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朝9時と夜9時のおはようとおやすみなさい

サマータイムの今、日本とニューヨークの時差は13時間。
日本の方が13時間進んでいる。

毎日ニューヨークにいる夫とLINEのビデオ通話をしている。
日本時間の朝9時と夜9時に私たちは話をする。

お互いの健康状態、家族の話、気候の話、政治の話、そして他愛のないなんてことのない会話。

思い起こせば、長い付き合いの中で、離れて暮らすのは今までにも何度もあった。

大学の先輩だった夫は、
先に就職して関西勤務になり私たちは遠距離恋愛になった。
そのときはお互いに毎日手紙を書いて送りあった。
実はそのときの手紙は大切にしまってある。
恥ずかしい手紙をお互いばかにしながら読むことを老後の楽しみにしよう。

その後、結婚しても勤務地が離れ離れだったので遠距離結婚を半年は続けていた。

そして夫が初めての海外転勤になった。
そのときの連絡手段はFAXだった。
沢山やり取りしたのだが、これは、感熱紙だったため、残念なことに残っていない。

当時電話代は高く
時々話してはいたものの、ごくわずかな時間だった。
手紙やfaxでやり取りしたのは、何よりお互い忙しかったから。電話での連絡は難しかったのだ。

そのあとも、数ヶ月単位で離れて暮らすことが何回かあった。
連絡手段はメールやスカイプに変わっていった。

そんな毎日の中で、子供が生まれ、成長し
私たち家族も変化してきた。

ひとりstay homeしている夫の健康と精神状態が心配で
毎朝9時と毎晩9時に連絡を取り合うようになってもう4ヶ月が経とうとしている。
かつて手紙やfaxでやり取りしていた時代から考えると
無料でビデオ通話ができるなんて本当に夢のようだ。
Technologyに感謝する。

新しい生活様式と言われるけれど、
通信手段が変わってきたように、時代とともに生活様式は変わり続けてきた。
家族の形が変わるだびに、生活スタイルを変えて生きてきたのだ。
私たちはそれに上手に合わせてきたじゃないか。

今も朝9時と夜9時におはようおやすみ、おやすみおはようと言い合ってるだけだが、
一緒に暮らしている時と同じようにお互いを身近に感じている。
もしかしたら、ちゃんと向かい合って会話する時間は増えているかも。
そう思うと、新しい生活様式も悪くはないように思えてきた。
大丈夫、きっと私たちは上手くやっていける。

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