剣岳西面、気象判断を活かした山行(要約)
学習院大学山岳部 昭和34年卒 右川清夫
昭和33年3月、 学習院大学山岳部は剣岳西面での合宿を計画。 気象係は新聞天気図を活用し、 気象庁のお天気相談所に訪問。 合宿一週間前から天気周期や天気予報等の情報を収集していた。 登山中の天候判断には携帯ラジオと観測器具を使用し、 天気図と経験を組み合わせて判断した。
この剣岳西面合宿では、 分散パーティーで早月尾根隊と赤谷尾根隊に分かれ、 それぞれのアタックおよびサポートを計画。 気象係が各隊に配置され、 天気図を活用した情報収集が行われた。
3月2日の入山から、 赤谷尾根隊・早月尾根隊に分かれた行動と気象の詳細をすべて記した。
馬場島からそれぞれの隊の登攀は成功。 天気の変化を把握して計画を進めた。 3月15日・16日には八峰をⅠⅡのコルから八峰の頭までの積雪期の縦走を完遂した。
3月19日に馬場島に下山して合宿は成功に終わった。
登攀は特に積雪期の剣岳独特の雪庇や気候の変化で厳しい状況にあったが、 登山中の安全な行動を決定する上で「気象判断」がとても重要であった。
また、 「気象判断」での天気図の読み取りや、 天候の急変等、気象の予測は常に難しいが、 その中でメンバー同士の連携とサポートがとても重要であると感じた。
積雪期特有の天候の変化が、 登山計画に大きな影響を与えた。 特に気象の「急変」に対する臨機応変な対応が重要である。
「結果と反省」
1.安全な判断の重要性
気象判断の誤りがなかったことが、 チームの安全に寄与した。 登山中の気象条件の変化に正しく対応することは、 事故を回避するために不可欠。
2.雪庇に対する注意
登山中にガスがかかる際、 雪庇のつき方だけを頼りにすることの危険性あり。 雪庇の踏み抜きにも十分な注意が必要であることがとても重要。
3.風の影響
15時ごろに風が強まり、行動が制限された。 風の状況が登山の安全性に与える影響が大きい。
4.天気図の利用
パーティーは天気図をうまく利用して、 悪天候で有名な剣岳西面での行動が成功した。 これは将来の合宿において天気図の重要性を示す良い事例。
5.判断力の向上
パーティーはまだまだ判断が甘い部分があると考える。 具体的な例として低気圧の発達速度が予想よりも早かった場面があった。 これを踏まえて、 今後の活動での判断の向上が期待される。
全体的に、 安全な登山のために気象判断や様々な要因への注意が必要、 今後の登山に向けた学びや改善点を記しています。
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