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エーデルワイスファーム~北広島市にあるハム・ベーコンを作る会社~
前回の記事はコチラから
株式会社エーデルワイスファーム
北海道北広島市にある会社。
株式会社エーデルワイスファーム。
高速道路・輪厚PA前にあるハム・ベーコンのお店。
千歳 ⇒ 札幌に向かう下り側のスマートIC出入口付近。
![](https://assets.st-note.com/img/1655958249681-5E8ya5ektr.png?width=800)
元々は牧場経営を営んでおり、
自分たちで楽しんでいた自家用のハムやベーコンを
ベースに商品化されたものを製造販売している会社です。
僕が生まれた頃にはすでに現在の会社があり、
牧場経営は撤退し終えた、と聞いています。
ですので、今の会社が最初からあったわけではなく、
『スローフード・スローライフ』
いわゆる自給自足、自分たちで育て作り食し生きていく。
そんな自然と共存する生き方をしていました。
今も残る会社の1つのコンセプトでもあります。
会社名の由来は登山家であった僕の曾祖父が当時憧れていた、
高所にしか咲かない高貴な花『エーデルワイス』。
そして、過去に牧場経営をしていた経歴から
『エーデルワイスファーム』と名前が出来ました。
約90年近く変わらない独自の製法
![](https://assets.st-note.com/img/1656129329093-F9Zhk1B2jN.png)
僕の祖父である会長が牧場経営をしていた時代の話。
※現在、牧場経営から撤退
当初から薪と炭火で燻製を行なう古いドイツの製法で
ハムやベーコンなどを作っていました。
北海道の厳しい冬を乗り越えること、何より冬の贅沢品として
ずっと楽しんできました。
そんなある年に、いつも通りに製作していた時に途中忘れてしまい、
寒気に包まれる中で熟成期間が予定より長期間放置してしまった。
「失敗してしまった……」
誰もがそう思えてしまうであろう最中、
会長は試しにそのまま最後まで作った。
「あれ……?いつもより美味しく感じる」
長期氷温熟成。
氷点下で長期間熟成させる。
今の現代でこそ、知れ渡った製法だが
それを自らの失敗を得て試行錯誤し辿り着く。
その長期氷温熟成(弊社では-2度で約4週間の熟成)と
薪と炭火で燻製を行なう古いドイツの製法で仕上げたのが、
今弊社で並んでいる熟成品のハムやベーコン。
焼けば焼くほどに濃厚で芳醇な脂がどんどん溶け出し、
熟成された脂身が口の中でとろけます。
一転
牧場経営を撤退し、会社設立のきっかけになったのは
とある料理人の一言であった。
「君たちだけで何でこんな美味しいものを作っているんだい?」
その言葉通りに自分たちだけで楽しんでいた味を
世に広げるため商売をはじめ、
数多くのお客様の口に運ばれていきました。
「このハムを楽しみにしていた」
「ここ以外のベーコンが食べられないわ」と
多くの方に称賛され、ここまで支えられています。
父である社長もその当時は跡取りではなく
別の職業に就きたかった、と話しています。
今までやってきた牧場経営をやめて、
この味一本でやっていけるのかという不満も。
しかし、いざ自分たちだけで楽しんでいたものが
世に出た際、こんなにもお客様に喜ばれ
何より販売している現場が楽しそうにしており、
なんだか悔しくなった、と思い返しては笑っていました。
そんな楽しそうなお二人の背中を見てきたからこそ、
僕はここまで追いかけてきたのかもしれません。
恥ずかしくて言葉にはできませんが笑
継続していく伝統
作り始めたのは僕の曾祖父母が始まり。
![](https://assets.st-note.com/img/1656129240016-7nnVXzTTOx.png)
コンビーフで知られる横浜の貿易商、野崎産業(株)創立者の五男であった
曽祖父は「山と自然と動物を愛して」の北海道大学寮歌に憧れを抱き、
北海道へ移住し、北海道大学に入学。
そこでバターやチーズ、ハムやベーコンなどの畜産加工技術を
実習しておりました。
その後、小樽祝津に「青山別邸」を築いたニシン漁網元の娘であった
曾祖母と出会い結婚。
いつしかふたりは「家族で自然の生活を楽しみながら、
本当においしいものを作って食べる暮らしをしたい」という
夢を持つようになり、十勝・広尾郡広尾村(現・広尾町)に
150ヘクタールもの原野を購入し、
当時では珍しかったトラクターを導入して原野を開墾し、
牧場経営を始めました。
それから約90年間。
家族で楽しんできた、変わらない味を作り続けています。
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