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環境のために私が減らしていること

こんにちは、早苗です。
昨日ビスケットのパッケージの原材料欄を何気なく読むとパームオイルが使われていることに気付きました。パームオイルは食品から洗剤など暮らしの中で幅広く利用されてます。他の植物油よりも生産性が高く、価格も安いため世界中からの需要が高いパームオイル。しかし、インドネシアを始めとする生産国ではパームオイルの原料になるアブラヤシ農園を作るため、深刻な森林伐採そして野生動物の住処や命を奪う大きな問題を引き起こしています。今回はパームオイル問題について調べてnoteに綴ろうと思っていましたがWWFのサイトにわかりやすくまとめてありましたので、私は別のことを書いていきたいと思います。

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写真:イギリスで人気のMcVitieというビスケット。これをミルクティーにひたして食べると最高に美味しいのですがPalm(パームオイル)が使用されていました。。

減らすという選択
今回は私が環境のために減らしていることについてご紹介したいと思います。大量生産・消費・廃棄が当たり前の私たちの暮らしは環境や他の生物に負荷を与えずには成り立ちません。例えば、パームオイルは森林伐採、プラスチックはゴミ問題、コットンは水不足や土地劣化、魚は乱獲、肉は地球温暖化や工場畜産など何を使ってもそれぞれの課題があります。それにもかかわらず、プラスチックの代わりに生分解プラスチック、通常のパームオイルや魚などの代わりにサスティナブルブランドなど代替え品を当てて引き続き大量生産・消費・廃棄を続ける社会を不思議に思うことが多々あります。

私は、"減らしていくこと"を選択することはとても大事だと思っています。代替え品を引き続き消費するのではなく、消費自体を減らすこと。そうすることで自然の負荷を減らし、回復の時間を作ることができるのではないかと思うのです。しかし、消費を減らすことは生活スタイルを変えることであり、簡単そうで意外と難しいです(私は今でも欲との戦いを日々繰り広げています)。よって、これからご紹介する私の削減取り組みはまだまだ完璧からは程遠いですが、少しでも皆さんの気付きや発見になれば嬉しい限りです。

1. 新しい服を買う回数を減らす
ファッション業界は環境への負荷が非常に高いことで知られています(World Economic Forum, 2020)。例えばファッション業界は世界の二酸化炭素排出量の10%を占めており、これは国際線飛行機と海上輸送を合わせた量よりも多いことがわかっています。また、コットンの生産は大量の水を使用し、合成繊維はマイクロプラスチック問題を引き起こしています(European Parliment, 2021)。特にファストファッションは環境問題だけでなく途上国での労働力の搾取にも大きく関与しています。ファストファッションについての問題は「ザ ・トゥルー・コスト 」という映画が非常にわかりやすくまとめていたのでおすすめです。

よって、私は新しい服をなるべく購入しないようにしています。今持っている服をなるべく長く着ること。それが一番のエコだと疑いありません。そして減らすからは逸れますが、古着や、母や友人などから着なくなった服をもらったりと中古品を積極的に使っています。特にイギリスにはチャリティーショップというセカンドハンドを売っている店がたくさんあります。ビンテージなど掘り出し物が多いので宝探しをしているような気分を味わえます!機会があれば皆さんをイギリスチャリティーショップツアーにご案内したいくらいです🎶

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写真:祖母からのおさがりのがまぐち、ポシェット、印鑑ケース、スカーフ と母からのおさがりのネックレス。おさがりを嬉しそうにもらっていると、祖母も嬉しそうでした。大事に使いたいと思います。

2. 洗濯する回数を減らす
最近の服はポリエステルやナイロンなど合成繊維でできたものが多いこと。合成繊維でできた服は洗濯するたびに繊維が抜け落ち、その繊維が洗濯水と一緒に流れて出てやがて川や海に入ります。このような化学繊維から出る長さ5mm以下の極小繊維をマイクロファイバーと呼ばれています(Public Library of Science, 2020)。合成繊維の衣服の洗濯により、年間約50万トンのプラスチックマイクロファイバーが海に放出されていると推定されています(European Environment Agency, 2021)。そしてこのマイクロファイバーを海洋生物が誤食するなどの被害が報告されています(Misha, Rath and Das, 2019, Watts et al., 2015 )。マイクロファイバーを食べた貝や魚を人間が食べることになるのでこれは海だけの問題ではありません。また、洗濯回数を減らすことは節水や洗濯洗剤による水質汚染削減にもつながります。
また、マイクロプラスチックを心配して合繊繊維の服の代わりにコットンの服を購入するという投稿をSNSでたまに見かけますが、コットンの環境負荷は非常に高いことは忘れてはいけない点だと思います。

私は現在夫とイギリスで2人暮らしをしており、洗濯は基本1週間に2回にしています。これにより少ない量で洗濯機を回すということがなくなり、また服を汚さないよう気をつけたり、1度洗顔後に顔を拭いただけのタオルを洗濯に出すというようなことが減りました。
余談ですがイギリスの洗濯機は日本ほど機能がよくないため、一度回すと3時間くらいかかります。。音もすごく(地鳴りレベル)、洗い方も荒いのでイギリスに来てすぐのころ日本から持ってきた服を何着だめにしたことか(泣)

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写真:洗濯した日はマーカーで印をつけるようにしています。カレンダーは夫のお母さんが毎年くれるスウェーデンのカレンダー。毎年動物がテーマになっています。

3. シャンプーの回数を減らす
ヨーロッパに来て驚いたことは、ほとんどの人が髪を2-3日に1回しか洗わないといことです。理由を聞くと、毎日洗うことは髪によくないからとのこと。また、イギリス在住の日本人の方には、イギリスの水は硬水なので毎日洗うと髪が痛んでしまうとアドバイスをいただきました。その影響から、私は髪を2日1回洗うようになりました。以前は毎日洗わないと次の日には髪が油っぽくなってしまったのですが、今は次の日もさらさらです。また、シャンプーの回数を減らすことによってシャンプーやコンディショナーを節約できます。私はプラスチックパッケージゴミを減らすため固形シャンプーを使用しています。環境にはいいのですが液体シャンプーよりも値段が高いので、シャンプーの回数を減らすことで固形シャンプーを選び続けられるという点、そしてシャンプーによる水質汚染削減の点でも環境にいいと考えています。日本はイギリスよりも暑いので毎日シャンプーしたくなりますが、1日中家にいる予定のときなどぜひ試してみてください!

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写真:私たちの家ではシャンプー、コンディショナー、洗顔などすべて固形タイプを使用しています。お風呂場がボトルだらけになることなく、すっきりします。

4. 肉、魚を食べる回数を減らす
私は肉も魚も食べますが、食べる回数は意識的に減らすようにしています。例えば、肉や魚は週に1-2回食べる、不必要に肉や魚を料理に入れないよう心がけています。

その理由は、畜産が環境に及ぼす影響は非常に高いからです。例えば、世界の温室効果ガス排出量の約14.5%は肉と乳製品がを占めています(FAO, 2013)。また、畜産は大量の土地を使用しており、FAOによると地球の氷のない陸面の約26パーセントが放牧に使われているそう。土地の確保のために森林伐採が行われており、その一例がブラジルのアマゾンの森林伐採です。そして何よりも、現在の畜産業界の多くが生き物をとても粗末に扱っている点も忘れてはいけません。
では、代わりに魚を食べようではないか、とは残念ながらいかないようです。魚の乱獲による海の生物多様性の喪失は実は大きな問題であり、なんと世界中の魚資源の3分の1以上が獲りすぎの状況であることが発表されています(FAO, 2020)。MSC認証など持続可能な漁業で取られた魚などを代わりに選ぶという選択肢もあります。しかし、イギリスに住んでから日本に帰国するたびに思うことは、魚があまりにも手軽に、安く手に入り過ぎることです。昨年日本に帰国したときは、道路脇に回転寿司チェーンがそこら中に立ち並び、店内では高校生たちがおやつ感覚で寿司を食べている姿を見ると海の資源は大丈夫なのだろうかと不安な気持ちになりました。日本は肉も魚も必要以上に溢れている、と多々感じます。魚が簡単に手に入る日本は、一度魚を食べる回数を見直し、減らすことが一番持続可能な方法になるのではと思っています。皆さんはどう考えますか?

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写真:2020年1月セネガルの漁業町にて。この地域に最近中国企業の魚缶詰工場ができたのだと住民の人が話していたことが印象的でした。

個人ができること、皆でできること
以上、私が環境のために減らしているとをご紹介しました。
私は環境問題を改善するために個人ができることはあると考えています。
一方で、現在読んでいるNaomi Kleinの「on fire」という本にこのような文があります。

"(簡訳)地球温暖化を止めるために個人でできることはない。大規模で組織化された世界的な運動によって、共にこの途方もない挑戦に立ち向かうことができる。”
"ライフスタイルや地域的な取り組みに注力して、法律や政策などの構造的な変化を他人任せにしてしまっている。"

一理あるなと思いました。個人でできることはあるけれど、環境問題を改善するには大人数で一斉に行う必要がある。それを一番手っ取り早く可能にすることが組織的な変化なのだと。
その大きな組織的変化を今すぐにも世界同時多発で起こしたいところですが、庶民の私には難しい。。けれど、私が環境のために減らそうとしていること、そしてその理由を綴ることによって読んでくださった方の意識を変えるきっかけになることは可能なのでは、そして大きな変化を起こす運動の際は一緒にサポートできるのではというささやかな期待を込めてこれを書いております(でもプレッシャーは感じないでくださいね笑)。

環境のために個人ができることを、全員で実施する社会。
そんな社会を実現するため、個人でできることを止めない、あきらめない。
私の"減らす"はこれからも続きます🎶

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写真:イギリス ハイドパークのゴミ箱には皆にゴミを減らそうと呼びかけるサインが。皆をアクションに巻き込む活動がイギリスでは至る所で見られます!

END