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【1st position】経験10年、ブランク15年のバレエの思い出。

数年前から、運動不足についての自覚はあった。

がしかし、いざ運動をしてみようにも、家の周りを走っては軽い肉離れを起こし、筋トレをやろうにもその基礎がなっていないからトレーニングできている感じはしないし、そもそも好き好んで運動なんかしたくない。一日中ベッドの上でダラダラと過ごしていたい。という始末でてんで進まず、電車やバスに乗れば動きに耐えられずに体がフラフラするし、座れば猫背、体力はなくてすぐに疲れる。

流石に日常生活を送っていく中で困ることがちょっとずつ増えてきたことについては「マズイ」と感じるようになったわたしは、これなら!とバレエを始めた。

数ある運動の中でバレエを始めたのは、わたしが今までやってきた運動の中で一番好きだったから。そう。実は、3歳から12歳までの約10年間週に2回のバレエ教室に通っていた。

特別体が柔らかかったとかバレリーナになりたかったとかそういうのではなく、母が小さい頃習っていたバレエ教室だったから、娘にも経験させてあげようとそれくらいの感覚で始めた習い事。どちらかといえば技術はなかったし最後までめちゃくちゃ体が柔らかかったわけでもなかったけれど、週に2回教室に通うことがとにかく楽しかったという記憶がある。

まず、バレエ教室には幼なじみがたくさんいた。幼稚園の頃に始めたこと、わたし自身国立小学校に進学したこともあって、週に2回、学校とは違う昔から家族ぐるみで仲の良い集団があったことは、わたしの心の拠り所だった。学校であった嫌なことを引きずってくる子はいないし、大喧嘩をしても最後にはちゃんと仲直りできる。そういう信頼できるサードプレイス的な存在だったのだと思う。

それから、バレエ以上に日常的な礼儀についてたくさん教えてもらった。先生がとにかく厳しい人で(母が通っていた頃は陰で「オニ」と呼ばれていたらしい)、ちょっとでもずるいことをしようがもんなら、とにかく叱られる。マジで怖い。挨拶をしないとか掃除をサボるとか横入りをするとか、そんなことをしたら叱責がとんでくる。

でも、それらは感情に任せたものではなく、後からひとつひとつなんであのとき叱ったのかを丁寧にお話ししてくれる。そして、先生の勘違いだったときには、心から謝ってくれる。後にも先にも、子ども相手にあんなに丁寧に頭を下げる大人は見た事がない

そしてなにより、わたしは音に合わせて踊ること、表現する事がとにかく大好きだった。「感性はsanmariがピカイチよ」と、得意な動きや創作で踊るときには必ずセンターや目立つポジションにつけてもらっていたと思う。それはわたし以外でも同じで、その子が一番輝けるタイミングでセンターやソロを入れる振り付けをしてくれる先生だった。だからわたしたちも、友達のすごいところを素直にすごいと認めていたし、自分の強みへのちょっとした自信ももっていた。

バレエというよりは、基礎的な体の動かし方や生きていく上で必要な礼儀や自己肯定感や他者を認める気持ちのような人間的な部分をたくさん育ててもらったバレエ。

もちろん技術的な面でもわりと厳しめなレッスンだったので、今でもどんな運動よりボディーイメージがもちやすい。久しぶりに行った体験レッスンでも。先生の動きを見て「わたしもあんなかっこいい足の形を出したい!」と思ったり、意識的に動かしたはずの筋肉が筋肉痛になってかえってきたりしていて、これなら「運動しなきゃ」じゃなくて「バレエしたい!」という気持ちで体を動かせるような気がしたので、ちょっくら再開することに。

習っていた期間約10年に対して、ブランクが約15年。ブランクの方が長くてもはや初心者なのですが、楽しく「バレエを」して行けたらいいな。願わくば、体幹と綺麗な姿勢とそれなりの体力をば。


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