・。



人事評価と連動させる

意外と多くの企業でやってないのは「離職者が出たときの上司への評価連動」です。ぶっちゃけこれをやらないと、離職者は減りません。

退職者が相次ぐチームや部署は、言い換えれば「人材育成」が出来ていないということを意味しています。

上司は部下とともに会社で求められているミッションを果たすことが必要ですが、同時に次世代の人材を育成することも義務の一つです。

人材育成が苦手なリーダーは、リーダーとして不十分・もしくは不適格と言わざるを得ません。当然こういった結果は本人の人材評価にも反映されるべきなのです。今この瞬間、良い成果を出すだけでは駄目なのです。


私が以前関わった会社のあるチームでは離職者が相次ぐ状況でしたが、あるときリーダー陣を集めて「今後、自分の部下が退職した場合は、君たちの評価に直結するようになるから心しておくように」と通告しました。

その一年後に離職率が1/3に減少しました。
リーダーたちが人材育成・定着を自分ごととして捉えたからです。


まとめ

いまだに、「やめるやつはやめればいい」とか「去る人追わず」のスタンスの会社が多いですが、不景気の時代で労働人口がバンバン増えている時代ならいざしらず、いまの日本は人口減少社会です。

優秀な人材はおろか、人手を取り合う時代ですので、仲間に長くチームにいてもらい、多くの経験経てスキルを高めてもらうのは、企業が生き残っていくためにとても重要な施策です。



是非多くの企業が、離職者を減らすための試みをしてほしいなと思います。


ちなみに離職率が高くなるのは「採用」か「人材育成」のどちらかに課題がある場合ですので、今回は後者の「人材育成」に課題がある前提で話を進めました。

採用の話はまた別の機会に。



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