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DPCデータについて知ると、マクロな視点がもてるようになるお話

こんにちわ!病院薬剤師のさめ猫です。

病院で勤務していると、この薬の使用量はどうなんだろう、診療科ごとの特徴はどうかな、検査オーダとの組み合わせはどうだろう等いろいろなことを考えたりします。

そして、いつか、「違う病院と比較したいな」なんて思うことがあるかもしれません。

そんな時に役に立つかもしれないのがDPCデータです。

DPCデータとは

DPCとは「Diagnosis Procedure Combination」の頭文字で、診断群分類に基づく包括評価制度のことです。
DPCデータは、このDPC制度の導入により作成されるようになったデータセットです。簡単にまとめると以下です。

分析可能な全国統一形式の患者臨床情報+診療行為の電子データセット

医学書院のコラムで簡単にDPCのポイントがまとめられています。

DPCデータに含まれる情報

以下が2020年度のDPCデータのデータセットの詳細です。

DPCデータには、様式1、様式3、様式4、Dファイル、Eファイル、Fファイル、EF統合ファイル、Hファイル、Kファイルとたくさんの項目があります。

今回は使いやすい「様式1」と「EF統合ファイル」に絞ってお話しします。

様式1
患者属性や病態などの情報
よく使う、使いやすい項目は以下です。
・生年月日、性別、患者住所の郵便番号、救急搬送の有無、入院年月日、退院年月日、入院契機となった傷病名、最も医療資源を投入した傷病名、ADLスコア、FIM、JCS

EF統合ファイル
医療行為情報
よく使う、使いやすい項目は以下です。
・行為明細名称、レセプト電算コード、データ区分、使用量、行為回数、行為点数、医師コード、病棟コード

こんな使い方できます

●患者住所と救急搬送から、『医療圏の把握』

●入院契機傷病名と行為情報の薬剤情報を組み合わせることで、特定の疾患の治療状況の把握→『クリティカルパスの作成』

●入院日と退院日から在院日数を算出し、行為情報から抗菌薬を抽出し使用量を集計することで、『抗菌薬使用密度に関わる指標:AUD/DOT』を算出。

●最も医療資源を投入した傷病(例えば誤嚥性肺炎)を限定し、行為情報から薬剤情報・金額を抽出し、医師データと組み合わせることで、誤嚥性肺炎の治療で、異常に医療資源を費やす医師がいないか調査→『バリアンス分析』

ベンチマークに利用

DPCデータは全国共通のデータフォーマットで運用しているため、データ算出方法をFIXすれば、多施設でのデータ比較が可能となります。

その際には、病院規模を考慮して、入院患者であれば在院日数で補正するなどの工夫が必要になります。

上記のJ-SIPHで行われている抗菌薬使用量ベンチマークもEF統合ファイルを使用したものとなっています。

分析するにはどうしよう

私は普段、MicrosoftのAccessを使用しています。

院内のPCにもインストールされていることもあり、また、操作も簡便なのでデータ処理がしやすいです。

それについてはまた後日希望があれば書いていければと思います。

サポートいただきました方からのリクエストには優先的に記事をアップさせていただきます。いただきました金額は執筆機材の充実とさらなる知識向上で皆様に還元させていただきますのでどうぞよろしくお願いいたします。