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エレファントカシマシの歴史 Vol.19 『俺の全てをお前に捧げよう、これからもよろしくな。』

ユニバーサル移籍後第一弾のアルバム。そして、エレファントカシマシの代表曲『俺たちの明日』が収録されているアルバム『STARTING OVER』は下記のリンクから。ぜひご覧ください。

ユニバーサル移籍後初のアルバムは大成功であった。『今宵の月のように』をリリースしたあの頃のように再びエレファントカシマシは世間から大きく注目された。そして次のアルバムは一体どんな名曲が飛び出すのか、エレカシファン及び音楽ファンはウズウズしていた。そして登場したのが我々の期待を大きく上回る愛のアルバム『昇れる太陽』である。収録曲のほとんどからまるで春のそよ風、きらびやかな街並みが感じ取れる。エレカシはさらに愛しくそして力強い進化を遂げたのである。アルバムは2009年4月29日発売。オリコン最高チャートは第3位。シングルは3枚。2003年3月5日、『桜の花、舞い上がる道を/それを愛と呼ぶとしよう』同年10月1日『新しい季節へキミと/It's my life』2009年3月18日『絆/桜の花、舞い上がる道を』発売。『絆』のシングルは初回限定版に『桜の花、舞い上がる道を(-花びら- Piano ver.』通常盤に『桜の花、舞い上がる道を(-幹- Strings ver.)』が収録されている。

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1.Sky is blue

痺れるような音のスライドギターから本アルバムは開幕する。シャープでハイトーンボイスの宮本の歌い方がカッコ良い。まるでヒップホップの様に歌い上げるのがまた格好良い。

2.新しい季節へキミと

ストリングスも入って豪華な曲。春夏秋冬全てを体験できる様な美しい曲調と目の前には変わり続ける東京のきらびやかな街並みが映る。男らしい歌い方であるがしっかりと歌詞がリスナーの耳に入ってきて勇気付けられる。

3.絆

エレファントカシマシの歴史上初めて映画で起用された。大人のバラードである。宮本の優しい子歌声と哀愁溢れる曲調が泣かせにくる。最後部分の宮本のラップは後の次のアルバムの名曲『明日への記憶』の最後部分にも通ずるものがある。

4.ハナウタ〜遠い昔からの物語〜

素晴らしい曲である。最高のポップロック。聴きやすく又ふかい歌詞である。あらゆる感情や情景が巧みな比喩で表現されている。恐るべし宮本浩次。こんな曲も作れるとは流石である。ウニバーサル期のエレカシは曲調がガラッと変化するCメロが特に美しい。

5.あの風のように

街をそして自然を通り抜けている風ぜを感じる事が出来る。目に見えない自然現象たる”風”を同じく目に見えない”音楽”で巧みに表現している。『使いふるし擦り切れてる昔馴染みの悩み事ほっとけよ新しい太陽が昇り来るぜ』という歌詞に心臓を射抜かれる。

6.おかみさん

十年近くの構想を経て完成させた楽曲である。エレカシ史上初のSFソング。打ち込みの格好良いハードロック。バンドサウンドとしても完成されている。石君のギターソロが痺れるほど格好良い。

7.It's my life

最高のドライブソング。真夜中の東京の街を宮本がポルシェに乗って走り続けている様が目に浮かぶ。環状線そして首都高ドライブ。きらびやかな都会の夜景と茫漠と広がる東京湾。『ああ、バッグミラーに写っている眩い都会の夜景と浮かぶ東京タワー』という歌詞部分のCメロとても良い。

8.ジョニーの彷徨

『Sky is blue』や『おかみさん』と同系統のハードロックである。宮本の少しクセのある歌声が本曲の魅力である。宮本が英語で蛇性している部分も良い。

9.ネヴァーエンディングストーリー

隠れた大名曲。背中を強く押してくれるような曲である。サビ部分の徐々に音程が上り行くのがなんとも格好良い。『やがて目覚める世界を待つ夜の沈黙に浮かぶ都会の星は点滅するビルの光よりはかなくて』という歌詞は特に気に入っている。

10.to you

しなやかな春の風を感じるような曲である。最後のサビで宮本の声をわざと掠れさせながら歌う歌唱法が格好よく男らしい。魂を感じる。

11.桜の花、舞い上がる道を

本曲はエレファントカシマシの代表曲の一つである。『上野の山』で「花見なんぞのどこが良い」と言って背を向けていたあの頃を回想している。感動的である。人間一人一人の一生を表現した壮大な曲である。舞い落ちるではなく舞い上がるという表現が宮本が如何に自然を美しく見ようとしているかが分かる。宮本が歌唱力の高さがこの曲から感じ得る事ができる。

一聴した後目の前に映る何気ない日常の風景が非常に豊かなにそして掛け替えのないような景色に見える。そんなアルバムである。ユニバーサル期のエレカシは非常に大衆に届きやすくそれでいてエレカシの良さを保っているバランスを取れた曲が多い。このアルアムの曲の多くもそうである。あなたの宝物になる曲がきっと見つかる。

さて次回はエレファントカシマシの暗黒と光明が共存している不思議にして強烈なアルバム『悪魔のささやき〜そして、心に火を灯す旅〜』の紹介です。ご期待下さい。


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