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退職の意思を伝えた日

私にとって、
人生の中の1つの転機になるであろう、
今日2022年9月12日のことを、
ここに残しておこうと思う。

AM9:00

消防点検訪問のインターホンの音で起きた。
頭がひどく重かった。

ぐらぐらする視界のなかで、
壁に手をつきながらやっとの思いで玄関にたどり着き、
点検のお兄さんを部屋に入れた。
あの時の自分は酷い顔だったと思う。

その後二度寝で体を休めようとしたが、
頭の脈打つ痛みと酩酊感のある気分の悪さで、
寝ることはできなかった。

PM14:00

「あぁ、そろそろ病院にいかなくては」
なんとか体を起き上がらせ、通院の支度をする。

1時間かけて身支度を整える。
1時間かけても、寝癖を整えてワンピースに着替えるのが精一杯だった。
薬手帳、保険証・診察券入れ、手当申請書類をまとめたカバンの中身を再確認し、家を出る。

PM15:30

最寄りのバス停から病院に向かう。
バス停は家から5分のところにある。
電車の駅は15分。
片道15分を歩く体力もなかった。

バスに乗っている間に、
前回通院日からの症状の変化を
スマホのメモにまとめる。

ここ最近、自分のことを話そうとすると、
声が詰まってしまい、知らぬ間に涙がこぼれ、
頭が真っ白になってしまう。

だからこうして、他人に何かを伝える時、
簡単にメモを作るクセができた。
最近できたクセだ。

PM16:00

かかりつけの先生に最近の症状を相談。
当初の復職予定日である9月中旬に、
体の回復が追いついていないことを伝え、
休職期間延長の相談をした。

そして、体調面や精神面、
1人暮らしでの金銭的な負担についても相談し、
退職の意思を持っていることを伝えた。

休職延長のための診断書をもらい、診察を終えた。

PM18:00

通院ついでに1週間分の食料の買い出しをして帰宅。

まず、会社の総務に診断書のPDFを送った。
以前から相談に乗ってくれていた総務の女性に、
退職の意思があることを同時に伝えた。

次に上司。
休職期間延長の報告。
そして、退職の相談のために
「お話したいことがあります、今週お時間いただけますか?」と連絡。

入社してから1番お世話になっていたであろう上司。
LINEも交換していたため、LINEでも体調を心配する連絡がきた。
意を決して、退職の意思を決断理由とともに伝えた。

退職理由
①精神面
日常生活に支障のある症状があり、頼れる相手がいる実家でしっかり療養がしたい。
手が震えて料理中包丁を落としてしまったり、寝込んで起き上がれなくなったり、1人暮らしが難しい状況である。
②金銭面
傷病手当金のみでは、通院しながら1人暮らしの生活を続けるのが厳しい。
すでに両親からお金の手助けを受けている状況である。
③体調面
会社復帰できる見込みがない。
先日友人付き添いのもと、復職に備えて半日外出してみたが、6時間程度の活動が限界。帰宅後、激しい眩暈と吐き気で寝込んでしまう状況である。

上司は「サノさんのベストな決断を応援する」と言ってくれた。

入社当時から同じ上司のもとで働いてきた。
社会人としてのマナーと経験も、
建築設計の知識と経験も、
ほぼ全てその上司から学ばせてもらった。

教わった恩を、私は仕事で返すことができただろうか。

申し訳なさと悔しさ、悲しさが混ざった感情が溢れ、
メールを打ちながら涙が出た。

PM20:00

父から不在着信と「体調どう?」と連絡が入っていた。
この時すでに気持ちがぐちゃぐちゃで、
うまく話せる自信がなかった。

「1人暮らしを続けられる状況じゃなくなってきたから、10月末に退職してそっちに戻る。気持ちが落ち着くまで電話はしたくない、何かあれば自分から連絡する」
それだけ伝えた。これが精一杯だった。

電話したくない、という言葉に父がショックを受けるのではと思い、母に同じ内容を伝えた上で、父へのフォローをお願いした。

母は「勇気のある決断だったね、落ち着いたらまた連絡して」とそれだけ言ってくれた。
『お母さん』って、どうしてこうも欲しい言葉を的中させてくるんだろうか。
今度は安心感でまた泣いた。

PM21:00

彼氏にも両親と同じことを伝えた。
彼には退職以外の不安も話した。

中学卒業と同時に、私は実家を出た。
高専では5年間寮生活を送り、
高専を卒業してすぐ上京して1人暮らし。

家族と1ヶ月以上一緒に過ごすのは中学生ぶりだ。
中学卒業後の家族と過ごす時間といえば、
寮生活時代は夏休みや冬休みなどの長期休み、
上京してからはお盆か正月休みだけ。

中学を卒業してからの8年間、
ずっと実家の外で暮らしてきた。

15歳から23歳、
この8年間は私にとって15歳までの時間より濃い。

今、ある程度大人になってから、
数ヶ月家族と過ごすことに不安を感じていた。
「どこまで甘えていいのか」
「イライラして当たってしまわないか」
「喧嘩したら仲直りできるか」

電話越しで泣きながら話す、私の支離滅裂な話を、
彼はただ「うんうん」と聞いてくれた。

「こんな話をして、暗い言葉ばっかりでごめんね」
と話すと、
「話を聞くために電話したから」
と少し笑った声で答えてくれた。
私は何度彼の言葉に救われてきただろうか。
今日も彼のほどよい優しさで気持ちが和らいだ。

AM3:00

日付が変わる前より、幾分か気持ちが落ち着いた。
彼がスプラトゥーン3を買った、と言うので、
私もその場で即購入しダウンロードした。

彼と電話を繋ぎながらスプラトゥーンをした。
AM3:00まで。

彼とは付き合って4年半になるが、
最初の1年間は遠距離だった。
お互い学生だったこともあり、
会えない時間が辛かった。
もう二度と遠距離はごめんだと思っていた。

深夜スプラトゥーンをしながら
「デートできる回数減るね」
「ゲームデートしよう」
と会話した。

恋愛への向き合い方も少し大人になったのかな。
遠距離になることの寂しい気持ちはあっても、
「遠距離=別れ」が脳裏によぎるような不安は全くなかった。

AM5:00

そうだ、今日のことをできるだけ細かく残そう。
そう思い立って書き始めて1時間経過。

ある程度正確に書き起こせたと思う。
1つ、自分なりの大きな決断をした今日。
何となく忘れたくない。

ほぼメモのように書き殴ったnote。
心の内をさらけ出して整理したら、
すこし気持ちが落ち着いてきたようだ。

おやすみ




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