見出し画像

バルセロナの都市菜園

noteをほったらかしてから、いつのまにか一年…
今年の目標にnoteを定期的に書くことを追加しました。笑

今回はバルセロナのとある都市菜園について書こうと思います。

画像2

バルセロナって上空から見るとブロックが綺麗に並んでいるところがあるんだけど、その地区をエイシャンプラって呼ぶのね。エイシャンプラは新市街地って意味でもあるんだけど、基本的に旧市街(写真の道と建物がぐちゃぐちゃしてるところ)の外でブロックになってるところをそう呼んでる。

このエイシャンプラって、セルダっていうバルセロナの建築家が作った都市計画にしたがって建てられてるから、本来は各ブロックの中に、そのブロックに住んでいる住人専用の中庭があるはずなんだけど、人口が増えすぎて、駐車場になっちゃってたり、埋め立てられちゃってたり…

そうなると、本来みんなに均等に与えられるはずだった緑や公園が減っちゃうから、エイシャンプラで住むのって観光客も多いし、家賃も右肩上がりで緑も少ないし、結構ストレスだよねって言われるわけ。あと、ブロックがずっと続くわけだから、どこの地区も似たような雰囲気に見えちゃったりね…

そこで、一部の団体が立ち上がって、とある地区の至るところで都市菜園を作ろうってなったの。

画像2

写真:ローマ通りとバレンシア通りの境目の都市菜園

その団体の名はエスパイ ジェルマネタス (Espai Germanetes : シスターの間) 
エイシャンプラでは、空き地を手に入れることはものすごく難しい事。空き地があったとしても、ほとんどの場合は民間のディベロッパーが所有している。しかし、修道院は民間ディベロッパーじゃない。

画像3

最初、この団体について調べ始めた時、意味がわからなくて何度も読み返したよ…元の記事がカタルーニャ語だったから、わからない単語がある度google翻訳にかけてたんだけど、シスターズをそういうネーミングセンスだと思い込んでたから、全然伝わってこなかったのよね。

シスターってあのシスター。マザーテレサとかのあのシスター。
妹とか姉妹じゃなくてね。

この写真の撮影地から徒歩10分くらいのところにエマの庭園 (Jardins d'Emma) ていう中庭があって、その中庭を都市菜園にしちゃおうと立ち上がったのがエスパイ ジェルマネタスってわけ。

どうやら、このエマの庭園があるブロックが当初5,500m2の空き地で、2001年からバルセロナの大学病院をはじめ、転々と様々な民間の手に渡り最終的にバルセロナ市役所の手に渡ったりしたらしい。その時に上がっていた土地利用計画が現状とほぼ同じ内容らしいんだけど、最悪な結末を迎えたとか。どう最悪だったのか、元の記事には書いてなかったんだけど、どうやら元々空き地で、市役所が他の建設の資材を置くために使ってたらしい。そこで当初の計画では、その土地に学校、幼稚園、高齢者向けの公営住宅を建てるという案が出ていたようなんだけど、そうなると建設中空き地が資材置き場として使われ続けることになるから、最悪な結末ということっぽい。実際はもっと複雑なことになって、エスパイ ジェルマネタスの運営のもと、建設中は空き地の部分が広場そして都市菜園として利用されることになったの。

地区の本会議で15,000€で、585m2をコンセッション方式 (施設の所有権を公共側に残したまま施設の運営権を民間に付与する方式) で勝ち取ることができたらしい。いまいち、この15,000がお金なのか人なのかよくわかってない。誰か、訳して…

És en aquest moment que desperta l'embrió de Germanetes, ho fa a través d'una assemblea del barri creada en la mobilització del 15M i que acaba amb la concessió per gestionar 585 m2 del solar.

バルセロナだとよく聞く話。住民が立ち上がって組織ができるパターン。

それで立ち上がった住民のもと、エスパイ ジェルマネタスが出来たってわけ。ジェルマネタス(Germanetes )というのはカタルーニャ語でシスターという意味なんだけど、この空き地にもともと修道院が建っていたことから、そう名付けられたみたい。

そして、このエスパイ ジェルマネタスがこの土地を管理することによって、少なくともこのエリアのエイシャンプラの住民はコンクリートに征服されずに自分たちのための空間を取り戻りたと。

画像4

エスパイ ジェルマネタスとエマの庭園の最終計画の再構築:バルセロナ市役所より引用

この空き地が2001年に売りに出てから都市菜園になるまで14年の月日が経ってたんだけど、もっと驚きなのは、この都市菜園今は無いっぽいんだよね。あくまで、建設中の期間限定広場みたいな感じっぽい。今は学校と高齢者向けの公営住宅がちゃんと建ってて、グーグルストリートで確認した感じだともう無いっぽい。今コロナに感染しちゃって自宅療養中だから、治ったら一度確認してみようと思います。

結局エスパイ ジェルマネタスって何?

住民から立ち上がった民間の団体ということなのかな。
このエマの庭園を都市菜園かつその他諸々の活動拠点にしてから早9年。
この広場では、畑だけでなく、週末マーケットやコンサートなど様々な活動が行われているみたい。しかも、2019年のパンデミックの際に、この野菜たちは家から出れない高齢者に送られたらしい。食料に困っている人たちの助けにもなったり、地域住民のコミュニケーションの場になったりと、この都市菜園は多くの人々をつなぐ役割を担った。

ということで、エスパイ ジェルマネタスはまだまだ人々を繋ぐために活動中で、主にサンツ地区のあちこちに都市菜園スポットを構えているというわけんなんですね。今は他にも新しい団体ができて、みんなで協力しながら地域を盛り上げてるみたい。

画像5

画像6

まだまだ、理解できていない部分があるけど(特にお金の部分)、地元住民が立ち上がって何かを良くしようとする動きってなんかバルセロナっぽいなって思った。こういう共通意識によって出来あがった組合をバルセロナ市役所はよく支援するし、この姿勢がバルセロナをよりアクティブにしているんだろうなって思ったりした。あと、この都市菜園を通して人と人が繋がるのは勿論だけど、地区住民にとっては、淡々としたエイシャンプラに花咲くオアシスみたいな、少なくともサンツ地区の住民にとってはアイデンティティの一つになってると思う。

ただ、このカタルーニャ語の記事をここまで理解するのに6時間かかってるのはさすがにマズイな…

面白いけど、難しかったです。
カタルーニャ語がわかる方は是非こちらの元の方を読んでください…
https://www.timeout.cat/barcelona/ca/noticies/lespai-germanetes-loasi-veinal-de-lesquerra-de-leixample-091520


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?