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巨大トカゲ探検隊

 家族と一緒に住み始めて約1ヶ月半が過ぎた。意外な事に東京で過ごしていた日々となんら変わらない。
 刺激的な非日常が広がる海外旅行として来るバンコクと違い、生活の拠点となったバンコクは単なる生活の場であり、平凡な日常の舞台である。
 そんな日常から抜け出そうと子供達に巨大トカゲの探索を提案した。以前出張でバンコクに来た時にルンピニ公園にわんさかと巨大トカゲがいるのを目撃しており、確実に発見できる自信があったので、提案した。
 この提案に子供達も興味を持ち、先日の日曜日に実行することになった。

 ルートは、MRTスクンビット駅もしくはBTSアソーク駅から10分程度のところにあるベンジャキティ公園を出発し、ルンピニ公園までの歩道約3キロを歩いて探索するもの。運動不足解消もできるプラン。
 スタート地点のベンジャキティ公園に到着し、巨大トカゲ探検隊を結成。当日は、暑かったこともあり、公園まで行くのにもブーブー文句を言い、少し歩けば「暑い~、帰りたい。。。」そんな状況。とはいえ、ここまで来たのだから覚悟を決めて、いざ出発。
 すると早速大誤算。タイはいつも期待を裏切ってくれる。

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 オオトカゲが現れた。。。
 「ウォー!!デケー!!スゲー!!」
 子供達が大興奮。父としても子供達の興奮した姿を見て、満足である。提案した甲斐があったなぁ〜と思った次の瞬間
 「もう見つかったから、探検隊は解散して家帰ろう!今日は暑いし、もう家でゲームでもしようよ。あ~プールにしようか?!」
 結成直後に解散するわけにはいかない。そもそも父としては、コロナで学校に行けなくなった代わりの運動不足解消作戦として、思いついた巨大トカゲ探検隊という名の「長距離を歩かせよう」作戦。このままでは、裏の作戦が、失敗か。。。
 「こんな小さいトカゲ1匹で良いの?オオトカゲと巨大トカゲはサイズが全然違うよ!!」
 父、必死の説得。
 「えー!もっとデカイのいるの?!」
 男は単純なもんで2人の息子は、一転巨大トカゲ探索にやる気が出てきた。どんなに大きいのが現れるのかと興奮気味。
 「別に、どうでもいい。家に帰ってプールに入りたい。」
 娘はあまりトカゲには興味がないようで、男の子のようにはいかない。より現実的というか、めんどくさがりというか、、、とは言え、妻の説得もあり、娘も納得して改めての出発となった。
 ルンピニ公園までの道中はタイの下町のど真ん中を歩き、面白い。

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 流石に写真には収められなかったが、洗濯物が所狭しとならび、半屋外のキッチンで何かを作り、上半身裸のオッサンがゴロゴロしてたりと、タイの生活感あふれた日常を垣間見ることができる。
 また、歩道の周りには高い建物がなく、レトロな木造一軒家の向こうには、近代的なハイテクビル?が立ち並ぶ。ちょっと異様な景色になっていて、タイの近代化の波が、下町を今すぐにでも飲み込むのではないかという勢いを感じることができる。
 日本の70年代が今のバンコクと聞くことがあるが、私は79年生まれなので、よくわからない。ただ、年配の方に言わせると、勢いとか活気なんかがなんとなくそういう感じを出しているとのこと。私が初めて来た99年のバンコクはもっとこじんまりとして、高い建物も少なく、もっとカオスな感じがしていた。今は、近代化による洗練さと、昔ながらのカオスな街並みがミックスされて、独特な雰囲気を醸しているように思う。

 さて、ベンジャキティ公園から歩くこと1時間半弱、とうとう目的地のルンピニ公園に到着。コロナ禍のため、体温測定をしてからの入園。
 公園にはお堀のような川と池、芝のような草が生い茂ったガーデン、公園全体を一周するように自転車・ランニングロードがある。当日は、昼の暑い時間帯だったにもかかわらず、ランナーとサイクリストでいっぱいだった。
 そんな中、子供3人の巨大トカゲ探検隊は、目を血走らせてトカゲを探す男チームと一人のんびり女チームに分かれて、探索が始まった。

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 探検隊が最初にターゲットにしたのは、公園を入った目の前にあるお堀のような池。早速、動物発見の報告が始まる。
 亀がいる、ナマズがいる、メダカがいる。。。と
 実際、上の写真にはナマズがいるので探してみて欲しい。
 小さな成果と言え、生物を発見した探検隊男子部はがぜんやる気がでる。
 次はもっと大きいのを探すぞ!と水分補給に集まるだろう池の周りを中心に探索を開始した。探索開始、15分くらいだろうか、池の周りの物陰から興奮気味に
 「はっけーん!!とおちゃん、デケーのがいる。やべー」
 興奮気味のリアクションをしながらの成果報告。
 「またいた」
 そんなこんなで9匹ほど

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 巨大トカゲは、公園のあちこちで見ることができて、子供達も父の想像を超えるリアクションと興奮の雄叫びを連発。早く帰りたいと言っていた娘もさすがに巨大トカゲには驚いたようで、興奮気味に写真撮影に没頭。結局、ルンピニー公園に入ってからは、「疲れた~」の愚痴もなくなり、2時間ほどあっという間に時間が流れていった。

 父としては、本当にありがたい。巨大トカゲに感謝である。
 お金をかけずに一日を過ごす。特に男の子には効果絶大の巨大トカゲ探索でした。

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