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自臭症(patm) の認知行動療法~その1~

【自臭症(patm)の認知行動療法~その1~】

前記事 自臭症(patm) とは?
https://note.com/samayuka/n/n2d791a25a1f8

はじめに

samayukaは18歳の時に自臭症(patm) を発症しました。苦しい状態でなんとか高校に通い続け卒業はできましたが、そこから2年半の引きこもり生活が始まります。

食事・睡眠・入浴などの生活習慣の改善やデオドラントを試しまくり、とにかく体臭に良いとされることを実行しましたが、結果に一喜一憂するだけで根本的には何も変わらず…。そんな状態で精神科に通院し、認知行動療法を紹介してもらうことに。その結果、半年で完治し、無事に社会復帰できました。

そこでの経験を書いて共有し、自臭症(patm) とは何か、それをどうやって治すかの参考にしてくだされば…と思い、自身の体験を公開したいと思います。

samayukaは精神保健福祉士ですが、心理士師の資格は持っていません。あくまで私個人の体験記として、読んでくださればありがたく思います。

私が受けた認知行動療法は次の3ステップ

①心理教育 
自分がどんな状態かを知り、どうなることがゴールかをはっきりさせる
②自動思考の検討
ゴールに向かって役に立つ新たな考え方を知る(自動思考に気づき新たな思考を検討する)
③身体反応の消去
新たな思考が正しいか実際に確かめゴールに到達する(行動して身体反応を消し去る)


詳しく見ていきましょう✨

①心理教育

自分はどんな状態か?
~周りを気にするようなきっかけを思い出す~

いま、自臭症やpatmで悩んでる皆さん
いまの自分がどんな状態であるか、はっきりいえますか??

自分の臭い(化学物質)が気になる。
これは多分ほぼみなさんに共通することだと思います。ですけど、これってまだ曖昧なんですよ。順番をハッキリさせましょう。

臭いが気になりはじめる何らかの原因、ありましたよね?
私は夏に骨折してギプス生活になり真夏に入浴不可になりました。汗かきます。周りを見たら鼻をすんすんしてはります。
あぁ自分のせいだなぁって思うようになりました。

実際にちゃんと入浴できてないので結構汗くさかったと思います。次第に周りの鼻すすりや咳を自分から出る体臭(化学物質)のバロメーターとして意識することになります(他の方の話では、臭いを指摘されたことがきっかけの方が多いですね)。

しばらくしてギプスがとれる日が来ました。
しかし、まだ周囲は鼻をすんすんさせてはります。

あれ?

ギプスなく入浴できてる

周りの咳き込み等はまだある

骨折で入浴ではとりきれない何か異常な体質に変化したのか?

と疑心暗鬼になり始めます。

いや、そんな話があるか?となりますけど周りの咳き込み等は収まりません。だんだん周りの咳等がひどいストレスになってきます。

やっぱり自分は異常な体質なのでは?いや、いきなりそんなことになるか?でも、まわりは咳き込んでるぞ?鼻すすってるぞ?と終わらない思考と常に付き纏うストレスとの共生生活が始まります。


そうこうしているうちに、人と会うストレスに耐えられなくなり、引きこもるようになりました。

ハッキリしてくる自己像

否定から生まれる自分と相手への信頼感

以上のストーリーは、認知行動療法のカウンセリングを受けて、まず、今の状態を振り替えるために自分で思い出しながらセラピスト(カウンセラー)に語ったものです。

さて、ここでですね、カウンセリングってイメージしてたの、優しく肯定してくれて、慰めてくれて、過去の心の傷を癒しましょうとか、そうなるのかなと思ってたんです。

けど認知行動療法って全然違います。

優しくは受け止めてくれますけど、全然肯定してくれません笑

こちらがしんどい思いをして思い出したストーリーに対して容赦なくツッコんできます。

セラピスト(以下、セ):そもそも、samayukaさんはギプスする前(臭いが気になり出す前)に周りがどれほど咳などをしていたか知っていますか?
samayuka(以下、S):知りません。

セ:ならなぜギプスをしてから周りの咳などを見聞きして自分のせいだと思ったのですか?
S:自分に臭いがあったからです。

セ:ですが臭いが気になる以前、周りの咳などがどれくらいだったか思い出せないんですよね?
S:はい。

セ:すみませんが、なぜ周りの咳を聞いてショックなんですか?
S:自分の臭いが原因だから。周りに対して申し訳なくなる。嫌なヤツならわざとやってくる。

セ:でも、ギプス前の咳などがどれほどのものだったか覚えていないなら、以前からずっと、あなたがいてもいなくても、咳とかあったと思いますよ。あなた原因ってなんでわかるんですか?
S:明らかに増えている。自分がいると周りが咳き込む。

セ:明らかに?増えてる?ギプス前の周囲の咳などの数を知らないんですよね?
S:はい。

セ:ではなぜ増えてるってわかるんですか?以前を知らないのに。あなたがいない空間での咳き込みなどの数をあなたは知らないですよね?いないからわかりっこないですもの。以前も、自分のいないときも知らない。比較対象を知らないのに、なんであなたがいると咳が増えるって言えるんですか?
S:わかるものはわかる。

セ:samayukaさんは周りの咳とか自分のせいだと思いたいですか?
S:そんなわけないでしょう。思いたいわけない。

セ:でもあなたは「明らかに増えてる」とか、比較対象を知らないのに断言してます。確かな根拠がないのに。
S:直接言われたこともある。臭いとか。

セ:それとあなたの周りが咳き込んでいることの関係は?
S:ある。

セ:どういう関係?
S:臭かったら咳き込んだり鼻をすすったりするでしょう。

セ:samayukaさんは、トイレだったり誰かオナラしたら咳き込みます?ましてや、鼻をすすりますか?
S:いいえ、鼻息を止めたりすると思います。

セ:ですよね。なら、なぜまわりが咳き込んだりしたら、自分のせいだと思うんですか?
S:そう思うからです…

以上のように、正論という鉄の拳でボッコボコです。
そしてセラピストはsamayukaの状態を次のようにまとめます。

・比較対象も知らないのに、自分がいると周りの咳などが増えたと思っている
・普通は臭いものがあっても咳や鼻すすりなどしないとわかっているのに周りの咳などを自分と関係していると確信している
・周りの咳などが自分のせいだと思いたいわけではないのに、根拠がないことを突きつけられれば、そうとしか思えないと頑なに認めない

これらは自臭症の人に良く見られる典型的な状態(パターン)だと伝えられます。そう思いたくない。自分の確信が間違っている確率もあるかもしれない。でも、鼻すすりなどを聞くとその確信は揺るぎないものになり、ストレスを強く感じてしまう。

それが自臭症のやっかいなところ。
親族や医者にあなたから臭いがしないと言われても鼻すすりなどを確認すると、嫌な気持ちは復活しまた自分は臭いという確信が甦ってくる。

この状態を心理学(認知行動療法)ではある程度、細かく分析することができます。それをカウンセリングで教えてもらうことになります。

それはまた次回に書きますね。

最後まで読んでくださってありがとうございます✨

次記事 自臭症(patm) の認知行動療法~その2~
https://note.com/samayuka/n/n837784901cc6

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