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小坂流加『余命10年』を読んだ


《ネタバレ注意》

朝早く、ふと目が覚めてこのまま寝るのも億劫だと思いベッドの上で、読み進めていた本を開いた。

そこから2時間ほど頁を捲る手は止まる事なく、たった今読み終わった。

『君の膵臓をたべたい』を読んだ時のように泣いてしまうかと思っていたけれど、涙は落ちなかった。うるっとはしたけど、”泣く”ことは出来なかった。

10年という運命に決められた時間を生きる茉莉の人生に寄り添っているような気持ちだった。

彼女の本当の最後は壮絶だったのだろうが、あまりにあっさりと描かれていて、不思議とネガティブな気持ちにはならなかった。

終わりの時間が決まっている一人の人間の、美しい人生の終わりを見たと言うような感覚。

自分にもいつか訪れるその時。

今が幸せすぎるが故に怖くて仕方がない。

だけど今はそんな幸せな当たり前だけを見つめて、生きていきたい。

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