見出し画像

40歳でも彼氏ができた女(2):彼氏ができて干物女がまず最初にやったこと。

何を隠そう3年という長い間、親密に関わる男性がいなかった干物女はこのわたしだ。
そんな干物女にも、思いがけず彼氏ができた。

わたしは低収入限界OLだけど、貯金もしなきゃならない。
だから、メリハリをつけてお金を使っているつもりだ。
「衣」にはあまり興味がないから、いつもプチプラ。
「食」は大事にしたいし美味しいものを食べたいから、食材も外食もお金はあまり気にしない。
でも、出社の時のお茶やコーヒーは家から持って行く。
「住」は実家暮らしだけど、光熱費は節約を意識したりもする。

だがしかし!
わたしはある点において、メリハリのメリ(減り)の方を間違えていたようだ。

わたしはブラジャーをしていなかったのだ。

だって、在宅勤務でずっと家の中にいるし、彼氏もいない。
もしやここは節約できる部分じゃないか?と気づいてしまったのだ。
その日からずっと、在宅勤務中はノーブラ
土日に出かけるときには、ブラトップかワイヤーなしのナイトブラのようなラクなものを身につけていた。

外身は女でも、服の下は地獄絵図。
丸の内で素敵なランチをしていても、服の下は地獄絵図。
ホテルのラウンジでお見合いをしてかしこまっていても、だ。

そうだ!ブラを買いに行こう!

さすがに地獄絵図を彼氏に見せられない。

わたしは下着にお金をかけることが好きだったから、在宅勤務になる前は、上下セットで1万5000円くらいのものを買っていた。
さすがに1万5000円もするものを一気には買えないから、アウトレットに向かった。
ビヨビヨに伸びたブラトップとパンツを付けて、自転車で激走した。
もうこうなったらどんなブラでもいい!
とにかくわたしを女に戻してくれ!

藁をも掴む思いで、ショップの門を叩いた。タノモー

思いの外アウトレットにもかわいい下着はたくさん売っていて、サイズを測ってもらい、いくつもブラを持ち込んで次から次へと試着をした。

だがしかし!(2回目)

苦しすぎる。
ブラってこんなに苦しかったっけ、、
こんな締め付けられてたら何も食べられない。
食べられないどころか、こんなものを付けて1日涼しい顔をして過ごすなんて無理だ。
試着室で1人、膝をついて愕然とする。

意を決して店員さんに聞いてみる。

「あのー、、これは本当にわたしのサイズなのでしょうか」

店員「はい、ぴったりです」

ウルセーーーーーーーーーーーー!!!

泣きながらわたしは5セットのブラを買った。

わたしはそんなに胸が大きくないから、ブラをしなくたって垂れないと思っていた。
でもなんだか試着室で見た自分の胸は、いつの間にか横に広がってしまったように見えた。

胸も広がったし、ブラも付けられなくなったわたし。
おばさんになったと思っていたのに、実はおじさんになっていた。

リハビリだと思って、今は在宅勤務中もちゃんとブラをしている。
怪我をしたわけでもないのに、リハビリさせられる胸。 

あの日、試着とお会計を担当してくれた店員さんが、ブラの取り扱い方が書かれた紙をくれて、そこにメッセージまで書いてくれた。

「早くワイヤーありのブラに慣れてくださいね!」

初めてブラ買った中学生かよ。
40歳なんだ。



この記事が参加している募集

#創作大賞2024

書いてみる

締切:

#給料の使い道

350件

いただいたサポートは、記事を書くための活動に使わせていただきます😆