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塔の岳大倉ピストン~11月10日(日)

僕は山育ちで都会に憧れていたし、本の虫でもあったから、わざわざ田舎まで来て危険な山に登るヤツはバカだと長らく思っていた。
それがここ3~4年のうちに、毎週何処かの山に登るようになったのだから、人生とは不思議なものである。

毎週登るようになると、

コンクリートジャングルに疲れた戦士が癒される場所

という感覚はない。そういうのは多分数ヶ月に一度アウトドアすれば満たされると思う。

じゃあなんで「山遊び」しているかというと、「健康」を意識してのことだ。
ただ、効率を考えると、交通費払って遠くまで移動しているわけで、その分自宅近くを散歩でもした方がタダだし、より長時間運動できる。

しかし「健康」というのは、何も身体だけの問題ではない。脳の方も重要だ。

山に登るには、計画、準備、それに天候や体調などの状況に柔軟に対応する事が必要で、結構頭を使う。それにこうして毎度レビューを書く機会にもなるから「ボケ防止」にはうってつけだ。

心身共に健康でないと働けないから、山への交通費ごときは老後の貯金に匹敵するかもしれん。と思うようにしてる。

あっ。そういう話ではない。また塔の岳に登ったが、今回は勝手が違う。いつもは一人だが、今回はカミさんも一緒だ。本来なら下りが苦手な彼女に大倉尾根の下りは辛かろうと思われ、一緒に登るのは回避し続けてきたが、台風で荒れた登山道が多いこともあり、とうとう塔の岳という選択肢になった訳である。

前置きが長くなるが、この時期、登山口の大倉の日没は4時半。僕一人なら休憩も入れてトータル5時間半あれば問題なく往復できるが、カミさんの下りスローペース考えると7時間、いや8時間は欲しい。

という事は、せめて9時前から登り始めたい。
webの時刻表によれば、6:16北千住発の千代田線に乗れば、渋沢に8:02到着で、それからバスで8:30には大倉に着けそう。

北千住駅の改札を出たところで、カミさんはファミマに寄り、僕は一足先に駅1階に降り、出口近くの喫煙所にて彼女が来るのを待っていた。千代田線は地下にあり、いつも2人でここに立ち寄って一服している。しかし、待てど暮らせど彼女は来ない。電話しても出ない。マナーモードで気づかないんだろな。

もしや一服せずに地下の千代田線改札に向かったか?僕は地下改札へ降りる。
いない!目標の電車の時間が迫る。
どこ行ったんだアンニャロ!
短気な僕は、頭に血が上りイライラ。

結局カミさんは、ファミマの前で僕を待っていた。
「一服したら戻って来ると思った」
「千代田線は地下なのになんで2階にまた行かなきゃいけないの」
「だって、何線に乗るか知らないもん」
「千代田線っていったでしょ。それに丹沢方面何回か行ってるでしょ」

カミさんの顔色が曇る。ここで僕は我に返った。
(ヤバい。言い過ぎた。核攻撃される!)
僕は穏やかな口調に転じて
「とりあえず千代田線に乗ろうよ」
と言った。

予定の千代田線には間に合わず、1本後の電車に乗る。このまま代々木上原に行っても、小田急快速急行には乗れない。それだと大倉到着は9時を過ぎてしまう。僕の灰色の脳細胞たちがフル稼働し、事前に立てた幾つもの移動プランを再検討する。

「西日暮里で下りよう」
そこから山手線で新宿へ向かう。
ギリ小田急ロマンスカー「箱根1号」に間に合うかもしれない。

間に合ったよぉ!若干顔がひきつってる。

特急はええのう。

僕がブチ切れなかったご褒美ということで、車内販売の、たいめいけんカツサンドをひと欠片ご相伴にあずかる。

で、大倉到着。8:30予定通り。ここから1200m登るのだ。

登山口から塔の岳は6.4k。

木道と階段地獄を経て(※途中については「魔の山塔ノ岳。大倉尾根ピストン」をご参考ください )

12時ちょい過ぎに到着。ほぼ3時間半。カミさん登りは早くてちぎられる。ただ、ダーッと登ってゆっくり休憩。というスタイルだから、ペース狂うんだよなぁ。疲れて汗だく。

富士山

尊仏山荘。人多い。

大山方面かなぁ。360°パノラマビュー。さて

さて、昼メシ。唐揚げ、おにぎり、インスタントラーメン。まごうことなきハイカロリー。

下り開始が1時半頃。

花立山荘までは余裕かな。登りの時は、ここまでに足使ってるから、ここからしんどいんだけど。ご飯も食べたし、まだまだ元気いっぱい。

岩場と階段の連続。いつもの僕なら走って下りるんだけど、カミさんはヘロヘロ。ヨロヨロで登りの勢いはない。
とにかく大倉尾根は、堀山の家~花立山荘が一番険しい区間なのです。

時にはフラットですが。

もみじはまだ青いんだよね。

階段地獄。足にきます。

ザレて滑りやすい。

とにかくここ踏ん張りどころ。

休み休み堀山の家到着するも、カミさんの顔は険しい。まだ下りの3分の1。とはいえ難所は超えました。

で、見晴茶屋あたりで16時をまわり。観音茶屋では日没して薄暗く。
ここで、カミさんに「ヘッドライトつけよう」と指示するも、バックパックの底の方にあるらしく、取り出す元気もない。

しょうがないから僕のヤツを渡す。山育ちだし夜目は効く方なのだ。男の子だしね。とにかく一刻も早く下山しなきゃならない。
とはいえ、年に5~6回は歩いてるルートだし、ナイトハイクもやれるくらいコースは整備されている。

到着~。5時過ぎ。ちょっと時間オーバーだけど、誤差の範囲内。特急乗れて開始が予定通りで助かった~。
ヘッドライトなど装備面で準備を怠らないことも重要だし、移動も不測の事態に備えて予備プランを幾つか把握しておくのも大事だ。

そんな感じの、カミさんと行った塔の岳でした。大分行く前にもう1回一人で登ろかな。

そして本日11月13日(水)ただ今。

新宿から京王線の車内でこれ書いてました。カミさんから「高尾山の紅葉具合確認して来い」との勅命を受けて、斥候です。このレビューはまた。

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