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「スティーブ・ジョブズⅡ」(ウォルター・アイザックソン[著])

最近、立て続けに二冊、とても面白い本に出会いました。
一冊は、「時間の終わりまで」(ブライアン・グリーン[著])
もう一冊は今さらですが、「スティーブ・ジョブズⅡ」(ウォルター・アイザックソン[著])です。

購入したのは10年ほど前ですが、当時の私には何が面白いのかよくわからず、Ⅰの半分ほどまで読んで断念していました。
Ⅱから読んでも面白いというような書評をたまたま見かけ、今回は、Ⅱを読んでみました。
結論として、ジョブズのカリスマ性や疾走感のある仕事ぶりに触れることができ、非常におもしろかったです。

以下、私が気に入った内容を3点ご紹介します。


1 卓越した企業を作る、仕事をする

僕は、いつまでも続く会社を作ることに情熱を燃やしてきた。すごい製品を作りたいと社員が猛烈にがんばる会社を。それ以外はすべて副次的だ。原動力は製品であって利益じゃない。

「スティーブ・ジョブズⅡ」424ページ

本書の中では、ジョブズが卓越した製品や会社を作ろうと、突き詰めていく記載が何度も見られました。
その突き詰め方はものすごいものでした。
完成間近の製品も、不完全だと思えば没にしてしまうし、不完全な仕事をする者は容赦なくこき下ろす。
(実際にそのような人が上司であってほしいとは思いませんが。)

私自身は、より良い仕事をしたいとは思っていますが、忙しくなってくると、何かいい加減なところが出てきてしまいます。
それでは、卓越した仕事をしたとはいえません。

私も、ジョブズやアップル社を見習って、卓越した仕事をし、卓越した仕事のできるチーム作りに役立ちたいと思いました。

2 スタンフォード大学卒業式スピーチ

人生を左右する分かれ道を選ぶとき、一番頼りになるのは、いつかは死ぬ身だと知っていることだと私は思います。ほとんどのことがー周囲の期待、プライド、ばつの悪い思いや失敗の恐怖などーそういうものがすべて、死に直面するとどこかに行ってしまい、本当に大事なことだけが残るからです。自分はいつか死ぬという意識があれば、何かを失うと心配する落とし穴にはまらずにすむのです。人とは脆弱なものです。自分の良心に従わない理由などありません。

「スティーブ・ジョブズⅡ」265ページ

私は、自分なりにこうありたい、こういうことを達成したいと思って仕事をしている側面もあります。
しかし、響きの良い格好良い仕事がしたい、お金を稼いで見栄を張りたい、という側面もかなりあります(恥ずかしながら)。
ですが、見栄を張るために多くの時間を費やすことは、あまり意味のないことだと感じさせられました(負け犬の遠吠えかもしれません(笑))

とにかく、自分の信念に従って、職務を全うし、人の役に立ちたいと思います。

初めて通して見ましたが、最初から最後まで心を打たれるスピーチでした。

3 テクノロジーとリベラルアーツの交差点

最後のスライドは、ジョブズが人生のテーマとし、iPadにも込めたコンセプトを示す絵だったーテクノロジー通りとリベラルアーツ通りの交差点を示す道路標識だ。

「スティーブ・ジョブズⅡ」320ページ

本書の中では、テクノロジーとリベラルアーツの交差点、という表現が何度も出てきます。
文系と理系の交差点、人文科学と自然科学の交差点などという表現がされている部分もありました。
私は、この発想がとても気に入りました。

私の仕事に当てはめると、専門知識(法律)はもちろんのこと、テクノロジーを利用した業務の効率化や新しいサービスの提供、リベラルアーツ(心理学や交渉術。直接役に立つものではないのでしょうが、歴史や哲学、芸術(格好つけましたが、全く縁がありません…)など)を深めて、より良いサービスを提供する、ということかと思います。
浅い理解ですみません(笑)


これまで、PCはウィンドウズ、スマートフォンはアンドロイドを使用してきたので、アップル社の製品を使用したことはありませんでしたが、アップル社の製品の理念やこだわりを感じることができました。

アップル社の製品に乗り換える予定はないのですが、ジョブズやアップル社を見習って、少しでも卓越した仕事をしたいと強く感じる一冊でした。
まだご覧になっていない方は、是非お読みいただくとよいかと思いました。

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