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ぺんぎん先生

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#京都

「弁護士に相談した方がいい」とはどういうことか

 そもそも弁護士に相談した方がいいというはどういった場合でしょうか。ここでは、私が皆さまからのご相談に対してその判断をお伝えする際にどのようなことを考えているか、①弁護士に解決できるお悩みか、②弁護士に依頼するメリットがあるかという2つの観点からご説明します。

1 弁護士に解決できる問題である 弁護士への依頼があなたにとって利益にならなければ依頼をする意味はありません。そのため、(1)法律では解

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レベル2になった事件

レベル2になった事件

 破れた網戸を貼り直すためにカッターを買ってきてほしい。五歳の私のはじめてのおつかいはこんなものでした。行き先はたぶん歩いて五分ぐらいの商店街。なんだか大冒険でもしているように思ったことを覚えています。

 弁護士にもはじめてのおつかいがあります。バッジを貰ったといっても、駆け出しの頃なんて書類の書き方ぐらいしかわかりません。コピー機の使い方とか、電話の取り方とか、スライムを倒すようなことから一つ

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京都に呪われた人びと

京都に呪われた人びと

 たまにいます。京都で学生時代を過ごして呪われた人。
 京都を離れて何年もたっているのに、これといった目的もなく京都に遊びに来て、これといった目的もなく街中をぶらぶらして、これといったこともせずに帰っていく。私もその一人として、呪われてるってどういうことかご説明したいんですが、そうするとディティールがぽろぽろとこぼれ落ちてしまいます。だから、「ああ、呪われてるんだな」と思った日のことをお話しします

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鴨川は出禁にならない

鴨川は出禁にならない

ある日の暮れ方のことである。一人の腐れ大学生が、デルタで酒盛りを待っていた。広い河原には、この男のほかに誰もいない。ただ、所々草の枯れた小さな中州に、ヌートリアが一匹泳いでいる。なお、このヌートリアは後日、鍋の具として私の胃に落ちる。

腐れ大学生は試験帰りである。教授があまりにも容赦なく、たまらず友人らと不遇をかこちにきたのだった。我々はとりあえず問題用紙をくしゃくしゃに丸めた。侃侃諤諤の議論は

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