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月が泣くとき

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書き溜めた詩を まとめています。
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2023年12月の記事一覧

無題

笑いながら
曇り空に 針葉樹の枯れ木の枝を
ぽいっと
放り投げて遊んだ

あの人は
だれだったろう
幼い記憶

冬が やってくる前の
きちんとした 秋のにおい

わたしを
確実に 幸せにする 記憶
#詩 #詩を書く#詩作#ポエム

日曜日の午後の憂鬱

憂鬱な 日曜日の午後に
耽るもの思いは
どこに流れてゆくのだろう

どんよりとした曇り空の果てに押しやるように
はやく この憂鬱を 
消し去りたい

単純でいいのに
簡単でいいのに

意味を見出そうとするから
がんじがらめになってしまう

こんな憂鬱な日曜日の午後
#詩 #詩を書く#詩作#ポエム

焦り

自分の見た風景が
においが
身体にしみわたって
自分の
血肉になりしとき

わたしは
生きる喜びを
今こそかみしめなければ
と 焦る
#詩 #詩を書く#ポエム

廃墟

いましがた 
誰も近寄らない 学校のプールに

冷たくなった水に

つまさきだけ 浸してみて

かつては
騒々しいほどの
整列された泳ぎを
けたたましい 笛の音を

ここであっただろう事を
反芻してみる

そう昔のことではないのに
つい最近のことなのに

枯葉が一枚
浮かんでいるだけで

ここは もう 廃墟と化したんだな、と

次の夏が来るまで
なにをして 過ごそうか
#詩 #詩作#詩を書く

遠くにいる人へ

鷺色の目をしたあなたの
さりげない誠実さや

陽気さに
絶対の戒律に

わたしは
祝福をあげたい
#詩 #詩を書く#ポエム

小さい街

小さい街に
静かに暮らす

少しだけ小さいあなたは
とても優しくて

すこしだけ 小粋で
素敵な音楽を聴いていた

あなたの素敵さを
私は 今日 知った

また 逢えるよね
お互い 同じ時間を生きていれば

また 逢える
わたしは 信じている

生きて 生きて 生きて
生きて逢いたい

あなたの素敵さに気がついた
この小さい街で

生きて 生きて 生きて
生きて逢いたい
あなたには
#詩 #詩を書

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月と八重歯

うずくまる私は
もう ここから
一歩も 動けない と言う

ろくでもないねって
母が笑う

いい加減な八重歯の

違ってないのに
あろうことか ぎくりとする
夜の 明るい月
#詩 #ポエム#呟く