2023 立夏 竹笋生(たけのこしょうず)
※このnoteは、裏千家茶道のお稽古のキロクです。と言っても、お点前の手順は口伝なのでもちろん詳細に記すのは御法度。なので、お稽古をしながら感じたことをつらつらと書き残しています。
5月も半ば。今日は最高気温が20度にもとどかなかったというのに、週の半ばには30度を超える予報だとか。そろそろ本格的に衣替えをしようかな……なんて考えながらお稽古に行く電車の中で今日の季語を調べていたら「立夏」と記されていた。
もう、夏がやってくるのか。そういえば、GWの帰省の際に撮影した東京駅の風景はもう夏の色をしていたっけね。写真って、季節ごとにちゃんと夏っぽい色になったり冬っぽい色になったりするからおもしろい。
そして、お茶の世界でも5月からは夏のお稽古が始まった。
お湯を沸かすお釜が、冬の間ずっと部屋の真ん中でグツグツお湯を沸かしていた炉から、風炉へ。
冬はお部屋を暖かくしてお客様をもてなし、夏はお湯や水の流れる音を見て涼しい気持ちになってもらう。それぞれの季節ごとに、お茶に求められる役割は少しずつ変わってくる。
もちろん、お道具の使い方や作法も冬と夏ではガラリと変わる。だから、お稽古が始まる直前まで「今日はちゃんと動けるかしら」とドキドキしながら席入りした。
先生もこの日はわたしがイチから準備できるように、裏のお水屋から全て何も手をつけない状態で用意してくださっていた。だから、お稽古着を着てお水屋に入ったその瞬間から記憶を頼りに道具の用意を始める。
頭で考えると「次なんだったっけ……」と不自然に動きが止まってしまうけれども、いざお茶を点て始めると、お湯やお水を汲む柄杓の扱いも頭で考えるより先に手先がひょいと動いてくれて。
もちろん感覚だけで動いてしまうと綺麗な所作ではないけれども、ひょいと動いた手先を改めて俯瞰すると「ここは、合を平にしよう」とか「もう少し上から水の流れを感じよう」とか、今までの夏にお稽古したことたちがぐるんぐるんと脳裏をよぎる。
身体が先に動いて、次に意識が追いついて……
そのタイミングがまだまだ定まらないので、先生から先に声を掛けられることもたくさんあったけれども、昨年、一昨年、先一昨年……と積み重ねてきたことたちがわたしを助けてくれたような、そんな気がした。
久しぶりに吸ったお濃茶は、とにかく甘くてまろやかで。思わず「はぁぁ、美味しい」とため息をついては、先生に笑われてしまった。
今日もお菓子は甘くて、お茶はまろやかで、とても気持ちの良い風炉のお稽古はじめでした。
「この夏も、お茶会をしましょう」と先生がワクワクしていたので、次回からはまたお茶会に向けたお稽古がスタートするらしい。わくわく。楽しみだなぁ。
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